文責は尾崎(Jacky)。夜学バー日録。
2023年前半(1月〜6月←いつか書き足す……かも?←書き足しはじめました、2024/01/29~)

ジャーナル 2022年前半 2023年前半 2023年12月 TOP
書き足し部分から読む

【2023年】

2023/1/1日 -5j
 年中無休と言い張るために「元日も5時間営業してましたよ」というアピール。実際は7時前くらいまでいました。詳しくは去年末の日報を。夜の営業はありませんでした。

2023/1/2月 2359-29j ※庚申の日
 日のうちに1分だけ営業し、庚申の日ゆえそのまま朝まで。
 20代(推定)の女の子が3人、終わりまでおりまして、朝方に70代の男の人がおいでになりました。計4人。
 庚申の日にわりと人がいない(ここ3年は特に……)ことに関して、「もったいない! この楽しさ、ワクワク、特別感が伝わってないんじゃないですか?(伝わるようにもっと宣伝をすべきではないのか!)」みたいなこと(だいぶ脚色しました)を言われる。伝わってないんでしょうか。伝わってほしいですね。
 大学で古文書(?)を読んでいたら「守庚申」という言葉が出てきて、めちゃくちゃかっこいいと思ったので以来やっています。それは平安時代、1000年ちょい前の漢詩。1000年前にも人々がやっていたことをそのままやるって、ロマンチックじゃないですか? 時を超える感じしませんか? 僕はすごく遥かな想いがして毎度ギューンてなるのです。
 次回は3月3日、おひなさまで金曜日です。お待ちしております。

2023/1/3火 15-25まちくた、j
 ここからまちくた超連勤。3日から10日まで毎日立ってます。10日は成人の日で、彼女が初めて夜学バーのカウンター内に演者(?)として立った日からちょうど1年。1年前も立派でしたがそれでも今は1年前と比べたらまるで赤ん坊と兵隊。本当にお世話になっております。
 彼女を大いに褒めた文章は僕の個人ホームページの年末あたりにありますので奇特な方はお探しください。
 実質年始1日め。とくに混みもせず通常運転という感じ、だったと思います。幸先は良し。1年間よろしくお願いいたします。

2023/1/4水 15-25まちくた、j
「ガレット・デ・ロア」なる年始おやつを持ってきてくださった方あり、僕とまちくた氏含めた7名でいただく。席が8分の6埋まっている状態でしたが夕方くらいには落ち着き、夜はすっかり静かでした。
 年始は特別。ふだんいらっしゃらない方や、久方ぶりの方が顔を出してくださる。「年始くらいしか暇がない」とか「年始くらいしか東京にいない」というような方々。そういうこともあるからあんまり長くは休めない。病気ですね僕も。

 僕はお会計のとき「〇〇万円です」とほぼ必ず言うのですが、それに対する反応を実はものすごく観察しております。それが良いとか悪いとかはあんまり考えないようにしていますが、「なるほどこういう返し方もあるのか」とか、いちいち面白いのです。
 そのことを知っている女の子が、自分の恋人がした反応についてその場で、「今の(彼氏の反応)、どうでしたか?」なんて聞いてきて少し困った。
 多くの人が、僕の「〇〇万円」をくだらないジョークだと判断して(実際くだらないジョークですので合ってます)気を遣ってなのか、「破産しちゃいますよ〜」とか「足りるかなあ〜」とか「湯島はインフレがすごいですね〜」みたいなふうに返してくださいます。ありがたいことです。「昨日競馬勝ったんで」とか「駄菓子屋みたいですね」とか。いろんなバリエーションがあります。「〇〇……何円ですか?」と、聞き取ってもらえない場合もあります。そりゃそうです、まさか「万円」なんてくだらないことを言うとは思いませんものね。
 顔色ひとつ変えずにスッとお金を出してくださる方が一番好きだったりします。そのくらいのことはあるだろう、という余裕。最高です。「はい、〇〇万円」と出す額を唱えてくださるのも良いです。「××万円出すんで、お釣りを△△万円ください」まで行くとやりすぎというか、ニヤリ感が出ちゃってやや落ちます。
 なんてのを読むと、どう反応したらいいのかわからなくなりませんか? 僕ならなります。だからあんまりこのことを書きたくはなかったのです。(かつてどこかに書いた気はしますが。)
 彼氏の反応、答えても良かったのですが、いろんなことを考えて言いませんでした。いろんなこととは? せめてそこは秘密にしておきます。

2023/1/5木 15-25まちくた、j
 中学生、僕の高校の同級生女子、近所の同業の方、そう近所じゃない同業の方、という布陣で豊かだった。夜は一緒にワイン飲んだりブランデーいただいたりして僕もけっこう酔っぱらった。
 同級生は高1の時に同じクラスで、たまたま隣の席になった時からけっこう話すようになって、夜麻みゆき先生の漫画(『刻の大地』とか『レヴァリアース』とか)が二人とも愛レベルに好きだとわかって急速に仲が深まった。なんというのでしょう、完全に同じ経験をしている訳です。僕があの作品群から受けたインパクトと全く同じものを、だいたい同じくらいの年頃の時に受けているのだから、大袈裟に言ったらきょうだいみたいなものなのです。
 それでずっと付かず離れず仲良しで、お店にもたびたび来てくれている。海外に暮らした期間も長く、今は名古屋に住んでいるのだが、それでもついでがあれば顔を出してくれる。長い間続いてゆくよ友情!(小沢健二『超越者たち』)
 そういう相手が、夜学バーという場で、上記のようないろんな、しかも初対面の相手と席を同じくするというのは面白いし、そういう時にみんなが楽しくいられるような場にすることは、本当にやりがいがある。僕のやるお店の最大のテーマは、これだと思う。
 高校1年生の時にホームページを始めた。そこを僕は「あらゆる人がいる場所」にしたかった。当時すでに、地元(中学まで)の人間関係と、高校の関係と、演劇部まわりの関係(OB・OGや他校の友達、さらに先生との付き合いもとくにネット上には多かった)、インターネット発の関係と、少なくとも4種類の関係を僕は持っていた。その人たちがバラバラに存在していることが僕には耐えられなかった。性分として。だから一つに統合するみたいな目的もあってホームページをつくった、というところはかなりある。BBS(掲示板)やチャット、そして誰でも文芸作品を投稿できる「活字芸術」(今日来てくれた子もこっそり投稿してくれていた! 当時は匿名だったので秘密だぞ!)などにその4種類の人たちは合流し、僕だけのごった煮ワンダーランドとなった。それのもうちょっと大規模で、肉体をそのまま使ったものをやっているのが、夜学バーを代表とする「僕のやるお店」なのだ。
 高校の同級生が、他のいろんなお客さんたちと、違和感なく同じ場を共有できるお店。そうでなくては絶対に嫌なのです。それこそが仲良しの実践であり、「原っぱの論理」の実践と信じるのです。
 同業のかた2人は、どちらも翌日が仕事はじめで、こうなるとやっぱり「開けててよかったお正月」となります。来年もたぶん、できるだけ早めに開けたいところです。でもそろそろ年越しは地元の名古屋でやりたいので、大晦日だけ「夜学バー名古屋店」? 会場大募集。

2023/1/6金 15-25まちくた、j
 夜学バーの理想としては、まず「夜学バーに興味を持つ人」がいて、「店主(僕)に興味を持つ人」がいて、そして「従業員(僕以外)に興味を持つ人」がいてほしい。この日は「まちくたのお客」がきた。本人とても喜んでおられた。どんどんごった煮になっていってほしい。昨日の日報参照。
 年始だし、なのか、早めの時間からお客さんいらっしゃった。いい具合にくたびれたなあとお片付けをしていたら12時50分ごろお店の固定電話が鳴った。「これから2名でいいですか?」こういうのを僕は断らないようにしている。(こっちは断らないのに結局来ないとかはある。)
 25時に閉店なのに25時に来店とはなんぞ? ヤバい人なのでは? と思えど、閉店時間を誰もが知っているわけでない。良縁の可能性だってある。どうしても来たいと思ってくださるなら無碍にするわけにはいかない。
 蓋を開けてみると、お二人は午前4時くらいまでいらっしゃって、きっちりたくさんお酒をお召し上がりくださり(こちらからすると「残業」なのでとてもありがたいのだ)、また僕にもお酒をごちそうしてくださり(こちらからすると「仕事上がり」みたいなものなのでとてもありがたいのだ)、しかもものすごく有意義な時間を過ごすことができた。これぞ夜学バー、という感じの。
 彼らは「データサイエンティスト」で、同じ会社にいたがお互い転職していまは別の職場にいるという関係。面白い話題は多々あったが、「データ分析は数占い師」という発言には膝を打った。僕は「それで言ったら将棋なんかも〜」みたいな話をして、なるほど、みたいなところからまた次の展開になっていく。
 夜学バーに立つ者は、すべてを知っている必要はないけれども、だいたいのことの「さわり」くらいはなんとなくわかっておくと便利だと思っている。たとえばデータサイエンスのことを僕はもちろんよくわかっていないけれども、「だいたいこんなもの」というのだけでも知っていると、「あれってどういうことなんですかね?」という具体性に踏み込んでいける。相手も、「ああそこまではわかってるんなら」というような態度になってくれたりする。
 それっぽいことを言えば、浅い知識は「知ったかぶり」のために使うのではなくて、「相手の手間を省く(負担を減らす)」ために使うものである。
「それってどういうお仕事なんですか?」から始まると、それだけでかなりの時間と手間がかかる。相手も何百回と説明してきたことを繰り返すことになるから、楽しい酒の席には合わない。(念のため申し上げておきますが、こちらから「どういうお仕事をされているのですか?」といった質問をすることは原則ない。今回はたまたま仕事の話になったので口を挟んだ。「うちの業界の人は飲むと仕事の話ばっかりですよ」とおっしゃるので、甘えて?その話ばかりをさせていただいた。)
 今回思ったのは、たとえば「データサイエンスとは何か?」という問いの答えには2種類の質があって、それは「実務としてどういうことをするのか」というのと、「本質としてどういうものなのか」というの。前者を知らなければ前者の話をするしかないが、前者をおおむね把握しておれば、後者の話に発展させていくことができる。そして、まともに仕事をしている方というのは基本的に後者のことをめちゃくちゃ考えているので、その領域に持っていけると、ものすごく実りのある時間になる。そういう時間だったな、と振り返って思う。
 ところで、僕はいつデータサイエンスについて知ったのか? ネタバラシをすると、今回いらっしゃった方のうちお一人は初来店ではなく、以前においでになったことがある。おそらくその時に恥をしのんで「それはどういったお仕事なのですか?」をやったのだと思う。記憶は曖昧である。たぶん3年以上前の話。それで「前者」の領域をおおむね知り、それからずっと忘れずに、またそこを土台としてそこそこの肉付けをしてきたがゆえ、「あれから気になっていることがあるのですが」ができたのだろう。
 僕はそれなりに色々なことを知っている自負があるが、無論もともと知っているわけでもなければ、勉強して知識をつけているわけでもない。「雑学の本」とかみたいなのも好きじゃない。人と話しているうちに知っていくのが一番性に合う。「知らないので教えてください!」と率直に聞いて、次回には「前者」の領域を満たせていられるように努める。興味が出れば調べたり本を読む。
 タモリさんが、どんな職業にでもなりすませるように新聞を隅から隅まで読む、というような話と似ていると思う。夜学バーがお店に紙の新聞を朝夕とっているのも似たような目的がある。
 でも、不思議なことに僕はなんでも知りたいわけではないし、なんでも知っていたいわけでもない。そんなことは不可能だし、際限がない。たまたま縁があって、たまたま知りたくなったことを知ろうとする。そしたら再会した時にまた少し深まった話ができる。ただ人と仲良くなったり、楽しい時間を過ごすため。理想論であって常にそれができているわけでもないけど、できるだけ。
「知る内容」が先にあるのではない。「知る内容」が先にあるのでは、「知っている人間」が後から来ることになる。人間が常に先にあるのだ。人間がいて、その人が何かを知っている。それを教えてもらう。次にはもっと面白いことを教えてもらうために、それについて多少は勉強することだってある。
 それは、その人が素敵な人だからだ。素敵な人は素敵なことを知っている。しかしさっき書いた「前者」の領域にはまだ、その真の魅力はあまり含まれない。「後者」すなわち本質的な話になると一躍、その人の素敵さは空間に開花する。それにはそれなりの時間がかかる。だから夜学バーはできるだけお店を開けていなくてはならないのである。

2023/1/7土 15-25まちくた、j
 素敵なファッショナボー母娘。娘は現在9歳にして、このお店はたぶん5年ぶり(2017年の9月にいらっしゃった形跡がある)。当時の母のツイートを漁ると(漁りました)「子どもも楽しかったと言っていました」との記述。4歳なりたてですでに夜学バーのトリコに! その後、僕の書いた児童小説『小学校には、バーくらいある』を読んでくれて、好きになってくれて、作中で主人公の女の子が飲んでいるミルクセーキを2杯も飲んでくださった。本当にありがたい。
 このままこの場所を好きでいてくれたらいいな。年齢一桁の人が「顧客」になってくれれば向こう80年通ってくれるわけで。僕の人生も安泰。今はちっちゃな鬼だけど(鬼?)、コツコツ小さなお客さんをあつめて、もちろん大きなお客さんにも気に入ってもらって、少しずつお店を豊かにしていけたらと思っております。どなた様もよろしくお願いいたします。

2023/1/8日 15-25まちくた、j
 先月初めていらっしゃった方が二度めのご来訪。都留泰作先生の『ナチュン』が全巻置いてあることに感動してくださったので、「おおっナチュンをご存知とは」と僕も嬉しくなった、のが初回。こちらの方とはグニュウツール(サブスクではカタカナだと出ない可能性あるのでGUNIW TOOLSという綴りもぜひ覚えてください)やリチャード・バックの話などもした。ピンポイントに何かがヒットするのは楽しい。と同時に、もっと普遍的で、特別な知識など何も必要としないような領域でヒットするのも素晴らしい。夜学バーには、というか僕の人との関わり方には、どちらもあるから良いと思っている。グラデーションは広く、また細かくしておきたい。

2023/1/9月 15-25まちくた、j
 まちくたさんが初めて夜学バーのカウンターに立ったのは去年の成人の日、1月10日だった。ちょうど1年ということになる。本当にいろいろ感謝しておりますがすでにいろんなところに書いているので略。彼女の怒涛の連勤祭り冬休み編もいったん明日でおしまい。祝日だからか日中からそれなりにお客がちらほら。夜は個人的にすごく素晴らしい光景が一瞬あった。自分が楽しくやれるのが一番ですな、お店というものは。本当に。

2023/1/10火 15-22まちくた
 まちくた連勤最終日、お客は僅少だったが、数年ぶりにいらすった方(当時は学生だった)がずいぶんゆっくりしてくださったりなど。「しばらく行ってないから気まずい……」みたいなこと、つい思ってしまいがちですが、大概は行ってみたらなんてことないもの。ぜひまた、再会を果たしましょう。

2023/1/11水 17-25j
 本日もお客は僅少、2名。うち一人は誰だったか思い出せない(記憶の仕組みがバグってるのでわりとこういうことがあります)。こっそり教えてくださいませ。
 僕(店主)の担当日のうちでは水曜かなり空いてる傾向ありますからこみいったお話のある方などよろしければ。

2023/1/12木 19-23f

2023/1/13金 17-26j
 冬休み終わり学校の始まった中高生がちらほら。今年もわけーもんにお世話になれそうで嬉しい。と同時に、「人によっては年明け最初の週末」でもあるので大人な方々もお顔を見せてくださる。しばらく試験的に金曜の閉店を遅くすることにしたので、ぜひとものんびりしにおいでください。終電で来ても間に合います。

2023/1/14土 17-25j
 新宿ゴールデン街の某店の某店員から出禁をくらった、と豪語する初来店の酔っぱらいさん。飲むごとに態度がよろしくなくなっていったので、「だめです」「とりあえず5分黙ってください」みたいなことを連発。そんな日もあります。もちろん、僕はかなり上手にやる(そのつもりです)ので、場の雰囲気が悪くなるようなことは全力で避けつつ、しかし「こういう人にはちゃんと注意するんですよ」というアピールをその場にいる他の人にしっかりしておくことはとても重要。
 その方がお帰りになったあと、遠方(隣の隣の県)から通ってくださっている方より、「ああいうお客さんに対するジャッキーさんのあしらい方、いいですね。あのくらいやっていいんだなって」とお言葉をいただいた。厳しくすべき時には厳しくしないと、また来てしまう。これを書いているのは2月10日ですが、たぶん一度も来ていません。ただ、もし次回ご来店した時に、少しでも様子がよくなっていたならば、上から目線で申し訳ありませんが「やるじゃん」って気持ちになりますので、また来てくださいという思いも湧いてきます。夜学バーは教育機関でもありますから、「行いの悪いお客さん」を無条件で排除するのではなく、「その行いはこのような理由でこの場にはふさわしくないですので、やめてください」と伝える、すなわち「条件」を提示することに徹します。それでその人が少しでも「そうしよう」と思って、実践してくださるのならば、嫌がる理由はありません。
 この日は「大学入学共通テスト」の1日め。高校3年生が受験したその足で来て「世界史ヤバかったっす」なんて言っているのも非常に夜学バーっぽい場面。札幌から来た人や大阪から来た人もおり、これも日本をまたにかける夜学バーっぽい風景。
 よく語ることなのですが、僕はあんまり都内での「営業」をしません。「夜学バーってお店やってるんで来てください!」的なのは。もちろんサッと名刺を出す、みたいなことは「今だ!」と思えばしますが、日常的にやっているとキリがないし、上記のようにある程度「客を選ぶ」お店でもあるので、闇雲には。ただ、旅行などで他の地方に行ったときは可能な限り営業を試みます。なぜかといえば、単純に「いろんな人が来てほしい」から。「富山から来ました」という人がいるだけで、なんか面白い。それだけの理由といえばそれだけなのですが、「日本全国と繋がっている」ができるのは東京の、さらにいえば新幹線や空港からアクセスの良い上野の強み。
 正直、夜学バーのような「お客を選ぶ」店は、東京くらいの大都市でなければ成立しない、いや東京でさえもだいぶキツいから、日本全国まで顧客の網を広げようとしているわけです。みなさま、ぜひ地方での「営業」に力をお貸しください。遠方のかた、遠方にゆかりのあるかた、何かの用で遠方にいらっしゃるかた、夜学バーの宣伝をめっちゃしまくっといてくださいませ!

2023/1/15日 17-23まちくた→f

2023/1/16月 18-23のめみ
【のめみ】
 夜学バーに3度目とのことであるお客様が1名。年末頃にたまたま通りで見かけて入店してくださったそう。店主ジャッキーさんと従業員まちくたさんには既にお会いしたそうで、私でこの流れを止めてしまってはならない、と身が引き締まる思いでした。
 お店に立つ人がひとりしかいない、ということはその人が夜学バーの顔になるということ。実は結構重大な責務なのです。修行中の身であることを言い訳にはせず、真摯に向き合っていく所存です。今までお会いしたお客様を全員覚えていますので、月曜日に(ルビ:私の立つ日に)もまた再会できると嬉しいです。はじめましてのかたも、また会いましょう。

【尾崎(Jacky)】
「私でこの流れをとめてしまってはならない」本当に嬉しいお言葉ですね。小さなお店では、どうしても「属店性」よりも「属人性」が前に出てしまう。そこに立っている人が空間のあり方をほぼ決定する。そこが最大に面白いところではありつつ、ゆえにこそ店に立つ人のプレッシャーはものすごい。
 夜学バーはもちろん「属店性」を重視します、店主たる僕がいなければ夜学バーらしくない、というのではいけない。誰が立っていてもそこは夜学バーでなくてはならない、のですが、それは「誰でもいい」というわけではなくて、やはり「ある能力とか資質を備えた人」ということにはなります。
 いまお店に立ってくれているのめみ氏、まちくた氏、f氏らはみな、その能力とか資質とはなんなんだろうか? 自分がそれを備えるためには、いったいどんなことに留意したらいいのだろうか? みたいなことを一所懸命考えてやってくれているのだと思います。その気持ちだけで十分、と言ってしまいたいくらいありがたいです。
 かれらはみな、「夜学バーというお店が好き」という理由でお店にいてくれる人たちなのだから、「あなたの好きな夜学バーは、あなたがどのように振る舞えばほぼその通り再現できるでしょうか?」という問いかけを僕は常にしていなければならない、と思っております。

2023/1/17火 1730-22まちくた
 グランドスラム。まちくたと二人で楽しく過ごした。お客がないと発狂しそうなところもありますが、従業員とゆったり過ごすこういう時間もとても大切。

2023/1/18水 18-25j
 夜学バーのような、「ご近所型」ではない「わざわざ型」の夜のお店は、人が来るとしたらやはり金曜や土曜で、日〜木は静かなもの。今日のように水曜日で通算7名もお客があれば、ことこの3年に限定すれば「けっこう来たな」という気持ちになります。客単価がだいたい2000円くらいなので、お店を健全に維持するには日に10名くらいの来客が必要なところですが、たぶんもう少し静かな夜が必要だろうということですね。(参考文献:SOPHIA『STRAWBERRY & LION』)
 何度でも書きますが儲けたいならこんなお店はやらないわけで、結局のところ僕は「これでよし」と思えることをやりたいだけなのです。今日もいろんな人が来てくださいました。この「いろんな」というのは、「いろんな魅力を持った」というふうにも言えるのですが、そういうことを書くと「自分は魅力なんてないからこのお店には行ってはいけないのだな」と考える控えめな方が結構あります。あえて言いますがこの「いろんな」というのは、本当にいろんな意味で「いろんな」です。あらゆる属性がばらついていて素晴らしい、というくらいのことでもあります。「ばらつき」というのは相対的なものですから、その人自身の絶対的な魅力とか特性というものとはいったん無関係です。

2023/1/19木 1730-23まちくた→f

2023/1/20金 17-26j
 ここからある意味のサーガが始まった、かもしれない。男性の二人連れ、かなりお酒を召し上がる人々。入ってきた時点ですでにベロンベロン、酒癖も良くはない。「数年以内に芥川賞を取るので」とのたまう文学青年と、その先輩らしきお連れ、インテリではあろうがほぼ前後不覚。台風のように過ぎ去って二度ともうこのお店には来ない……そんなパターンかもと思っていたが……? つづく。
 それはそうとしてかつての従業員が来てくれたり、インターネット上で見知っている方がいらっしゃったり。後者のかたはご来店二度目だそうだが僕はその時お会いしていない、だが顔を見た瞬間に「あの人だ」とわかった。Twitterに載せている自撮りをたびたび目にしていたから。「あの、私……」と素性を明かそうとした瞬間、「わかりますよ、自撮りを見ているので」と返したの、なんか面白かった。現代的。
 そのかたは、このお店で初めてアブサンを召し上がり、「アブサンうまい!」となって、それで今アブサンのお店で働いているそうな。

2023/1/21土 17-25j
 仲の良い友達が彼氏を連れてきた。親に紹介するみたいなノリもあって気恥ずかしく緊張する。うまくやれただろうか? 自問する。わかりはしない。自然にやるしかない。
 ありがたいことに親や子供、恋人や親友などを連れてきてくれるお客さんがけっこう多い。信頼されている証拠だし、そのくらい好きなんだということ。そのぶんものすごく緊張する。でも嬉しいからどんどんやってください。僕は特別な顔などできませんし気遣いもしませんが、そこがまた僕らしく夜学バーらしいということなのだと思うので、覚悟のうえ、よろしければ。
 さてサーガの続き。昨日の酔っ払い二人組、そのうちのお一方はなんとお店に背広を忘れていったのであった。真夜中に電話があり、声ですぐにわかったので「背広ありますよ」と告げたら「取りに行きます」と。そして昨日とは別のご友人といらっしゃった。驚くことに、昨日とは打って変わってまともというか、インテリで読書家で芸術に造詣の深い落ち着いた男性という感じだった。波はあれども。もし彼が背広を忘れていなかったら、この豊かなる再会は果たしてあっただろうか? つづく。

2023/1/22日 17-24j
 日中、浅羽通明先生と星新一を読む会があり、夕方から通常営業。お客は男女の二人づれが1組のみ。日曜はこんな感じがほとんど。ただ、そのぶん濃い時間になることも多い。彼らも本当にたまたま、このお店を見つけてくださったようで、しかしドンピシャで気に入ってくださったというか、僕のやりたいことをすぐに理解してくださった。要するにすごく褒めてくださった。大意としては「こういう場所が世の中になければいけませんよね」と。その大義名分を掲げて僕はまさにやっているので、実に嬉しい。ぜんぜん褒めてもらえないと僕は時折嘆いてますけれども、潜在的にはこういうふうに「わかってくれる」人はたくさんいるんですよね。良くも悪くも見つかってないだけで。存じております。本当にありがとうございます。
 男性のほうが年上で、女性のほうはふた回り以上若い。「こういうお店に通うと良い」なんて仰ってくださって、「そうですね」というような反応だったのを僕は忘れませんので、お二人ともぜひまたおいでください。『天の園』『大地の園』全巻買いました。
 一期一会というのは、「たった一度きりしか会えない」ことを意味するのではなく、何度でも素敵な一期一会を繰り返しましょうということと僕は理解しております。

2023/1/23月 18-23のめみ
【のめみ】
 いろんなところで言及したのでこちらにも。実は歌舞伎町で間借り喫茶店を始めまして、今日からはお店ハシゴにてお送りする運びとなりました。スケジュールはタイトですが、パフォーマンスは良き化学反応となるよう努めたいと思います。
 月曜日は比較的遅めの時間からいらして下さるお客様が多いように思うのですが、今日は18時台に2名ご来店。うちおひとりは初めて夜学バーに来てくださったそう。本を借りていかれたので、きっとまた夜学バーで会えるでしょう。そう考えると物の貸し借りは、次に会える無言の約束な気がして、ちょっぴり素敵なことに思えます。もちろん、なんでも良い、なんでも許されるわけではありませんが……。
 あとからもう2名いらして、今日は計4名のご来店。年代もおそらく性別も夜学バーに来たことがある回数もさまざまな方々でした。

2023/1/24火 1730-22まちくた
 まちくたさんが火曜日を担当するようになって何ヶ月になったかしら。ようやくいわゆる「まちくたのお客」がついてきたような気がしている。その人たちの多くは以前から夜学バーに通ってきてくれていた人たちなのですが、「ジャッキーさん(僕)の日にしか行かない」ではなくて「まちくたさんの日にも行こう」になっているということ。「属店性」が宿るとはそういうことなので、とても嬉しい。
 こういうのはやっぱりどうしても、継続することがほとんど全て。最初のうちはみんな警戒して、「知らない人のいる日には行きづらいな」となる。でも何ヶ月もやっていれば「まちくたというのはなんか安定していつもいるな(だったら悪い人ではないのだろう)」みたいな印象になってくる。それで行ってみたら「なんだ楽しいじゃん」になって……というのが美しい流れ。そういうことが少しずつ増えてきている気がする。この調子、よろしくお願いします。

2023/1/25水 18-25j
 水曜日はどうも閑散としがち。この日は2名。ゆっくりとしました。サシ飲み、終わってまたサシ飲み、という感じだったかな。僕はすすめられなければあんまり飲みませんが。(すすめられたら飲みますが!)

2023/1/26木 19-23f
【尾崎(Jacky)】
 チラッと顔を出す。埼玉でお店をやっている友人が来てくれていた。僕がいない日でも来てくれる、というのは本当に嬉しい。「f氏のお客」というのもぼちぼちできてきたのかも。ぜひ上手に、美しい空間をみんなで作っていってください。めちゃくちゃ難しいのですが……やりがいだけはあるはずですが。

2023/1/27金 17-26j
 サーガ。先週の金曜に背広を忘れていった方は、その初めての日から「一人でバーに行くことはないし、ほとんど行ったこともない」と仰っていたので、「こういうお店は一人で来るとまた違った味わい、楽しみがありますから、今度ぜひどうぞ」と煽るようにお伝えしていた。すると三度目となるこの日、「一人で来ましたよ」とご来店。おおお、なんだかすごく嬉しい!
 この方、まともな状態のときとうるさい酔っ払いのときとの落差が激しく、それも単純に酒量のみで決まっているわけではなさそうである。おそらく、「理性を失っている状態」と「理性を保っている状態」とを、ある程度自らコントロールできる人なのだ。「今は理性を飛ばそう」と思えば飛ばすし、「今は理性を発揮すべきだ」と思えばそうできる、のではなかろうか。むろん「ある程度は」ではあれど。だとすれば、「夜学バーにいるときは乱れない」という状態になっていただけることもありうるはず。14日の記事に書いた「無条件で排除することはない」というやつである。個人的にはこの人のことが僕はすごく好きなので、もう少しだけお行儀をよくしていただいて、通ってきてほしいなと思っております。
 またこのあたりで、結構重度な慢性アルコール中毒であるということが判明する。もう二度と来ないかもしれないし、来ないほうがいいのかもしれない。実は夜学バー、お客さんをアル中で亡くしたことがあるのだ。その方は、入院して断酒を決めた後は、このお店では一滴のお酒も召し上がらなかった。酒場は好きだから、トニックやコーラを飲んで、楽しく話して毎回帰っていた。しかし家に帰って浴びるほどジャックダニエルを飲んでたらしく、ある日死んだ。何が正解だったのかはわからない、もちろんたぶん正解などない。生きていてほしかった、と勝手に思うしか僕にはできない。「お酒やめなきゃいけないんっすよね」的なことをつぶやいて、背広の彼はお帰りになった。つづく。
 ところで小山田圭吾さんのお誕生日である。だからってこともないだろうがその辺りの音楽の好きな人が何人か。「久々に来れた!」と喜びの投稿をSNSに載せてくださった方も。うれしい。
 けっこう振れ幅の大きな日で、早い時間には中2も来てたし、遅い時間には歩いて帰れる人や終電のなくなった人が。そう、1月は金曜のみ2時まで営業してみているのだ。「ネット見たら2時までって書いてあったんで。1時までだったら今日は来なかったですね」という声もいただき、ある程度の意味はあるのだなと勇気づけられる。ちなみに2月は3時までやります。3月は4時までの予定。4月は5時まで? ええ、たぶん…。

2023/1/28土 17-25j
 高校の頃から来てくれている隣々県の大学生。早生まれゆえまだ20歳になっていないそうで、次来る時にはお酒を頼むかも、と。なんか嬉しいですね。学校の先生じゃなくても、いや、じゃないからこそ、こういうふうな形で「併走(並走)」できるってのは。
 近所のお店の店長さんが僕も知っている従業員を連れてきてくれた。カウンターの位置関係が逆になるの、面白い。あんまり近所付き合いしないし、来てもらっても緊張しちゃうからあんまり「営業」もしないんだけど、そういうこと関係ないくらい仲の良い相手だと純粋に嬉しいし楽しいです。
 またかなり久々の人もいらっしゃった。不思議な出会い方をした人で、ぼかして言えば僕とその人の間には人が一人挟まってるんだけど、その挟まってる人がいなくなっても(?)関係がこうして続くっていうのはありがたい。お店ならではのことかもしれない。
 さてサーガ、彼は今日も来たのである。きのうの続きです。こんなにネタにしてすみません、しかし書かずにはおられんのです。アル中というのは僕にとっても、かの氏が亡くなってから特に、かなり身近なテーマとなっているのです。
 僕は彼にお酒を提供している。ここがお酒を出すお店である限り、所望されれば特別な理由のない限りは出す。「自分がお酒を頼んでも決して出さないでください」といったお願いをされたわけでもない。ここに来るときはすでにお酒をかなり飲んできている。それも、ストロングゼロをチェイサーにブラックニッカがぶ飲みするような無茶なやり方で。
 また不思議でもあるのだが、このお店では彼はさほどの量を飲まない。1杯だけで帰った日もあった。何時間いてもせいぜい3杯くらい。だったらもう誤差というか、外でストロングゼロを買って飲むよりは健全なのかもしれないという思いもよぎる。実際、正解はわからない。わからないから僕は彼とただ人間として、友人として尊重して付き合う以外にすべきことは思いつかない。
 そしてまた重要なことに、彼はお会いするごとに様子が良くなっている。「夜学バー」という場にチューニングしてくれている、のだと思う。いったい何が彼から死を遠ざけるのかはわからないが、僕はただ普通に夜学バーをやる。良いと思うことを良いと思い、悪いと思うことを悪いと思うのみである。つづく。

2023/1/29日 17-24j
 日曜標準っぽく、ゆったりとした営業。初来店の方とじっくり話したり、出張のお土産話を聞かせてもらうなど。大阪で入手したといううまい棒を一本いただいた。(別に何かの暗号ではなく、本当にそのままの話。)

2023/1/30月 18-23のめみ
【のめみ】
 21:30くらいまでひとりぼっちで過ごす。業者さんも来ないし、寒くさみしく今日は終えるのかな、いやいやそんな気持ちでいてはお店は"ひらかれた"状態にない、ダメダメ、と奮い立たせながらひたすら"待って"おりました。来てくださったのは初来店の2名。お話伺ってみるとなんとなく似たような名前の別のバーと思い込んでいらしたそう。
「常連さんに支えられてそうなお店ですね」という旨のことをおっしゃったので、「実はこのお店に常連さんっていないんです」と少しネタバラシをしました。手の内を明かすよりも背中で語りたい!と基本的には思っているのですが、きっとこれは言葉にした方がいいパターンだ、と感じ、夜学バーホームページの「『常連』という概念について」を思い出しながら、かいつまんで簡単にお話させて頂きました。今日いらしてくださったお二方も、良かったらそちらもぜひ読んでみて下さいね。言葉たらずなところが多々あったと思いますので。
 ざっくり端折ると、「夜学ってなに? 夜学バーって何をするところ?」という話になったので、「学ぶところです」と答えました。ひとことで「学ぶ」とは言ってもあまりにも幅が広すぎるので、「めんどくさいと思うようなことをめんどくさいと放り投げずに考え続けること」のようなことを言いました。これは私が勝手に紡ぎ出した言葉なので、もしかしたら店主・夜学バー・他の従業員とは違った表現かもしれません。でもなんとなく、我ながら良い表現だったのではないかな、と思いましたのでこの日報に書き留めさせていただきます。
 日報はなんだか「他人のノートに勝手に書き込むような行為」な気がするので今までおおよそお利口さんに書いてきたつもりなのですが、今日は書くべきであろう事柄がたくさんあったのでたくさん幅をとってしまいました。私らしさが少しでも滲み出てたらいいな。

【尾崎(Jacky)】
 ありがとうございます、ってなんか学級日誌にコメントつける先生みたいになってますね僕。文字数制限ないので無限に書いていただいてけっこうです。みんな(誰?)読みたがってると思います。
 なんとなく似たような名前の別のバー……確かに最近よく耳にするというか、そこに行こうと思ってたけど予約制だったのでとりあえずこっちに来ました〜というお客さんもこないだありました。比較されたり括られたりするのは嫌なのですが、おこぼれをいただいているような感じもあってありがたいですね。おそらく夜学バーとはまったく異なる存在のお店とは思いますが。
「『常連』という概念について」という文章は読みもので読めます。このページもそろそろ整理したいし新しい文章も書きたいのですが、人手が足りなくて進みません。すみません。
 めちゃくちゃややこしいことを書いているつもりなのでご理解いただけるかわかりませんが、それをのめみさんはなんとか咀嚼して、自分の言葉で説明してくださったわけですから、本当に嬉しいし、いや苦労をおかけします。「めんどくさいと思うようなことをめんどくさいと放り投げずに考え続けること」というのは、まさにそうでもあります。もちろん夜学バーにおける「学ぶ」ということをこの言葉だけで説明できるとは言いませんが、のめみさんが書いてくださったようなことが土台にあるのは確か。
 人は(と主語が大きくて恐縮ですが)、思考停止をすぐします。そして多くの場合、停止していることを自覚できません。そこをなんとか自覚して、思考を噛ませてこの場を共有しましょうね、そのウデを磨いていきましょうね、みたいなことかな、といまなんとなく思いつきました。
 すなわち、仲良しとはいかなるものか?を学ぶってことで、それは決して、絶対に「仲良くしましょう」ではない、のですが、そんなことを言うとさらにややこしくなるので言いません。(←言った。)

2023/1/31火 1730-22まちくた
 先日、取材依頼がきた。年に一度くらいはそういう申し出があるのですが、今まで一度も形になったことはございません。断っているわけではなく、「ぜひどうぞ!」とむしろ歓迎しているつもりなのですが、インタビューでごちゃごちゃ、いつも通りのめんどくさいことを縷々述べておりますと、いつの間にか企画が絶ち消えているのです、毎度。
 ゆえ、今回はいただいたメールに対して「本当に大丈夫ですか? ちゃんと下調べしてますか? 特集の趣旨と合ってますか? 訳のわからないことばかり言うのでキャッチーな記事にするのは至難の業だと思いますよ!?」みたいなことを告げ、「とりあえず一度見に来てくださいませ」と営業(?)をかけたのでした。それでこの日、おいでくださいました。メディアのお二人と、まちくたさんと、もう一人お客さんがいて、4人だったり5人だったりしながらあれこれ話して、「では来週本格的に写真撮ってお話を伺います」みたいなことになったので、たぶん実現するのでしょう。ギャラとかは出ないと思うけどちゃんと注文してお金払ってくれた。わーい。
 すっごい余談ですが毎日新聞の人は確か何も注文しなかった(よね?>まちくたさん)。そういうふうに決まってるのかしら。公正な記事を書くために賄賂は渡しません!みたいな。テレビもまったくお金払いませんよね。前の前のお店の時はいろいろなのに出ましたけど東京新聞も朝日新聞もNHKもテレ東も何もくれなかった気がする。料理紹介とかならまた別なのかな。どうなってるんだろう。詳しい方いらっしゃったら教えてくださいませ(営業)。

2023/2/1水 17-25j
 水曜、安定の静けさ。3名。時間帯ばらついていて一対一が3回って感じ。自分で言うのもなんですが僕くらいの偉大な(!?)人間とこんな安価で一対一でなんでも話せるのって実はけっこうすごいことかもしれないのですよ、なんか僕に考えてほしいこととかやってほしいことなどあったらぜひ、すいてそうなタイミングで。平日の早い時間とか日曜日の遅い時間は誰もいないことが多いです。

2023/2/2木 1730-24まちくた→f
【尾崎(Jacky)】
 ちらっと寄りました。誰か日報書かないかな。

2023/2/3金 17-27j
 お客さんが、「最近とても面白い本を読みました、あんまりメジャーではないみたいなのですが」とその本の概要を説明し始めたら、「『もっと!』ですか?」と隣に座っていた大学生がすぐに反応した。さすが高校時代から夜学バーに通う生え抜き(?)である。僕もかつて彼から小坂井敏晶さんの『責任という虚構』という本を教えてもらって、かなり知的に興奮させていただいた。(しかも小坂井さんは僕と同じ高校のご出身であった、親近感!)
「ええっ、あの本を読んでるんですか?」と驚きつつ、感激しておられた。我が店ながら素晴らしい、奇跡的なこと。僕もいま9割がた読み終わって、確かにめちゃくちゃいい本なんだけど、売れそうではない。少なくとも『スマホ脳』とか『ドーパミン中毒』のようなキャッチーさはなく、2020年に出た比較的新しい本だが図書館の予約も0件だった。偶然読者に出くわす確率はかなり低そう。翌々日いらっしゃったそれとほぼドンピシャの分野を研究している博士課程の方たちもご存知でなかった。
 夜学バーは、そういうことが起こる確率をできるだけ高めようと努めているお店なのだ。その努力はどのようになされているのか? 答えるのは非常に難しいが、いつも書いているように「いろいろな人がいる」ようにしておく、ということに尽きるのではなかろうか。たとえば東京都出身の人が99%を占める場で、北海道出身の人が北海道出身の人と出くわす可能性はかなり低いが、出身都道府県がまんべんなくばらついている場でなら、その可能性はかなり高まる。
 東京都出身の人が99%を占める場で、東京都出身の人が東京都出身の人と出会ってもそれは「奇跡」ではない。そこで北海道出身の人が北海道出身の人と出会ったら確かに奇跡だが、さすがに確率が低すぎる。「まんべんなくばらついている」すなわち、およそ2%が北海道出身というような状況であれば、その二人がたまたま話し、お互いの出身地を知る可能性はちょうど良く低く、わりあい奇跡度も高いのである。
 ところで、サーガ(とは?)のつづき。1月20日に初来店した、あまり酒癖のよくない例のお客さんは、この日5回目の来店を果たし、それから今(10日)まで拝見しない。金土、金土、金、と綺麗に現れ、それから途切れている。念のため書いておくが、もう5年くらい続けているこの日報の中で、あるいはその他の文章の中でも、僕が特定のお客のことをこんなにわかりやすく記述するのは初めてである。ご本人、もしお読みになったらどうか嫌がらず、どうかお許しください。
 アルコールとの付き合い方はとても難しい。夜学バーはその難しさと向き合い、適切な飲み方を学ぶためのお店としての側面もある。しかし中毒に関しては、難しいなんてものではない。ほぼラスボスである。すでに別の日に書いたことの繰り返しになるが、夜学バーは夜学バーとして営業し、その範囲を超えないでいることがやはり使命なのだと今は思っている。
 ここからはお酒に関することというより、もっと広い普遍的な話だが、人はいずれ死ぬ。何かのせいで、あるいは誰かのせいで。みんなそれぞれ生きていて、その中で誰かが死ぬ理由や経緯の一端を担ったりもする。それはもう大なり小なり絶対あることで、あまり気にしすぎてもいけない。持ち場を離れず、胸を張って優しく生きることだ。たとえ誰かがそのせいで死んでも。無茶苦茶なことを言っているようですが、けっこう大事な考え方だと思っています。信じた優しさを手放さないように。もちろん検討は続けつつ。
 この日はまだ書くことがある。2019年8月21日の日報をご参照ください。この日に「初めてのアルコールをここで飲んだ」親友同士ふたりが、夜遅くに来てくれたのだ。一人は最終の飛行機で北海道からやって来て、上野に着いたのがたぶん0時前後。2月の金曜は3時まで営業することに決めていたから、この店で落ち合うことができたというわけ。
 当時は20歳。3年半経ってまた「雪国」を二人で飲んでくれた。幸福です。すっかりお酒に慣れた二人は「飲める! 飲める!」と、前回の数十倍くらいの速さで飲み干しておられました。色々、最高。
 その日の日報に僕はこう書いておりました。《いずれにしても、このお酒が分かちがたく「想い出」と結びついてしまったことは疑いがない。そういう意味では、僕の選択も一つの正解ではあったはずだ》と。

2023/2/4土 16-25j
 従業員まちくたから「2月4日は16時に夜学バーが開いていたら風水的に良い」みたいなことを言われていたので、従順に16時開店。小中のときの同級生を連れてきてくれた。また、まちくたさんが呼んだのかは定かでないが、まちくたさんと仲の良い中学生もきた。偶然だったとしたら確かに風水的に良かったということなのだろう。
 夜、もうちょっと上手くやれたな、という時間があった。毎日反省ばかりであるが、タモリさんが帯番組を長く続ける秘訣として「反省はしない」と言っていたらしいというのを思い出し、あんまり深刻にはならないようにしている。この日にいらっしゃった方、心当たりがあればぜひまた。なくても。

2023/2/5日 17-24j
 10年くらい前からたびたび僕のお店に来てくれている女の子、新しいピアスを見せてくれた。堂々と単身やってくる小6、中学受験の結果を教えてくれた。
 近所のお店で働いているという女性、曰く「うちのお店は夜学バーに来ている人が多くて」と。え? 「多い」って、そんなことあります? 驚いた。聞けば僕もよく知っているお店だったが、「多い」とは……? 一人もわからない。ふだんお客さんの素性も名前も積極的には聞かないので、いらっしゃっていてもわからないのであろう。
 日曜にしてはかなり来客多く、計11名。このあと2名、4名、2名と3組やってきた。
 脳の研究で博士課程にいるというお二人。ちょうどドーパミン関連の本(2日前の日報参照)を読み始めたところだったので、ものすごくタイムリー。刺激的だった。ポスドクにあぶれたら就職先ほとんどないしやばい、みたいな話だったので、「こんな商売もありえますよね〜」と思いつくままビジネスモデルをいろいろ提案してみた、もちろん思考実験レベルのものたち。面白がっていただけて嬉しかった。「それはアリですね〜」というノリになったアイディアもあったが、「でもそれは、研究の才能に加えて商売の才能もないとダメですもんね……」というオチが毎回ついた。何をやるにしても、生半可に手を出したって上手くいかない。ただ「研究者がこれまでにないアイディアをもとに起業ないし開業する」ことを可能性として視野に入れておくのもアリだとは思っております。
 そこへファッショナボーな若き4人組。アート、言葉、ファッション、シーシャ、尾崎豊、などあれこれ。近くで展示をやっているのでぜひきてほしい、と言われたので数日後に行った。言われればなんでも行くわけではない。その人が、「とりあえず来てほしい」という感じではなく、「あなたに来てほしい」というふうな気持ちで言ってくれた(と僕は感じた)ので、絶対行かなきゃと思ったのである。具体的には、展示の中で言葉を書いている、それをぜひ読んでほしい、と。僕が「言葉の人」であることをわかって言ってくれているように思えて、それなら行かないわけにはいかない。
 そして最後の2名は、近所でお店をやっている方が後輩を連れて。インターネットで調べてもほとんど何も出てこない、雑居ビルの一室。知り合いしか来ないということだが、僕は本当に不思議なのである。お店を一つ成り立たせるほどの「知り合い」がいるのって、すごすぎる。皮肉とかそういうことではなくて、夜の世界ってのはそういうことがフツーにある。そういう文化を僕はいまだに新鮮だと思う。実はあんまり、触れたことがない。夜学バーはかなり遠いところにあるのだ。
 その人はかなり文化的な人だし、オーナーもまた文化的な人だという。湯島の夜にも、夜学バーみたいなお店を好きになってくれる人たちは思いのほかたくさんいるのかもしれない。そういう人たちがアフターで来てくれるんなら、もうちょっと深い時間まで営業してもいいよな……。
 そういえば、もう40年くらい湯島で水商売をやっている、あるお店のママから言われた。「こないだキャバの子が、賢い男の人がやってるバーはないですかって聞いてきたの。あなたのお店教えといたけど、キャバ終わったあとだとやってないよね」。賢い男の人がやってるバー! 湯島に夜学バーをおいてどこがあろうか? そういう需要、あるにはあるはずなのだ。早い時間で閉めるのは今のところ合理的ではあるが、そういうお客を取りこぼしてしまっている実情はあろう。「アフターで行くようなバーって、やっぱみんなそんな賢くないもんねえ」というようなこと言っていた。なるほどなー。言葉はものすごく悪いけど、自分のお店でバカの相手したあとで、バカのやってるお店なんか行きたくないですよね。「かしこいバー 天才」みたいなお店、開くか〜。(←頭わるそう)

2023/2/6月 18-23のめみ
【のめみ】
 夜学バーにはじめていらしたそうであるお客様が1名。なんとなく最近はじめましての方が多い気がします。みんな外に繰り出しているのか、新規開拓ブームなのか、はたまた月曜日はそういう曜日なのか。月〜金まで働く人にとって金曜日は「華金」と言われたりするもので、近しい友人と騒いだり馴染みの店に行ったりするの日ナノでしょう。月曜日というまだ体力が残っているうちに、ひとりで新しいお店へ出向く、そんなこともあるのかもしれません。どんな理由であれ、お客様に会えることはとっても嬉しいことです。

2023/2/7火 1730-25まちくた、j
 とある有料ネットメディアの取材。月額500円払った人しか読めないそうですが、お店に来てくださった方に読んでもらうのはOKとのこと。4月と5月の2回にわたって掲載予定。だいぶ先ですがお蔵入りせず掲載されたら祝福してください。これまですべての取材案件がぽしゃってきたので……。
 お店のことはまちくたさんにお願いしつつ、他のお客さんにもご意見聞いたり反応うかがいながら、あれこれお話ししました。めちゃくちゃややこしいことを長々話したので、どんな原稿になるやら。記者さんにはご負担おかけしますが、とっても期待しております。
 僕が一通り話し終わると、今度はお客さんにインタビューするターン。やはり「Youは何しに夜学バーへ?」というような切り口。通うようになったきっかけや、なぜ継続して来ているのか、何を求めているのか、など。僕もこれは聞いていて面白かった。みんなそれぞれで嬉しい。みんなが同じ目的を持っていたり、同じ魅力を感じていたりするよりも、みんながそれぞれいろいろな思惑を持ってやってきている方が僕は好みである。多分そうなっている。ありがとうございます。

2023/2/8水 17-25j
 安定の静水。何度も書いてますが本当にここんとこずっと水曜は凪いでますね。後半は大学生男子とサシ飲み状態。雪国4杯を含む6〜7杯を召し上がり、かなり恐ろしい酒量。けっこう踏み込んだというか、複雑な思考を要する会話ができてすごく嬉しかった。帰り際、「大学辞めて家出します」と激白。が、がんばれ! なんてことは言ってません。このお店も僕も、ぼちぼちお役に立てますと幸いです。

2023/2/9木 1730-24まちくた→f
【尾崎(Jacky)】
 ちらっと寄ったら旧友がいた。僕がいない日でも来てくれて、「いないんすか?」みたいな連絡をしてくるでもない。「それはそれで」と思ってくれているのだろう。ありがたい。お店そのものが魅力的である、という状況をなんとか作り、維持していきたい。システムではなく「人」によって属店度を高くしたいのだが、これが難しい。模索中です。

2023/2/10金 17-27まちくた、j
 お客ふたりとまちくた氏と4人でしばらく、「友達ってナニ? ジャッキーさん(店主)と私って、友達ナノ??」というような修学旅行みてーな話をする。「お店の人とお客さん」とか「店主と従業員」という関係があると、なんだかそれと「友達」ってのがいまいち両立しないような気がしてしまうものである。僕はそういうことを考えるのが非常に嫌なので、この発想はほぼ排斥している。
「返報性の原理」が好きではない。具体的には、モノをくれる人のことを好きになってしまう、というようなことは嫌なのだ。それはそれ、と分けて考えたい。同様に、関係というものはいくつもあって、そのいずれもは両立しうる。何が同様かというと、「分けて考えたい」のである。お客さんであることと、友達であることは互いに独立し、矛盾しない。
 モノをくれる、ということは一方であって、それとは何の関係もなしに、その人への好悪や態度はある。「よく来てくれて、たくさんお金を払ってくれるから優しくしなきゃ」「お得意さんなんだから大切にしなきゃ」といったことを考え出したら、夜学バーのようなお店は終わりである。「殊勝らしいこと言ってても、結局金払った奴が偉いんじゃん!」ってことになる。そんなくだらないお店をやるために貧乏に甘んじているのではない。貧乏を嫌がって、くだらないことに手を染めるつもりもない。金が欲しいなら手段は他にある。
 同伴利用だったり、恋人を連れて来てくれたり。いろんなふうに利用される。青森在住の人や岩手在住の人がいた。いろんなところから人は来る。あらゆることが同時にあってほしい、というのがジャッキーさん哲学の基本である。現実には難しいこともたくさんあるのだが、こういう小さなお店でくらいそういうファンタジーが実現すべきであるし、僕の個人的な人生は断然ファンタジーがいい。色々バランスとりながらも。

2023/2/11土 17-25まちくた、j
 非常に珍しいことにお昼は「貸切営業」。友達の漫画家がオフ会的なことで利用してくれた。ご希望あらばプライベートな飲み会みたいなのに利用することも可能です。14時半から8名いらっしゃった。1人で8名(最初は7名だったが)を同時に相手するのはけっこう大変で、エネルギー消費が非常に激しい。少しずつ増えていって満席になるのなら自然なことだが、「いらっしゃいませ」とおしぼり渡すところから7〜8名同時というのはまずない。頭も体もフル回転させなくてはならない、それでも追っつかない。
 たとえば、お客が1〜3名でまったりとやっているところに「5人です」と団体がやってきた場合。完全に脳が切り替わる。通常の8倍くらいのエネルギーを使う気がする。日本の人は5人なら5人でいったん乾杯したい(人が多い)ので、すべてのドリンクをほぼ同時に出せるように計算して作らねばならない。かなりの集中力が必要だが、その間黙りこくってるわけにもいかない。団体たちを場に馴染ませつつ、すでにいらっしゃる数名のお客もちゃんと意識し続けなくてはならない。無数にある工程をいかなる順序でこなしてゆけば最も効率がよいか、また現在のこの空間がいわゆる「よき場」となるにはどうしたらよいか、を、並行して考える。
 17時にまちくた氏がやってくる。貸切は16時半までだったがまあ2時間で終わるはずもなく通常営業時間までもつれ込み(そのぶん売上は出るので特に問題ないのです)、なんと21時くらいまで数名残っていた。団体の名残と1人ずつやってくる夜のお客とが同じ空間に矛盾なく存在している、というのは夜学バーの店是(てんぜ)に合う。
 知らぬ間に静岡県に引っ越していた古くからのお客さんがライブで上京しており、近くに宿をとって来てくれた。嬉しい。何度でも書くけど夜学バーは「月に一度来てくれる人が200人」というので成立するモデルである。この「月に一度」というのは「平均」で、その中には週に数度おいでの方もいれば、5年に一度の方もいる。言い換えると「200人の顧客を抱え、その来店頻度が平均して1ヶ月に一度」という話。で、それを達成したらその「200人」を「300人」とか「1000人」にしていくことによって「成長」としたい、それが夜学バーの机上の空論ビジネスモデル。
 その方は3年数ヶ月ぶりのご来店だったが、それは夜学バーのビジネスとして「イレギュラー」でも「ノイズ」でもなく、織り込み済みな正規の顧客でしかない。また(後日明らかになるが)山梨の、甲府より先にお住まいの方もこの日はおいでだった。一方で徒歩圏内の方もいらっしゃる。そういう方々が違和感なく「同じ場を共有」できるというのが、夜学バー的豊かさである。
 深夜1時寸前、閉店だと思ったときに扉が開き、20歳の時にmixiで知り合った(!)旧友が入ってきた。3時くらいまで飲みかわす。思えば開店から12時間以上経っていた。さすがに重労働で、このあとちょっと体調を崩した。(詳しくは僕の個人ホームページの日記へ。探せばあります。)

2023/2/12日 17-24j
 昨日に引き続き遠くからたびたびわざわざおいでくださる方が数名。「東京に出るんならせっかくだし夜学行くか」という選ばれ方は本当に光栄である。いつもPC開いて酒飲みながら黙々と仕事する人も、ワーキングスペースとして選んでくれているというわけでじつに光栄。
 アル中サーガ。9日ぶりのご来店。「僕のこと書いてましたよね?」と言われて、おゆるしを乞う。日報更新の直後だったのに、読んで下さっていたのだ。恥ずかしいながらとても嬉しかった。この週なんと4日も飲まない日があったとのこと。すごい。しかし夜になるとだらだら冷や汗が出てくるとか、壮絶な欲求との戦いがあったようで、禁酒にしても減酒にしてもやはりあまりにも大変だ。初めから酒に逃げぬのが一番、まだ間に合う人はお気をつけください。
 後半、初来店の方から海運業の話など伺う。去年新潟の飲み屋さん(ぺがさす荘)で「リンコー」という会社の話を聞いて、港の「仕切られ方」について興味を持っていたのである。いろんなことにとりあえず興味を持って、それを覚えておくと、いろんな人から聞きたいことを聞けるからじつにお得である。

2023/2/13月 18-23のめみ
【のめみ】
 開店直後に続けて2名。雨の月曜日で嬉しさはひとしお。遠くからいらしたという方は「今日こそミッションボトルを入れたい」とのこと。帰りの新幹線のタイムリミットが迫る中、超特急でミッションを設定なさいました。ソフトドリンクのミッションボトルですので、どなた様もぜひ。
 その方が帰ってからもうひとりいらして、しばらく3人であれこれ話す。あれれ、今日誰もお酒を飲んでないですね、とふと気付く。バーですがお酒を飲まなくちゃなんてことはありません。22時を過ぎてからもうひとりいらして、その方も緑茶。全員成人しているようですが、そんな日もあります。今日はソフトドリンク縛りの日かしら、と思ったところでギムレットのご注文。「のめみさんも一杯どうぞ」と勧めていただきましたが、頑なにお酒を断り、ネーポンソーダをいただきました。私もお酒は飲んだり飲まなかったりとまちまちです。

2023/2/14火 1730-25まちくた、j
 まちくたさんの担当日は日ごろ22時で閉めるようにしております、僕が25時まで立っていてもいいのですが、「お店を終わらせる」のも仕事のうちというか、イチからヒャクまでまちくたさんの責任のもとで運営することがきっとよき修行になるという考えのもと。是非ともみなさま、早めの時間に遊びにきてください。高校2年生のまちくたはもうあとわずか! もうすぐまちくた3(スリー)になります。
 しかしこの日はバン・アレン帯のお誕生日だったため出しゃばって僕が引き継いだ。イベントはあんまり好きじゃないけど年中行事は嫌いじゃないのだ(?)。お客は通算5名だった。多いのか少ないのか。
 ある人がある人を連れてご来訪。僕の仕草や表情が小沢健二さんに似ているとさんざ絶賛(??)される。確かに僕は10歳の時から小沢さんに私淑しております、ペットは飼い主に似る。意識して似せているわけではない。髪の毛も自由に伸ばしているとそのようなことになるだけ。ただ、「自由に伸ばしていて良い」という感覚は小沢さん(とりわけ96年頃〜現在にかけての)から汲み取ったかもしれない。生まれてこの方、髪を染めたこともなければワックス等で固めたこともほぼない。(小沢さんは色々してると思うけど。)
 仕草や表情が似ている、というのは面白い。それを指摘してくれた人はこれまでにもいた。鋭い、と思う。たとえばふとした瞬間に「あ、いま兄に似てたな」とか思うことってある。同様に「あ、今なんかオザケンみたいだったな」と思うことも実はある。意識してやっているわけではないが、意識はしてきたのである(???)。
 チョコレートくださった方がいたので持って記念写真。夜職っぽい。すごく可愛く撮れたのでみんなに見せたいけど恥ずかしい。一部はこっそりどこかに載せました。

2023/2/15水 17-25j
 実は13日くらいから体調が優れず、まちくた氏が気を利かせてヘルプに来てくれた。本当に、ここからの2週間は彼女がいなければおそらく僕は倒れてる。おおっ、かーんしゃ。(参考文献:ジョージ秋山『ドブゲロサマ』)
 水曜日はお客さん少ない日が多いのだが、この日もそう。体力的には助かった。経営的にはだいぶ危ない。チャンネル登録お願いします(????)。

2023/2/16木 1730-24まちくた、f

2023/2/17金 17-27j
 件のアルコール中毒手前の方はすっかりフツーに通ってくださるようになったので、もういちいち書かないことにいたします(すなわちサーガ終章)。
 金曜ってのにお客は3名。23時くらいから27時までずっと1人でぼんやりしていた。そんな時、僕はどんな気分でいるのか? 不安、焦り、惨めさ、恨めしさ、ほんの少しの希望、そしてごくごくわずかな「楽しい」という気持ち。最後のこれがほんのひとかけらでもなければ、こんな商売はやっていられない、本当に。
 誰も想像しないと思うが、心は折れて粉々である。

2023/2/18土 16-25j
 まちくた氏が「16時から開けているといいことがある」と言ったので開店時間を早めた。その代わりその時間からお手伝いに来てくれた。中学の同級生を連れて。またフランスの人を連れてきてくれた人あり。「連れて行きたくなるお店」ってのはいいですね。僕にもいくつかあります。応接室? いや、喫茶店とかだったら応接室っぽいけど、こういうバーだと連れてきた人とじっくり話すっていう場面ばかりではないから、応接室っていうより「実家の茶の間」のほうが近いのかもしれない。すごい話だ。
 リビングのようなお店でありたい、っていう気持ちも少々ありつつ、「おめーんちのリビングじゃねーんだよ!」というお説教もできるようにはしておきたい。

2023/2/19日 17-24j
 昨日に引き続き「連れてくる」ブーム。土日はそういうことが起こりがち? 中2が中2を連れてきた。その初めの中2は高2が呼び込んだもので、その高2は40代男性が連れてきた。その40代男性はとある偉大な60代男性のゆかりで僕と知り合った。広がる友達の輪、という話。

2023/2/20月 20-24f

2023/2/21火 1730-22まちくた

2023/2/22水 23-29j
 23時開店、としていたが実際は22時くらいに開けた。なぜそんなに遅く開けるつもりだったのかというと、旅行に行って夜中に戻ってくるつもりだったから。羽田空港着の予定だったので、「羽田沖〜♪」とか歌いながら。そう、「羽田沖〜♪」で始まる小沢健二さんの『流動体について』という曲は、2017年の2月22日発売だったのら。しかし、体調を崩して飛行機に乗れなかった。とほほ。
 本調子ではないのでお客がなければ早仕舞いもありだなと思っていた。(普段は時間きっかりまでお店にいるのがポリシーだが、ちゃんと体調は優先する。)でもありがたいことに4名のお客に恵まれ、朝まで営業して売上もちゃんと立てられた。みな男の人だった。あるお客さん曰く、「男って、週末は飲みに行かなきゃならないっていう強迫観念を持っているのかもしれませんね」と。一理あるかも。明日は天皇誕生日なのです。

2023/2/23木 17-25j
 体調がまだ不安定、21日から服薬している。まちくたさんが手伝いに来てくれた。実にありがたい本当に感謝。日々の喜びここに讃美。まちくたさんの帰るまでお客さん誰も来ず。2人でゆったりと話した。お客がなければ売り上げもなく、経営者としては焦るのだが、こういう時間は絶対になくてはならない。前にもこんなこと書いたけど、何度言っても言い足りないくらい大切なこと。
 この日以来ずっと「先」のこと、「次」のことを考えている。執筆時は3月2日であるが、今もそうである。人は人に動かされるのだなと改めて思う。まちくたさんから具体的な何かを言われたのではないが、話していて、急に自分の中で歯車がカチッと合って動き出す、みたいなことがあった。「あーなるほど自分はこのことを考えたかったんだ」と。人と話すってのは良いな、だからみんなお店においでね。そいで怖がらず、何かを投げてみて欲しいです。
 23時を過ぎて、お客が2名くる。総売り上げは2100円。そりゃ先のことを考えたくもなる。んまあ地道にやってゆこう。

2023/2/24金 17-27j
 フィリピン人のお客さん来る。このお店に日本語を話せない外国人が来るのは2020年の5月以来。フィリピンの英語の癖なのか、独特の発音と語彙だった。たとえばtripはどう発音してもなぜか通じず、travelと言って分かってもらえた。フィリピンのガバメントで働いているらしい。
「どうしてこのお店を選んだんですか?」という質問には、たった一言で、即座に返答してくれた。「Experience.」そしてすぐにスマホで調べて、「ケイケン。」と言い直した。
 めっちゃかっこいい。エクスペリエンス! 「ピンときた」ってことか。こちらとしても超うれしい。琴線に触れる何かがあった、ということなんだから。
 試験的に遅くまで営業してみている金曜日。この日は3時までお客が2名あった。意味はないでもないらしい。体力が持ちそうなら来月は一応、4時まで開けてみる予定。

2023/2/25土 17-25j
 まちくたさん近くにいたらしくて来てくれた。座敷童子のように暗躍(ルビ:おてつだい)しつつ、もうすぐ定期テストなので勉強していた。先月から通ってくださっている方がお友達を連れてやって来た。先日ミッションボトル(ご興味ある方はぜひご利用を!)をつくってくれた方が秋田県からおいでになった。これから深夜バスで大阪に帰るのだという方も。
「遠くと繋がる」っていうことと、「人が集まる場を作る」っていうことを両立させるのがたぶん、僕の終生のテーマになる。「人が集まる場」というと、地元密着型のものが多くなる。近いほうが集まりやすいのは当然である。その方面ならもうすでにいろんな人たちが素晴らしいことをやっているし、インターネットで全国の人と繋がるのが大好きだった尾崎少年(僕のこと)の魂は、やはり「地域」のみには根ざさない。
 ここで「世界中の人と繋がる」とか「旅人と繋がる」という方向に行くと、ゲストハウスとかホステルという発想になるのだが、僕がやりたいのはそういうことでもない。東京のゲストハウスには東京の人は泊まらないではないか。遠くとばかり繋がるのでは僕はつまらない。
 そこで、いま挙げた二つを統合すると、「喫茶やバーを併設し各種イベントも開催可能な宿泊施設」みたいなことにもなるのだが、またそれも違う気がする。なぜだろうか? 僕は一体何がしたいのだろう? そんなことを最近ずっと考えております。
 新潟市の「ぺがさす荘」というお店は僕のやりたいことにけっこう近い。飲食店であり、イベントもできて、宿泊も事実上できる。っていうかフツーに民家なので、家でできることはなんでもできる。マンガ読んで楽器弾いてDJしてコタツ入って鍋をつついて。カルチャースクールみたいなこともやって。こういうことだよなと思う。僕も家があったらこれと似たようなことをやっていたかもしれない。
 または名古屋市南区呼続の「街と珈琲」。宿泊以外のことはたいていできる。宿泊だって例外的には可能だろう、たとえば災害時とか。そういう柔軟性はあるはずだ。
 ただ彼らはどちらも、「遠くと繋がる」をあまり重視してはいない、と思う。たぶん僕がそこにこだわることが異常なのだろう。ここについて、どうしたら実現するのか考えを深めていきたいので、興味のある方、ぜひお話ししましょう。

2023/2/26日 17-24j
 17年来の友達が岐阜から飲みに来てくれて、そこへ10年来の友達がやってくる。その長い間に、2人は僕のお店を通じて顔見知りとなっている。旧交を温める。そういう偶然の再会、みたいな嬉しさはこういうお店の存在意義だと思う。ちょうどのめみさんが近いようなことを↓に書いてくれている。
 その17年の長い友達は勉強が好きなので、大いに刺激を受けて、この日からちょっと勉強を始めた。まちくたさんの受験に合わせて僕もジャッキー・チュンしようかなと思っているのだ。(『ドラゴンボール』で例えてしまった……。)

2023/2/27月 18-23のめみ
【のめみ】
 どんな方に会えてもとっても嬉しいのですが、やはり「再会」の喜びは殊更です。それに、ある一種の安堵のようなものも感じます。気丈にお店に立ってはいますが、実は結構いろいろと心配しながら、あれこれ試しながら、がんばっているのです。
 話は変わりますが、お酒がたくさん入っている人を酔っ払い扱いするのって、なんとなく無粋だなあ、と思うのです。とはいえここはお酒を扱うところ。かといってなんでもかんでもお出しするわけではない時もあります。いらした時からあまり呂律が回っていないようでしたが、お酒のせいなのか区別がつかず。あっこれはお酒のせいだな、とわかった瞬間が訪れ、ちょこっとだけツッコミっぽく心配の声をかけました。
 再会の方と酔っ払いの方、今日は2名の方にお越しいただきました。

2023/2/28火 17-25j
 某国立大学の三次試験(①共通テスト→②小論文→③プレゼン)を控えた高3がプレゼンをまとめにやってきた。午前中に小論の試験を終えたばかりらしい。早速来てくれて嬉しいものだ。一応、彼の原稿に対して思いついたことをあれこれ伝える。一応、「尊敬の念を深めました」とのヨイショをいただく。ありがとう。ぜひ受かってけろ。
 前半は3名の来客があり、いったんお客がなくなって読書などしていると、ゴシンキの方が来訪。気に入ってくださったようではある。お酒があまり強くないとのことで、桃のリキュールを召し上がった。「もう一杯……」とメニューを見たところで、「あっ、コーヒーあるんですね、コーヒーください」と。ソフトドリンクの中でもコーヒーは、バーで比較的頼みやすいメニューだと思う。デカフェのコーヒーもありますので、カフェイン気になる方もよろしければご注文ください。

2023/3/1水 17-25j
 昨日に引き続き、高3がプレゼンをまとめに来た。適宜アドバイスじみたことをしつつ、黙ってお互いに作業したりなど。水曜は静か。前半はお客2名で、しばらくまた読書 などし、後半は1名。
 遅い時間に来た方と、最近仕入れたバーボンウィスキー「ヴァージン7年」(終売品で、超高い)を、昭和版と平成版とで飲み比べしてみた。えー、わかりにくいかもしれませんが、同じ銘柄なのですが、昭和時代に製造されたと思しきボトルと、平成に入ってしばらくして製造されたと思しきボトルがあるわけです。それを2本同時に開け、飲んでみたというわけ。そしたら、全然味が違うのです。どちらもめっちゃくちゃ美味しいのですが、昭和版のうまさは唯一無二。昭和がワンショット2400円、平成が1600円で、どちらも半量なら半額。飲み比べハーフセットは2000円とします。ぜひお試しください。びっくりしますよ。

2023/3/2木 19-24f

2023/3/3金 17-29j※庚申の日
 久々の更新。現在は4月12日の深夜です。記憶がおぼろげな日もありますが気楽に書いてゆきます。
 桃の節句、かつ庚申の日。朝まで営業。ひなまつりの曲をレコードでかけたりなど。BGMでお店の感じはずいぶん変わりますが、童謡ってのはなかなか独特の雰囲気がある。
 金曜ということもあってか最近にしてはお客は多め。冷静に考えて12時間営業というのはくたびれるけど、お客がいないとより永遠に感じられるので、みなさんいてくだすって助かった。
 高3が今日も受験対策。そういえば高校生の頃から通ってくれている大学生もたぶん同席していた。世代は入れ替わってゆく。この高3もひと月後にはまず間違いなく高校生でないわけだ。この僕だってちょっと前までは高校生だったのである。

2023/3/4土 17-25j
 静かな土曜日。お客は昨日の4分の1。実数はご想像にお任せします。8席しかないお店で、一度座ったらだいたい数時間はみなさん動きません。
 最近はなんだか土曜日がふるわない。未来の話になるけど18日なんてグランドスラム(お客なし)だった。水商売ってのは本当に水もので、定まった形がない。
 札幌に住んでいる若い友達のすすめでいらっしゃった札幌の若い人。僕のことを「数少ない信頼できる大人」みたいなふうに紹介してくれたそうだ。ありがたいものですね。信頼され続けるようにがんばりたいと思います。ふたりきり数時間にわたり様々に話す。「しばらく関東にいますのでまたきます、もしかしたら3月10日に」と言い残してお帰りになったが、その日に彼は来なかった。4月13日現在で再会はかなっていない。僕のいないときに来たのかもしれないけど。あなたのことを忘れはしないし、また会うことを楽しみにしていますから、ぜひ顔を出してくださいましね。気後れせず。

2023/3/5日 1730-22まちくた
【尾崎】
 この日からはまちくたメモが手元にあるので参照して書きます。中学生と共謀して作戦を練ったり、初来店の方と種々のカルチャーについて話したり。
 まちくたさん曰く、「嬉しくなったり気持ちよくなったりする先の学びがある場にこそ、わざわざ行きたくなるのだと思います」だそうで、僕もその通りに思います。「この場所を利用して、自分はもっとよくなりたい!」という気持ちでいてもらえるような場にしたいものですし、利用する側も「おら良くしてみろよ?」ではなく「よーしよくなるぞ~」って感じでおいでいただけると非常に助かります。「俺はお前に負けないが お前も俺に負けるなよ」ってエレカシが昔歌ってましたが、適度な緊張感と適度な安心感でやっていけたらいいな。

2023/3/6月 18-23のめみ
【のめみ】
 18時ぴったりくらいにお店に行くと、外でお待ちの方が。「すみません、お待たせし…あ!」とよくよく見たら大学時代の友人でした。近々環境が変わるようで、近況報告に来てくれました。
 そのあともう1名いらして、3人で少しおしゃべり。夜学バーにおいては、空間の重さが均されている状態を常に保とう、と心がけているのですが、今日は私の力不足でうまくできなかったな、と反省しております。

【尾崎】
「空間の重さが均される」とは言い得て妙。必ずしも「しゃべる分量が同じくらい」みたいなことを意味するのではなくて、もっと抽象的で範囲の広い「重さ」の問題。バランスといいますか。ボールの上に板が載ってて、その上に三人の人間がいるとして、そこでみんながバランスをとりあって板の水平を保とうとする。お店の人がすべきことは、「ボールの上に板が載ってて、私たちはその上にいるのかもしれない」ということを伝えるというか、感じてもらう?みたいなことなのだろうと思っています。人間を人間として尊重するってだけのことなんですけど、意外とそれがちゃんと実現している場ってのは多くないのです。
 ここはボールの上の板で、みんなでバランスをとらなくてはいけない。でも三人でバランスをとるのは難しいから、一人をいないことにして、二人でバランスをとろう。そのほうが楽だから、そうする人は非常に多い。でも本当はそこに三人の人がいるのである。「あれは人じゃないよ、サボテンだよ」と思って、その人の位置を固定して動かないようにさせるという作戦。そうすればあとは二人で適当な位置を探ればいいことになる。サボテンとみなされた人はサボテンとしての振る舞いしか許されなくなる。動けばバランスが崩れてしまう。
 人をサボテンと思わず、ちゃんと人間と思うと、その人が動いたり痛みを感じたりすることを想定せねばならなくなる。それを面倒だと思う人はものすごくたくさんいて、できるだけ目の前の人をサボテンと思おうと努める。他人を尊重するということは、自分を尊重しないということだと単純に考える人が多いということでもある。他人というものを「自分たち」と捉えればいいだけなのだが、それをすると「ボールの上の板を水平に保ちましょう」という面倒が降りかかってくる。
 たとえばガールズバーで指名した女の子を「自分たち」に含める人はあんまりいないだろう。基本的には「自分を気持ちよくさせてくれる外部の存在」というふうに考える。そういうサボテン、と思うことに努めるのである。

2023/3/7火 1730-22まちくた

2023/3/8水 1730-22まちくた

2023/3/9木 19-24f

2023/3/10金 17-28j
 かつて「『鈴木先生』精読会」をやっていた(再開する可能性はあります)時の参加者の方が久々にいらっしゃった。嬉しい。たまたまほかにも『鈴木先生』(武富健治先生のマンガ)を知っている方がいたので、ちょっと盛り上がる。
 3月の金曜は朝4時までやってみている。感触としては、続ければ(定着すれば)お客がそれなりにありそうな気はするが、体力や生活リズムは蝕まれるので差し引きちょっとマイナスかな。朝までやるのは庚申の日がすでにあるけど60日に一度は少なすぎるし、金土や祝前日にあたらないことのほうが多いので、なんか口実というか、良い設定方法はないかなと悩んでいる。毎週はちょっとキツい。満月とか新月とかにしてもいいかな。AmikaさんのYouTubeラジオみたいに。
 朝方、夜勤(バイト)を中抜けしてきた人と、仕事を終えた水商売の人。なんか面白い。

 ここから先(の店主執筆部分)は2024年1月29日から再び書き始められたものです。だいぶ時間が経ってしまい記憶が薄れているうえ、量が膨大なため「印象的なこと」のみ書くことになると思います。記憶の忘却や変容もあるかもしれません。もちろん誰に対しても失礼のない書き方を(従来通り)心がけますので、よろしければ少しずつまた読んでいってくださいませ。
2023/3/11土 17-25j
 本当にあまり覚えていないのですが、記録によればこの日は「ゴールデン街の『月に吠える』というお店を出禁になった」と自ら吹聴(自慢?)する人がいらっしゃったようです。その出禁エピソードが本当かどうかは確かめようがないのですが、「あのお店を出禁になった」と他のお店に行って語ることにはどんな意味があるのでしょう。 「おれは出禁にされるような人間だから何すっかわかんねえぞ、扱い方に気をつけろよ!」という一種の脅しにも思えます。考えすぎかもしれませんが、お店に立つ人間というのは「この人がもし今暴れ出したらどうしよう」という恐怖と常に戦っております。僕は成人男性なのでまだマシですが若い女性ならひとしお。「出禁になった」という武勇伝は、「優しくしてくれたら乱暴しねえよ」という脅迫にも聞こえてくるわけです。
 もっと素直に捉えれば、「自分は出禁になるような人間ですんで」とあらかじめ評価を下げておくことが、その人なりの「予防線」なのかもしれません。「高いレベルを期待しないでください」すなわち「粗相があっても大目に見てください」というメッセージとも考えられます。要するに自信がないということ。
 夜学バーは教育機関ですので(口癖)、そういう場合は「どこに行っても出禁にならないようなふるまいをここで身につけていただく」ことをまずは考えます。それは当然綺麗事で、そううまくいかないことのほうが多いですが、ともかく甘やかすこともしないし、単純に突っぱねることもしません。かなり複雑に突っぱねていると思います。その対応に「意味がある」と思ってくださった方は、その後も夜学バーに通ってくださって、それでいつの間にか「かなりいいお客さん」になっていただけたりします。そういうパターンが少しでもあるのはこのお店の誇りです。
 その方は今のところふたたびお目にかかりません。ただ、この日はほかに十代の若い人や二十代、三十代までくらいの方がいらっしゃっていて、もしその人の態度やその人に対する僕の態度、その時の雰囲気などを見ていただけていたならば、そのことにも意味があったと信じます。
 僕は学校の先生をやっていましたが、生徒に注意する(叱る)ことはもちろんありまして、その時に気をつけるのは「叱る相手のためだけに叱るのではなく、それを聞いている、その空間をともにしている他の生徒たちにこそそれによって好影響を与えなければならない」ということ。かりに叱られている当人が意に介さなくとも、周りの生徒が「なるほど、この先生の言っていることは理にかなっている、誠実な対応だ。メモメモ」とでも思ってくれたなら、それがまた教育となるわけです。

2023/3/12日 17-22まちくた
【尾崎】
「まちくたがスガキヤ食べた」とのみメモしてあります……。

2023/3/13月 18-22のめみ
【のめみ】
 本日は予定を変更して22時までの営業。開店まもなく1名のご来店。かなり遠いところまで移動されて、いろいろ寄り道しながら東京まで帰ってきたそう。赤福ならぬ白福と黒福をいただきました。ありがとうございます。
 もう1名いらして今日は計2名。実は私、夜学バー京島店があったところと同じところで1ヶ月ほどお店を開いていたのですが、最終日にいらしてくれたお客様のうちの2人が本日の夜学バーのお客様。面識はないはず。京島では微妙にすれ違ってしまっていたようですが、今日は時間を共に過ごせました。たまたまですがそんなことも起こり得るのですね。お店というものにますます惹かれました。

2023/3/14火 17-25j
 三十代~四十代の、よく慣れたお客が多くて落ち着いた営業。
 前半に、「夜学バーでお酒を覚えた」と言ってくれる大学院生が友達を連れて来店。そのあと10年ほど付き合いのある友人(出会ったとき、あちらはまだ19歳くらいだったか?)、同い年のクリエイター(!)の方、少し年上の漫画好きの方、年の近い研究職の方。
 いずれも「友人」「友達」「お客さん」いずれの表現を使っても問題ないような人たち。「名前をつけられない関係」よりも「いろんな名前をつけうる関係」が心地よいような気がします。

2023/3/15水 17-25j
「ダチュラフェスティバル」主催者3人のうち2人がたまたま同席……していた気がします。どんな人がどんな順番で来店したかはなんとなく(正確ではない)記録されているのですが、「いつ来ていつ帰ったか」まではわからないのです。つまり「かぶっていたか」はもはや不明。だけどなんとなく、この日じゃないかも知れないけどこの二人はどっかのタイミングで「あ、久しぶり」みたいな会話をしていた記憶があります。もっと後だったかな? わからない。わからないけど、とりあえず書いておきます。
 そのうちの一人は大学受験の合格発表がこの日だったと思われます。落ちておりまして、彼はその後宮古島で5ヶ月バイト生活をしたのちインドに飛び立って、帰国後バイト漬けになりつつ正社員就職を試みたのち再び大学受験に取り組んでいるところ(翌年1月29日現在)。もう一人のほうも現役受験生で、今まさに佳境。がんばれ~。
 遅い時間は大人たちがちらほらと。このお店は本当に「来店頻度が人によってまちまち」(他の似たサイズのお店に比べてばらつきは大きいと思います)なので、いつも違った組み合わせになり、飽きません。ありがたいことです。

2023/3/16木 19-24f
【尾崎】
 遅い時間に僕も来店したと記録にあり。従業員だったi氏と会う。大阪に住んでいたころかな。「また東京に戻ります」なんて話をこのとき、したのかも。(こういうの、全然違ってたらごめんなさい。記憶は変容していくものなので……。)

2023/3/17金 1730-28まちくた、j
【尾崎】
 なぜ朝まで営業しているのか思い出せない。なんでだっけ? 情報提供求む(わかったら書き足します)。←わかりました、翌々週金曜の日報へ。
 前半はおそらく、なんらかの用事があって僕の到着が遅れるのでまちくたさんにお留守番を頼んでいたのだろう。到着するとそれなりにお客があったような気がする。「公開生活」なる芸術活動をしている方がいらっしゃってチラシをいただいた。面白そうだったので行ってみたかったのだが、行けなかった。こういうのはシュッと行けたほうが絶対にいいし、行けることも多いのだが、行けないことも多い。しまったなあ。10ヶ月ぶりに思い出したので、ふたたびチェックしてみよう。
 深夜、近所のバーから紹介されたというお客さんが4名でご来店。こういうことは珍しい、夜学バーはほとんど近所づきあいがないし、どこよりも早く閉まるのでハシゴ先として選ばれにくい。この日はたまたま遅くまで営業していたので受け入れることができた。
 朝4時くらいになって、これまた非常に珍しいことなのだが、その4名と、もう1人残っていた若いお客とで連れだってそのお店に行ってみようということになった。このような「アフター」は僕にはかなり珍しい。けっこう盛り上がっていた。カラオケちょっと歌っていくらか払って帰ってきた。アフターはアフターでも、まあ、べつに誰もごちそうしてなどくれなかった。まだまだかわいさが足りないな!(ちがう)

2023/3/18土 17-25j
 グランドスラム、と記録にある。8時間、お客が一人も来なかったわけだ。前日朝まで営業して(そのあとアフター!して)、たぶん這うようにして17時にお店を開けたのに8時間ずっと口を開けて突っ立ってたわけである。そういう日もある。いかにさみしく、つらく、みじめであるか想像できますでしょうか?「え、ジャッキーさんってそういうの気にするんだ(笑)」とかいう気持ち(勝手な合点と結果としての揶揄)が、世の中の不幸の何割かの原因になっていると思います!

2023/3/19日 17-24j
 遠方の方が多い日。山梨とか長野とか秩父とか。新しいお客さんもいらっしゃっていたが、さすがに思い出せない。この日初めていらっしゃったという二人連れの方、覚えていたら名乗り出てください(雑な人捜し)。夜中は名門中高出身者の集い(?)。東京近郊で中受成功したエリート男子あるある、「中高6年間を中だるみとして過ごし、いつの間にか同級生より偏差値低めの大学に入っている」。そこからどう生きるかを分けるのはなんだろう? 慢心、環境の違い……? なんにせよ、そういう人間のアンバランスさみたいなもの、生々しさみたいなものは、わりに夜学バーとは相性が良いような気がします。ずっとストイックにやって成功し続けてます!という人(そんな人いるのか?)よりは。

2023/3/20月 18-23のめみ、-25j
【のめみ】
 お昼間に歌舞伎町でやっている自分の喫茶店からアフター同伴(注:自分の喫茶店から夜学バーまで一緒に移動をすること。無料。)をしたお客様が1名。ほどなくしてもう1名いらっしゃり、コーヒーの話などをしました。そのお客様は2度目ましてなのですが、私と初めて会った時のことを教えてくださいました。まだなんにもお話をしていない頃、私が注文の品を作るために棚の方をガチャガチャとしていたら、まあまあ大きな音でガッシャーンと鳴らしたそうなのです。皆様ならその時どうなさいますか? あるいはお店などでそのようなシーンが起きた時、店員はどうしていますか? 想定解は「失礼しました〜」と言うことでしょう。私もそう思います。ところがその時の私は「やっべ」のひとことだけだったそうです。全く記憶にございません……大変失礼致しました……。でもそれをまあまあ面白がってくださったようで、そしてこうしてまたいらしてくださり、安堵すると共に、大変嬉しい気持ちでいっぱいです。でもこれからはきちんと「失礼しました」と言えるように頑張りますね。その日はそのような私がマイワールドに入ってしまっている言葉が2〜3個出てきまして、一度自覚してしまったからにはもうあまりにもおもしろすぎる。「これのことか!」と笑い転げていました。読者の皆様も、私のそのような言動情報ありましたらぜひ教えてくださいませ。
 お昼から飲んでたという方が1名、同じ階の別の店からハシゴで来てくださった方が1名、23時で交代するジャッキーさんが来て、私の店番タイムは終了です。でもお店の終わる時間まで居座りました。そこでの出来事は……ジャッキーさんに任せることとしましょう。

【尾崎】
 バトンを渡されてしまった。これを書いているのも翌年1月29日です。「やっべ」の一言が訴求してリピーターを生むというのは面白いですなあ。そういう些細なところに宿る人柄みたいなのが、意外と人の心を刺したりするんですよね。
「同じ階の別の店からハシゴで来てくださった方」というのはじつに珍しい。そういうことがもっと増えるといいんだけどな、と思いつつ、僕もあんまりほかのお店に飲みに行けていない。今年(2024)の目標は、同じビルに挨拶回りすること。誰かついてきて~と言いたいところだけど、堂々と一人で行ったほうがいいかな。がんばろ。
「そこでの出来事は……」と↑ではなにやら面白そうな引きになっておりますが、なんかあったんだっけ。少人数でじっくり話していた記憶があります。「おい! 忘れたのかよ!」という重要なことありましたら、のめみさま、ご連絡ください。

2023/3/21火祝 1530-22まちくた
【尾崎】
 この時点ではまちくたさんまだ未成人なので原則として僕が付き添っております。お客は3名あり、京都(吉田寮)からいらっしゃった方もいた模様。祝日で昼から開けてたわりに来客少なかったのですね。ウエーン。人気がほしいよ~。

2023/3/22水 17-25j
 お客は1名のみ。近所でお店をやっている方。おいでいただいて非常に嬉しく、ありがたくもあったのですがこの「挨拶として来店する」という文化(?)にはむずがゆいものも。お店ってやっぱり何度も通ってこそ味が出てくるものだと思うのですが、回れば回るほど「通えないお店」が増えていく。かといって「どこにでも通いまくる」と身体もお金ももちません。バランス良く付き合いを持ちたいものです。

2023/3/23木 19-24j
 この感じでやっていると永遠に終わらないので本気で「印象的なこと」だけに絞ってゆきます、たぶん。
 近所の会社の方々が4名でご来店。4名もいらっしゃるとさすがに空間がその色に染まってしまいがちですが、頻繁でなければそれも一興であります。ちなみに言うまでもなくこういうことは夜学バーには実にめずらしい。そもそも単独でのご来店が圧倒的に多いので。3名以上というのは率としてかなり少ない。
 会社や部署というものは「お決まりのスナック」みたいなのを持っていたりしますが、夜学バーがそれに選ばれるというのはほとんどないこと。こちの会社はたまたま社長さんがお店を見つけて、気に入ってくださって何度かいらっしゃっております。いろんな方がいろんな方面からやってくるのが夜学バーの理想なので、けっこう本気で嬉しいんですよね。近所でバーやってる人が「出勤前に」というのもあれば、「友達と」「仕事帰りに」「飲みたりないからなんとなく」などそれぞれさまざま計9名が来店。

2023/3/24金 17-28j
 思い出してきた、「なんとなく金曜くらいは朝までやってみようかな」という実験だったのかも。定着するならやってもいいなと今も思います。「朝まで開いている」という特別感や背徳感は他に代えがたいものがあります。
 しかしこの日は朝まで開けていた意味はそんなになかったのかも? 記録を確認する限り夜中は僕一人だったかもしれません。「アーツ&スナック運動」に携わる方々が3名、おいでくださったのを含め総計で7名、まず0時までにお帰りのはずです。中学生とかもいるし。「定着」というのは難しいですね。金曜だけ遅くしても、金曜はほかのお店もだいたい朝までとかやっているわけで、ハシゴ需要もさほどは見込めない。それでも1~3時に終わるお店の人が来てくださるなら御の字なんですけどね。そういう夜の動き方も僕は好きです。自分がそこに入り込んでいないからこそ、ワンダフルなものとして受容できる。これ以上夜っぽくはなりたくないな。

2023/3/25土 17-25j
 夜学バーをこよなく愛する方がお友達を連れてきてくださった。メモをそのまま書くと「宮沢賢治の解釈自己犠牲についていけないと言うがむしろそれへの憧れや祈りが本質ではないかと僕は思った」だそうで。そりゃーそうだ、たとえば『永訣の朝』という有名な詩で宮沢賢治は妹が死の間際にも兄のことをおもんぱかる態度をうたっているし、『銀河鉄道の夜』でもさそりは「どうしてわたしはわたしのからだをだまつていたちに呉れてやらなかつたろう」と悔いるのである。大事なことはたぶん「自己犠牲って尊いよね」ではなくて「自己犠牲って尊いけどそれはそう簡単にできることではないよね」というところにあって、だからこそ宮沢賢治は現代日本でもすごく人気なのである。きっと。
 別の話。「これで夜学バーの従業員をコンプリートできました」みたいな発言をした方がいらっしゃった。現在クレジットされているすべての従業員の営業に立ち会ったという意味であろう。そういう楽しみ方もあるのか!と面白く思いつつ、そのようなスタンプラリー的態度は「コンプリートしたら終わり」というニュアンスを含み、実際「達成した」あとはもう「終わった」ものと見なされがちなもので、その方はその後たぶんお店にいらっしゃっていない。どこにも責任はない。そういうことは現象としてある。
「袖振り合うも多生の縁」という言葉が好きである。夜学バーを知ってしまった、あるいは訪れてしまった人は、ぜひとも一年に一度くらいでいいですから、定点観測のような気分で来てみてください。続いたり繋がったりすることでようやく発生する意味もたくさんあります。「終わり」とされてしまうことのなんと寂しいことか。夜学バーという概念が存続する限り、終わることはありません。更新しにきてください。ぜひとも。

2023/3/26日 17-22まちくた
【尾崎】
 お客1名のみだった模様。
 僕も他のお店ではお客さんなのでよくわかるのですが「空いているほうが落ち着く」というのはあります。ただ基本的にはお店って「人に会う」ために行くものなので「いつ行っても店主店員としか会わない」のも寂しいもので。いろんな人が同じ場を共有する時に起こる奇跡的なハーモニーこそが夜学バー最大の商材と思っておりますから、うまくバランスよく人がいたりいなかったりしてほしいものです……。

2023/3/27月 18-23のめみ
【のめみ】
 前の予定が押してしまい、7分ほど遅れての到着。そうすると3階の踊り場のところにひとり立っている方がいらした。「すみません! お待ちでしたか?」と聞くと隣のバーの開店を待ってらっしゃるようだった。どうやらそちらも18時開店なのにまだ店主が来てないらしい。「ウチで待ちます?」と思わず返してしまった。
 そう返したことが良かったのか、5分くらいしてその方がご来店。「隣の店、休みだったみたいです」とのこと。待っている間に夜学バー入口にある小さな文字だらけの謎の掲示物等を読んで、気になってくださったそう。
 私が遅刻してなかったら、隣が休みじゃなかったら、いろんな偶然が重ならなければ出会わなかったかもしれない関係。かなり意気投合したように私は感じ、店番をほっぽり出して一緒に出かけちゃおうかと思ったくらい。他の従業員にも会ってみたい、とおっしゃっていたので、ぜひまたお待ちしております。

2023/3/28火 1730-22まちくた
【尾崎】
 近所の会社の社長さんが女性を連れてご来店。とこう書くと「何かありそう」な感じがしますね。僕もすごく正直な話「何かありそう」と思ってしまったのですが、これはやんわりとした「会社の社長差別」だし「女性差別」なので、心の奥底に沈めてつけ置き洗いしておきました。

2023/3/29水 17-25j
 わりと閑古鳥で、会計上は3名なのですが出戻り含むので2名と、お金がないのにやってきた高校生まちくたさん。「まちくた(無銭)」とメモにあります。アメかなんかもらったかも。

2023/3/30木 19-24f

2023/3/31金 1730-28まちくた、j
【尾崎】
 小沢健二さんを通じて夜学バーを知ってくださった(たしか)方が小学生の娘さんを連れて。かしこくて洒落ているスーパーガールだった。平成末期から令和にかけて、親と子との対立構造はだんだんと息を潜め、協力構造?みたいになってきているのを感じる。親のセンスがそのまま子へと受け継がれる。かつては「親の好きなものなんか(ダサいので)好きにならない」だったのが、すっかり逆転しているような。現代文化は破壊・反抗・拒絶で発展してきた面もあると思うのだが、だんだん「継承」の比重が増してきた気がする。それは「新しさの頭打ち」でもあるのかもしれないが、ともあれこれからの世界が楽しみである。
 ちなみにこの親御さん、「娘をまちくたさんに会わせたかった」というようなことをおっしゃっていた。(より正確には「まちくたさんのいる日に連れて行きたい」という表現だったと記憶している。)ロールモデルとして母親は依然として遠い。「十代のかっこいいお姉さん」としてまちくたさんが彼女の心に残るといいな。
 その後は『鈴木先生』を通じて夜学バーを知ってくださった(まちがいない)方が。初めて来たときは大学生だった。社会に出ていろいろ考えるところがあるらしい。
 はっきり言って「ジャッキーさん程度の人間すら、世の中にはなかなかいない」のが真実で、ましてや飲み屋のように気軽に足を運べる場所に「話の通じる相手」が存在するというのはまことに希有であろう。そういう奇蹟をみなさまもっと重んじていただきたい。他ならぬ僕自身が、「話の通じる(話が合う、という意味ではない)人がやってるお店」をめちゃくちゃ探していて、なかなかなくて、全国各地を飛び回っているのだ。「ああ、この人はかっこよく生きているし、こちらの話をちゃんと咀嚼して聞いてくれて、そこに自分なりの考えを誠実に付け加えて言葉を返してくれるなあ、ありがたいなあ」と思えるような人がいる場所、それは確実に人生をすがすがしくさせる。アー、いいお店あったら教えてください。僕は僕でそのようなものとなれるようがんばります。
 某大手出版社で某有名青ダヌキを扱っている部署のえらいひとがご来店。共通の知人として浅羽通明先生やMoo.念平先生がいる。なんだかすごいことだ。子供の時はそんなことがあるなんて想像もしていなかった。
 そして最近ちょこちょこおいでくださる近所の会社の方々が4名連れで。遅い時間はしっとりと、旧知のお客さんが数名いらっしゃって、新学期の朝まで営業していた。非常にバランスのとれた良い営業。週に3日くらいはこのくらい充実した日があってほしい(がんばります)。

2023/4/1土 15-25j
 新学期の初日に新中3がお目見え。とはいえ始業式はまだであろう。むかし「はんぶん小学生」という言葉の入った児童書を読んだ気がするが、こちらは「はんぶん中3」とでも言うか。僕はこういう「あわい」の時間、みたいなのがとても好きである。そこに立ち会えたのは嬉しかった。ちなみに「はんぶん小学生」を調べてもゼリ→の曲しか出てこない。記憶違いなのかな。「はんぶん1年生」とかだったかも。知ってる人いたら。保育園や幼稚園を卒園して小学校に上がる前の、そのわずかなあいまいな期間、年末みたいで大好き。
 となりのお店が閉まっていたので、とご来店の方。待合室か休憩所のように使っていただくの、悪くないですね。
 女子校勤務時代の生徒がやってきたり、いつも一人でくる方がお友達を連れてきたり、鹿児島で同窓生だったという四人組が急にやってきたり、松本に住んでいるという方が初めておいでになったり。4月1日という特別な区切りの日(新年度というだけの意味です)に、こういう豊かな営業ができると本当に嬉しい。逆に誰も来なかったら、「僕の4月1日をかえして!」みたいに思ってしまう、そのくらいに僕は「日付」というものが好きです。

2023/4/2日 13-24j
 日曜はお客少ないのが常ですが、やはり新学期、春休みというタイミングゆえかいつもと動きが少々違ったような。初来店の二人連れや、遅い時間には同人仲間らしき四人連れ。夜学バーは一人で来る人が圧倒的に多くて、だからこそ四人連れとなると「事件」なわけで、特記してしまいます。みなさんぜひとも、『ひとりでいらっしゃい』。いやもちろん何人で来てもらってもいいのですが、一人で来る場合とそうでない場合とでは、まったく違う体験になるとは思います。使い分けていただけたら。

2023/4/3月 18-23のめみ
【のめみ】
 お友達の紹介で初めていらしてくださったお客様がひとり。確か2時間近くふたりでおしゃべりをしたのち、私の父が登場。父の家に届いた私の投票所入場券を届けに来てくれた。お父さんであるならば少し話してみたい、とのことでふたりで着席を促し、一杯だけ付き合ってもらうことに。選挙関連でのおつかいだったからか、かなり政治の話になったため「うちにはノンポリ天皇が書いた『たたかえっ!憲法9条ちゃん』とかもありますからね〜」と伝えておいた。なんだかとってもヤバいお店だと伝わってしまったかもしれない。私は父と政治の話をほとんどしたことがないので、私の政治思想というか、政治についていろいろ興味があること・知っていることがあるということについて驚いた様子だった。
 私事ではありますが、これで私の両親どちらも夜学バーに来たことがあることになりました。親子で来れるバー、夜学バー。ぜひお子様、または親御さんといらして下さいね。

2023/4/4火 1730-22まちくた
【尾崎】
 棗柘榴江魔(なつめざくろえま)さんは17で名古屋から上京して(させられて?)18になった瞬間に湯島でバーを出店した(させられた?)伝説的ガールで今は歌舞伎町を中心に働いておられますが、湯島時代に仲良くなって今は大親友。もともとそのお客さんだった人が夜学にも来てくれるようになって、こちらとしては非常に嬉しいですね。ちなみにその人はのちに夜学で同席した僕の友達のお店にも通うようになりました。広がる友達の輪。
 経済的なことだけを言えば、一人の人間が使える時間とお金には限りがありますから、自分のお店だけに「囲って」おいたほうが儲かるわけなんですけれども、なんだかそれだけでは面白くない、少なくとも僕は。
 そもそも夜学バーは「いろんな人に来てほしい」お店で、「いつでも同じ人がいる」という状況は場の多彩さ(可能性)を狭めるので避けたい。また、たとえば毎日夜学バーにばかり来ていると他のことに費やす時間がなくなるので、(いかに夜学がいいお店であろうとも)結果的に視野が狭くなりかねないという問題もある。いろんな場所に行くことでその人の知見も広がるはずだし、行く先々で「夜学バーってお店があって」とか良いふうに語っていただければ宣伝にもなってこちらは助かる。
 あとは、お店やってると行きたいお店があってもなかなか行けない、という事情もある。ファンネル(オタク用語)を飛ばすように、お客さんに代わりに行ってきてもらえるのはありがたい。「よろしく伝えといて~」と。
 さてあとはダチュラフェスティバルにも一枚噛んでいた方と、主催者のうちの一人と。少人数だったけど楽しかった、はず。(これ書いてるの2024/01/30なので……)

2023/4/5水 17-22のめみ
【のめみ】
 何度かお会いしてる方とふたりきり。お互いの人生や家族、交友関係を交えた話もよくするのだけれども、話が尽きることはない。きっとそれは「事実」だけを話してるわけではなくて、そこからの考察や所感、さらには発展させた別の事柄を述べているから。その際事実はあくまでも「例文」みたいなものなのでしょう。

2023/4/6木 19-22j※実際は25
 記録に自信なし。なぜかメモに火山の絵文字が付されている。そしてなぜ「実際は25」なのかもわからない。情報求む。

2023/4/7金 17-25j
 この日も火山の絵文字。なんらかのバグか。お客さんが「台東区議に立候補する同級生を連れてきた」と。しかし僕は台東区民でないし台東区民のお客もほとんどいない。残念ながら落選していらっしゃった。むずかしいのだなあ。
 後半、二十代の働き盛り男子たちの集いに。なんか珍しく?金曜の夜っぽい。

2023/4/8土 17-25j
 2月10日にやってきた、「岩手の人と遠距離恋愛してる女の人」が再来。友達との待ち合わせの時間調整に使ってくださったような感じだったと思う。嬉しくなっちゃうんですよね、なんでだろう。「30分あるな、よし」みたいな気分に心当たりがあるからかも。
 古くから付き合いのある方が多かった印象。それこそ小学校の同級生とか、10年来の友達、夜学バー初期の従業員や初期からのお客さんなど。そういう人たちと、最近通い始めた方とが入り交じりつつ、「新旧」みたいにならないのは、本当に夜学バーが「常連という概念の撤廃」に心血を注いできたからだし、古い友達だからって二人きりの時みたいなふるまいはしないし、新しいお客さんだからとて「ご新規さん」みたいな特別な向き合い方はしないとか、いろいろな工夫のたまもの。とにかく「ウチら夜学組」的な帰属意識だけは絶対に生じさせたくない。もちろん各人が「自分は夜学バーに通っている人!」って心で思ってくれているのはすごく嬉しい。徒党を組んだらまったく別のものになる。
 ただ、そういうふうにやっていることの問題点もある。夜学バーで同席した人同士は、インスタントには友達になりづらいのである。「じゃ~LINE交換しようよ!」「グループラインに入れとくね!」みたいなのがない。もちろんそこが最大のいいところでもあるのだが、せっかく「友達になりたい」と思っていても、なかなかそのきっかけがつかめないし、頻繁に来るわけでもない人どうしだと再会の確率も低くなる。
 ですんで、この場でこっそり公式に表明しときます。夜学バーでは「さりげなく自分の情報を落とす」ということをしてもいいし、常識の範囲でそれを拾ってもかまいません。つまり、「あ~わたし○○って名前でTxitterやってるんですけど~」みたいなことを、言いたければ言ってもいいし、それを言ったからにはそのアカウントがフォローされることを念頭におかねばならず、すなわち他の人はフォローしてもよい、と。(マア普通のことなんですけども。)
 SNSの良いところは「ゆるくつながれる」こと。LINEはほとんどゼロヒャクで、交換してもまったく交流がないことも多い。Txitterやインスタなら「なんとなく目に入っている」という状態が長く続き、じわじわとお互いを知ることがしやすい。そういう面で僕はSNS(というかインターネット全般)がけっこう好きです。SNSやってない、つながりたくない、という人は別の情報があればさりげなく落としてみてはいかがでしょう。むろん、仲良くなりたくない人やよくわからない人がいる前でそれをやるとストーカー化することもありますので慎重に。
 あるいはまあ、店主店員を通じて「こないだいたあの人、面白い人だね」みたいに伝えていただくことで、ほんの少しずつ近づいていくこともあると思います。個人的には!人間関係ってゆっくり育っていくもので、初対面での「LINE交換しましょう」はよほどのことがない限り推奨しませんが、しかしまったく近づくよすががないのもさみしいことなので、なんとなくゆっくりと仲良くなっていける道筋はあるといいですよね。伝言板とか交流ノートとかはたぶんそういう機能も持つのでしょう。
 このへんのことはもうちょっと整理して「テキスト」内にまとめたいと思っております。
 お店やってると、「素敵だな」と思ったお客さんに二度と会え(て)ない、ということは無限にあります。(て)を入れたのは、これからもしかしたら再会できるかもしれないという希望をこめてのことです。僕はでも歯を食いしばって名前も連絡先も何も(よほどのことがなければ)聞かないですね。距離のとりかたには慎重に慎重を重ねたい。そうであってこそ今のこと夜学バーの「圧倒的な治安の良さ」があると思うので。
 でもなんとなくの流れで名前を知ったり勤務先がわかったり、SNSのアカウントを見て「あ、この人」と気づいたりします。それを僕は「自然なこと」と思うので、ありがたく覚えます。
 そのような感じでたまたま夜学バーで同席してじわじわと仲良くなっていった人たちどうしが、こないだスピッツのコンサートで再会(おたがい遠征)したそうで。とっても嬉しいことです。あっ、そのうちの一人はこの日来てたワ。

2023/4/9日 17-24j
「珈琲屋で辛い思いをした話を聞いて私だったら一生許さないと言った」とメモされております。初来店の女性二人組。そういう話をしたのは覚えてるけど肝心の「珈琲屋で辛い思いをした」の部分が思い出せない。僕が話したのかな。なんだっけな。思い出せそうなのに、もうちょっとなのに……。
 ビルボードで甲斐よしひろさんのライブに行ってきたという大阪の方と、福岡の方がご来店。遠征がてら寄ってくださったというわけです。一夜にして甲斐よしひろさんに詳しくなった。古い年代のものは「当時の空気」を知らないとウッカリ聴かず嫌いで過小評価してしまいがちですが、改めて聴くと格好良かったりしますよね。『ポップコーンをほおばって』はつまり、SOPHIAでいう『KURU KURU』みたいな、PIERROTでいう『蜘蛛の意図』みたいな……ちょっと違うんだよな、「デビュー前から演奏されていて、デビューシングルになるかと思われたが別の曲が採用されて、まんをじして後にシングルのカップリングとして音源化」というの、ありそうで思いつかない。覚えておきます。

2023/4/10月 18-23のめみ

2023/4/11火 1730-22まちくた
【尾崎】
 A:日本文化好きの外国人といえばアニメ『丸出だめ夫』の「ニッポン人よりニッポン人らしいアメリカ人」ヘンナ・ヘンナーさんを思い出します。B:小沢健二好きな友達の担当編集者がじつは小沢健二さんの大ファンであることがわかり意気投合したそうで、夜学バーに。さて、Aの人もBの人も同じお客さんのお友達なのだが、どういう流れだったんだっけな。マア良い、飲めや歌え。

2023/4/12水

2023/4/13木 19-25j
 この日だったか忘れたけど、たびたびいらっしゃるあるお客さんと「都留泰作『ナチュン』とGUNIW TOOLS(グニュウツール)が好き」という合意に達し、「そんなピンポイントな趣味のあいかたあります?」ってすごいびっくりした。偶然この日は『ナチュン』読者がもう一人来ているけど、その話をしたかは不明。生徒も一人きてくれた、うれしい。差別するようだが、やはりどうしてもいつもうれしい。内心。

2023/4/14金 17-25j
 メモに火山の絵文字が。なぜ火山なのかわからないがたぶん「忘却」という意味なのだろう。会計上は6名来客があったはずなのに2.5名ぶんしかメモがない。ボルケーノからボーキャクを連想したのか?(おもしろい)

2023/4/15土 18-25j
 土曜の夜だってのに来客3名、そんな日もある。というか、そのくらいのことも多い。日によるとしか言えない。これぞ水商売。

2023/4/16日 17-24j
 来客2名。指が震えてくる。現役の英語教員だという方がとマンガの話で盛り上がる。うれしい。

2023/4/17月 18-23のめみ

2023/4/18火 1730-22まちくた
【尾崎】
 やたらお客が多い。どういうことなのか。僕(店主)よりもまちくたさんのほうが人気があるということなのか。許せない!
 いつのまにか彼女も受験生ですね。「夜学のせいで落ちた」とならないよう、しっかり取り組んでいただきたい!(※これ書いてるのは翌年の1月30日です。)
   2019年、つくば市にある某公立中高一貫校の「芸術幼稚園」というのに呼ばれ「お店屋さんごっこ」というワークショップ的なものをおこなったのですが、その時にたぶん中3だった子が東大に入り、友達を連れて夜学バーにやってきてくださった。その後駒場キャンパス900番講堂の小沢健二さんの講義でニアミス(異常接近)してめっちゃびっくりするんだけど、それはまた別の話。
 その二人も含め、初めてとか2回目くらいのお客さんが多い日だった。平場の火曜、4時間半しか営業していないのに、なぜだか16人くらい来ている。ホント? 読めないですね。これぞ水商売。

2023/4/19水 17-22のめみ

2023/4/20木 19-25j
 初来店の方で、「ホームページ見て興味を持ってきたけどまだちゃんと読んでないからしっかり読んでまた来ます」みたいなようなことをおっしゃった方がいた模様。その方また来てくださったのかな。しっかり読まなくてもいいのでまたぜひどうぞ……。
 あとは大阪から東京に戻ってきた夫婦がきてたり、近所の人や近所で働いている人など。

2023/4/21金 17-25j
 小さい声で書いときますが前日に来ていた人の元恋人がいらっしゃって「すげー!ニアミス(異常接近)!」これに懲りずまたいつでも何度でも通ってきてください。その方とはたしか数時間二人きりで、プラトンの『饗宴』なんかをダシにしながら、若者が肉体を偏重しすぎる傾向についてじっくり話した。この日記はおそらく、その時のお話を意識して書かれたもの。お客さんは本当にありがたい刺激をくださいます。
 その後、夜遅めの時間に4名ほど。

2023/4/22土 17-25j
 おそらく、早めの時間には十代の女の子が一人だけ、わりと遅めに電話があり、すっかりできあがったお客さんとそのお連れが計4名、きたのではなかったかな。そしてさらに遅く、「昨日長く付き合った彼女と別れまして」と、これまたすっかりできあがったお客さんが。その「すっかりできあがった」お二人はそれぞれいつもは一糸乱れずクールにお酒をたしなみ、「すっかりできあがった」状態など見たことがなかった。いや、今回も「すっかりできあがって」はいるものの乱れているわけではなく落ち着いていて問題一つもなく、さすが夜学バーのお客さんは「理性圧勝」ですなあ、と内心感心しておりました。そしてなんだか僕は楽しかった。

2023/4/23日 17-24j
 ひさびさの旧友と飲み交わす。後半は70代半ばになる方と十代の家出少女(?)がたぶん同席。これぞ夜学。

2023/4/24月 18-23のめみ

2023/4/25火 1730-22まちくた
【尾崎】
 メモがない。無風だったか、僕が行っていないのか。お店の端末を確認すればわかるかも。それはそうと尾崎豊の誕生日。

2023/4/26水

2023/4/27木 17-25j
 来客12。平日としてはかなり多いほうだが、正直いつでもこのくらい来ていただけないと僕の生活は豊かならざり、ぢつと手を見る毎日です。
 近所でこれから働く人、近所で働きおわった人、営業時間中に飲み歩いている近所の店のオーナー、帰り道に寄ってくれる人、気が向いたときに訪れる人、特別な気持ちを持ってやってくる人、等々、12人もいるといろんな方がいて面白い。改めていろんな人に支えられていることを実感。常連(太客)に頼るのでなく、近所の人に頼るのでなく、一見さんに頼るのでもなく、ばらついたさまざまな距離感の人がさまざまな気持ちでやってくるのが面白いし、リスクヘッジにもなっているはず。もうちょい母数が増えるようにけっぱろう。こうやってちまちま日報を書いているのにも意味があるはずなので、これからはできるだけサボらないようにいたいな……。

2023/4/28金 17-25j
 渋谷(428)の日、渋谷の学校に通っている人がきた。どうでもいいけど面白い。四谷も428なの面白い。ものすごく名古屋弁の強いお客さんが久々に。ふるさとのなまりなつかし夜学バーの……。(昨日にひきつづき謎の啄木ブーム)

2023/4/29土 17-25j
 よくくる生徒が初めてくる生徒を連れてきてくれた。5~6年ぶり? すごく嬉しい。なんかその場にいてくれるだけで嬉しいのは、孫みたいな感じ? もしかしたら生徒の側もそう思っているのかも。僕も恩師にはそう思っちゃうかもな。ああ僕は中高の教員をやっていたのです。(たびたび書いとかないと。)

2023/4/30日

2023/5/1月 18-23のめみ

2023/5/2火 17-29j※庚申
 hideの命日。尾崎豊の命日のちょうど一週間後にくる。毎年気にしてしまう。だからどうということもない。「途中まじ無人だった」とメモにある。その間はたぶんhideの曲とか聴いてたんだろうな。前半と終盤にお客があり、総合的にはそれなりの来客あったようだ。庚申の時にしかこないようなお客もあるのでこの行事はやはり続けていきたいと思う。

2023/5/3水祝 17-25j
 なぜか研究者の多い日。東大、科捜研、島根大。錫釜(芋焼酎)を気に入ってくださった「その筋」の方や、後半は若い女性たちが多く来て賑やか。深夜はサシでしっとりと「和歌山のヤバさ」について語り合うなど。

2023/5/4木祝 17-21まちくた、-25j
 まちくたさんの同級生(高校生)や、近所の方が早い時間はいらっしゃり、後半は家出少女(これも高校生)や札幌からきた大学生、某超忙しい雑誌編集者など。個人的にはとても彩り多く楽しい日だった。でもそれは特権。知識の如何と関係なく「雰囲気としてかけがえのない」ものをめざすのが夜学バー。かなりいい線いってるものの、もっといける。

2023/5/5金祝 17-25j
 お客さんが連れてきてくださったやや高齢の女性。僕について「ピーターパンに似てる!」とおっしゃる。似てるとは? でも、マア確かに、それなりに似てるかもしれない。似てるとは? ピーターパンを見たことがあるのか? あるのかもしれない。ピーターパンってそういう存在だから。僕は実は卒論を『Peter and Wendy』で書くような人間なのである。国文科なのに。だからこそ、わけのわからないことをわめいてるようにも見えるその人の言葉が、「でも実際そうかもなあ」と聞こえた。正直、誇らしく思えます。ありがとうございました。こどもの日ってのも面白いですね。
 5月5日は恒例、日本児童文学者協会(僕も入ってます)が上野でイベント出店するらしく、その関係者の方がいらっしゃった。たまたま最近絵本を出版したお客さんも。僕は「日付」が大好きなのでそういうことを気にしてしまいます。

2023/5/6土 13-17まちくた

2023/5/7日 10-13まちくた

2023/5/8月 18-23のめみ

2023/5/9火

2023/5/10水

2023/5/11木 17-25j
 お客は1名、だったのかな。そんな日もあります。「この店(および自分)には需要がないのかな」と悲しいけれども、一人でもいらっしゃればそれが重要なわけですから、救われます。ありがとうございます。

2023/5/12金 17-25j
 さて今は令和6年3月19日です。10ヶ月経ってしまいましたが古い日報を書き進めるといたします。

 あんまり覚えていないのですが(むしろその場にいた女の子が覚えてそうなのですが)ある男性が僕について批判(ネガティブなもの)をなされ最後なぜか女の子たちに1000円ずつ渡して帰っていった、みたいなメモがあります。お酒を飲んで出来上がっていたのでしょうか。タモリさんは長寿番組を続ける秘訣として「反省しない」という態度を挙げていたそうですが僕も似たような方針でして、忘れています。おおむね。
 たぶんいわゆる「治安の悪い」(若者言葉)状況だったのだろうと推察されます。ここ夜学バーではかなり珍しいことですが、たまにはありまして、たまにあるから楽しくもあります。しかし「楽しい」と思えるのは僕が毎日のようにここにいるからかもしれません。一度しか来たことがない中のその一度が「治安が悪い」であったならイコールその人にとって夜学バーは「治安悪い」のですから困ったものです。何度も来ていただきたい。
 幸いにもその時その場にいたのはわりあいこのお店に慣れている人たちだったと思います。どんな雰囲気だったのかも忘れてしまいましたが、あとで感想戦(と言っていいのかは微妙だけど、本人いないので)できるような感じだったと思います。
 よくネットのレビューなんかで「ある客が帰ったら、店員と常連客がその客の悪口を言い始めた。自分もこのような仕打ちを受けるのではないかと不快だった。リピありません」なんてのがありますが、それが純然たる悪意の産物ならばともかく、「ネタにでもしないとやってられない」とか「傷ついたので吐き出したい」とかだったら責められるべきではないでしょう。
「その場にいない人の話をしてはいけない」という決まりはなく、「その場にいようがいよまいが誰かの話題を出すときには慎重に、誠実にする」と。
 また、その話をすることによって「学び」が得られそうな予感があるならば、「ちょっと品性劣るかもしれませんが」等と踏み出すのも大事だと思います。
 高校の同級生の奥さんが来てくれた。長く仲良く、三人でFF6の実況配信(全10回)をやったこともある人。1時すぎにもお客がやってきた。いればだいたい対応しますので、「まだやってるかな?」と思ったらとりあえず来てみてください。

2023/5/13土 13-17まちくた
 三重県に在住の方が、拙著『小学校には、バーくらいある』を買いにきてくださったそうな。受験生まちくたさんは同級生と通話(スペース?)をつないでお勉強していたそうな。

2023/5/14日 10-13まちくた
 日曜の午前~昼だってのに5名ほど来客があった模様。そのまま勉強タイムに突入。リモート勉強あり。忘れ物取りに来た人あり。そして根津に住んでいてよくEST!(湯島の有名バー)に行くとの女性!がわざわざ上がってきてくださって、「また営業しているときに来ます」とおっしゃってくださったのですが、その後お見かけいたしません。お待ちしておりますよ。僕はしつこいのですよ!(つたわれ~)

2023/5/15月 18-23のめみ

2023/5/16火

2023/5/17水

2023/5/18木 17-25j
 バラエティ豊かな一日。大学生時分から来てくれていたが、社会に出て色々考えが変わってきたらしき若者。その変遷を見守れるのは非常に面白く、甲斐のあること。優秀な人間は「無敵モード」に入ることがあって、いつ解除されるかは人それぞれ。そのまま無になってしまう人もいるし、新しいモードに入る人も、モードとか関係なく手ぶらで地道に歩き続ける人もいる。夜学バーに通い続けてくれる人はたぶん、「歩き続ける」タイプの人なんじゃないかと勝手に思う。
「新しいモード」というのは結局「柔軟という方針をとらない」ということで、僕がここで言っている「歩き続ける」という(やや詩的で曖昧な)表現はすなわち「柔軟にやっていく」ということなのだ。Aの神を捨てBの神を信じる、ということではなくて。その都度考える。
 日月と続けて来てくださっていたらしい男性や、12日にいらっしゃった1000円配り男性が再訪。彼らはたぶん新しい店舗(2023年12月~)にはおいでいただいていない気がします(違ったらごめんなさい)。ぜひまた。後者の方は『小バー』をお買い上げいただいたと記録にあるので、ご感想お聞かせください。素直に、せっかくこのお店に興味を持ってくださって、出会うこともできたのだから再会したいのです。
 根津のバーのマスターがお客さんを二人つれて。小沢健二さんが好きだという女性と、落語家の方。ほか4名の来客。

2023/5/19金 17-25j
 ここから5月いっぱいの記録がない!ので、募集します。この時期においでになった方、ぜひその日の情報をお寄せくださいまし。
 と思ったが下記を見てわかる通り、そのうち僕の担当日は19、21、25、26のみですね。4日間がブラックボックス。
 記録を手繰り寄せて来客数だけでも書いておきます。この日は9名。

a href="#20230520">2023/5/20土 13-17まちくた
 17時に終了のはずなのに20時台から2時くらいまで会計記録が残っている。いったい何があったのか? 昼3名、夜8名来店。3~4名が2組+αいる感じ? なんとか思い出したいが手がかりに乏しい。

2023/5/21日 17-24j
 9名来店。

2023/5/22月 18-23のめみ

2023/5/23火

2023/5/24水

2023/5/25木 17-25j
 6名来店。

2023/5/26金 17-25j
 6名来店。木戸銭なし500円の人がいるので中高生が9時くらいまでいたのかな。
 この日の営業中、不動産屋さんがきて「6月いっぱいで契約が更新できなくなります」と告げられた。いわゆる「閉店さわぎ」についてはこのページを参照のこと。
 ちなみに「閉店します」と発表したのは6月1日の18時台。わずか5日ほどであの文章を出したというわけです。29日には401号室(新店舗)の下見をしていて、6月2日には申込書類を出していたのですが、よもや契約までそこから半年ちかくかかるとは思いませんでした……。

2023/5/27土 17-22まちく誕
 おめでとうございました。

2023/5/28日 10-13まちくた

2023/5/29月 18-23のめみ

2023/5/30火

2023/5/31水

2023/6/1木 17-25j
 夜学バー閉店のリリースを出した当日。18名もの来客にめぐまれました。いつもこのくらい流行っていればいいんですけどね~。さすがにこの月はほぼ毎日「つ抜け」だったわけですが、なぜかぜんぜんお客のない日もありました。(日報を)乞うご期待。
 恨み言ではないのですが、「閉店」とTwitterに載せたのは18時25分。営業はすでに始まっております。おそらく18名のうち半分以上は「閉店の知らせを見て、飛んできた」のでしょうが、それで思うのは「えっ、18時半に告知しても来ようと思えば来られる人がこんなにいるんだ?」ということであります。「閉店」はそれほどのパワーワードなわけです。
 ふだん「やってま~す」と発信してもお客はさほどこないのだが、「閉店」といえば拡散されて人の目にも触れるし、見た人は「じゃあ行かなきゃ!」とたぶんほぼ反射的に思うということでしょう。
 普段からそのくらいパワーのある宣伝をしなければならんっていう話でもあるのですが、正直な気持ちとしては、「みんな~もっとお店に来てよ~閉店って言わなくてもさぁ~」ってことなのでした。

 小学校からの幼馴染や、大学の後輩が2名(別々に)やってきたり、付き合いの長い友達、元従業員、ヤガシュー、同業の方、最近通ってくれている大学生、初めてのお客さん、何度目かの方など幅広く、みな一様に「残念だ」と言ってくれました。(そりゃそうじゃ。)
 このような日々が今月はずっと続くのか……と息を呑んだ夜でもありました。幸いおおむねそうなりました。

2023/6/2金 17-25j
 京都木屋町のバー「キャロルキング」からやってきてくださった方々あり。片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティというバンドでベース弾いてるトムさんの営んでいるお店で、何度か通っているうちにすっかり仲良くなり、こうしてお客さんをご紹介していただいたという次第。みなさま京都に行った際はぜひ。そして夜学バーで知ったとお伝えください。
 来客数は昨日の3分の2くらい、「数ヶ月~1年に一度くらいいらっしゃる方がたまたま重なった」ような感じ。2ヶ月に一度くらいおいでいただけるとこちらの計算(?)としては非常にありがたいのですが、僕も好きなお店がたくさんあるのでわかります、まあちょっと生活範囲から外れるともう半年か1年に一度、行けるかどうかって感じになってきますよね。いえそれでいいのです。お客の母数を増やせるようがんばります。
 まさに半年か1年に一度、来るか来ないかという方がこの日いらっしゃったのですが、僕はその方の出身地も名前も覚えております。しかしあえて口にすることはありません。そういうお客さんが実はけっこうたくさんおります。名前を呼ぶべきか、呼ばざるべきか。これはけっこう難しい問題です。僕は知っていてもあまり呼びません。名無しでいられる空間は貴重だからやすやすと崩したくはないというのが主たる理由ですが、一方で「名を持って存在する」ことの心地よさもあります。どちらもできるよう努めているつもりですが、うまくいっておりますかどうか。

2023/6/3土

2023/6/4日 10-13まちくた

2023/6/5月 18-23のめみ

2023/6/6火

2023/6/7水

2023/6/8木 17-25j
 ここまでの期間は長野県を中心に旅しておりました。閉店が決まる前から決めていたことだったので、限られた日数なのにもったいない、さみしい、とは思いつつお休みしました。旅を中止にしなかった理由はいくつもありますが、へそ曲がりな僕のこと、「最初の驚きの熱が冷めて、それでも夜学バーに行きたいと思ってくれる人が来てくれるように」という意図もあったと思います。
 結果的に、この旅は6月以降の営業に大きな影響を及ぼし、本当に行ってよかった。当時の日記(僕の個人HPにあります、探してみてください)を読むと伏線だらけで面白い。日報にもぼちぼち書いていきます。
 女子校時代の教え子が二組。元従業員も来る。初めてのお客さんで宮沢賢治や明恵上人の本に興味を示していただいた方がいて、並べとくもんだな~。あとたぶん初めていらっしゃった方にまつわるメモで「床に座る」って書いてあったんだけど、何があったんだろう? 床に座ってたのかな。
 来客数はそれほどでもなかったものの、満席(8席)になったタイミングがあって、覗いて帰ってしまった方も。こういうとき、いろいろ考える。
 店主としては、せっかく来ていただいたのだから無理してでも入っていただくのが嬉しい。といって「じゃあ自分帰ります」と先にいた人が遠慮されるのは申し訳ない。ゴールデン街とは違うのだ。もし同じビル内に気安くハシゴできるお店があれば、いったんそこで飲んでまた戻って来るなんてこともできるのだが。あー、301(旧店舗)なんとかなんないかな。誰かお店開いてください。
 こういうときは遠慮せず入ってしまって、席がなければ誰かが立ってぎゅうぎゅうに飲む、というのが僕は好きなのですが、コロナウィルス到来以降は「それはちょっと」という雰囲気が強くなってきて、「そうしたい」と強くは言えない。まして夜学バーは未だに扉をちょっと開けたまま営業しているようなお店である。いずれにしても換気は大事。
 よって「満席みたいなんで帰ります」という方を引き止めるのは難しい。それでも「せっかく来ていただいたのに」があるので「いいですよ、入っちゃってください」と僕は言う。みんなが小さい声になってくださればほぼ問題はないはずなのだ。立ち飲みオーセンティックバー。ご理解お願いいたします。ンまァ満席になるなんてことは通常ほとんどないわけですけども。この6月は特別でした。
 ただ何度でも言います。「閉店」だからってがんばって来たという人は、「閉店」でなくともなんとか年に一度くらいはがんばって来てください。それが彩りになるのです。夜学バーの比類なき価値というのは「年に一度くる」ような人たちの数と質なのです。よろしくお願いいたします。このお店の「良さ」を作っているのはテレビの前のあなたたちです。

2023/6/9金 17-25j
 昨日よりちょっとだけお客少なめ。金曜だから爆発するということもないのが夜学バーのいいところです。安心しておいでください。いやもちろん日によりはしますが。
 名古屋市南区呼続の「街と珈琲」で紹介されて来たというお客さんが。小沢健二さんのファンらしい。僕も街珈のマスターもフリークと言っていいくらいのオザケンリスナー、なんとも小沢さんという人は人と人とをつなげますね。ありがたいことです。
 このように、「遠く遠く繋がれてる君や僕の生活」(小沢健二『ローラースケート・パーク』)とでも言いますか、東京湯島でお店をやっていながら、毎日のようにどこか別の土地とのつながりを実感できるというのは本当に素晴らしいこと。観光と無縁な売れない場末の(?)バーとしては珍しいと思います。このサイズのお店はたいていの場合「ご近所型」か「観光型」で、そうでなくばまず成り立たないのです。夜学バーは「わざわざ型」を標榜しており、近所の方々(住んでいたり働いていたり)の比率は少なめ。
「観光型」というのは、ガイドブックや雑誌に載っているような有名なお店、というくらいの意味。「あー、湯島っていったら〇〇ってお店があるね」と一般に認識されているような。「デリー」とか「シンスケ」ですかね。バーでいうと「琥珀」かな。名古屋なら「矢場とん」「味仙」「リヨン」とか。
 今だとSNSでフォロワーがたくさんいる、とかも「観光型」に含まれるかもしれない。僕なりの言葉でいえば「答え合わせ」ができるお店、ということでもある。すでにどういうお店かをだいたい知っていて、行ってみて「やっぱりそういうお店だったね」と満足できるようなのが「観光型」だと思います。もちろん「言うほど美味しくなかったね」といったのも答え合わせに含まれます。
 三保の松原からの富士山は素晴らしいらしい、と知った状態で行って、「本当だ! 素晴らしい!」と思うような。観光というのはだいたい「すでに知っているもの」を見に行くことなのであります。

 閉店を聞きつけてひさびさおいでになったお客さんが開口一番、「ジャッキーさん! 金がないなら言ってくださいよお!」笑ってしまった。ご心配ありがとうございます。そう書いたつもりはないのだが、例の「閉店のお知らせ」はそのようにも受け取られるようなものだったらしい。いやたしかに儲かってはおらんのです。ただ、儲かっていないのと「金がない」は似て非なること。
 閉店の事情は「お知らせ」をご覧あれ。夜学バーが儲からないことと夜学バーが閉店することに因果関係は特にないのですが、「儲からないと閉店する」という因果関係は一般的にあり、「夜学バーにもありえる可能性」として僕は提示したのである、たぶん。
 これ書いてる今現在は令和6年3月20日、新生夜学バーは元気に営業中。はっきり言ってさして儲からず、フツーだったら閉店を考えてもいいくらいなのですが、僕の生活はあんまりお金がかからないので、「金がない」という状況に陥りにくい、さらに僕は我慢ができてしまうので、今んとこ続けております。しかし僕が急に何人もの人間を養わねばならなくなったりしたらその限りではないかもしれない。何があるかはわからない。「儲からないので閉店する」はいつでもありうる事態なのだ。
 ではどうするかというと、「儲かる」ようにするしかない。ちょっとずつそのような流れを作ろうとはしております。若手従業員が3名、とりあえず4月には揃いそうで、彼らをどのように活かすか、観点を変えると彼らがどのように夜学バーを利用するか、というところがポイントとなってくるでしょう。うまいこと、この店の味を殺さない範囲で、もうちょっとこの店の価値観を広めていかなければならない。がんばるぞ。

 夢破れて山河あり。あるお客さんが「会社をたたんで故郷に帰るかもしれない」と。その後お目にかからないのでどうなったかはつゆ知らぬけれども、「儲からない」とはそういうことでもあるのだ。

2023/6/10土 15-17まちくた、-25j
 まちくたさんには遊び場であり学び舎でもある(はずの)夜学バーが急になくなって申し訳ない。「大学受験のために夜学バーは存在しないほうがいい」とも思わないではないが、存在していることの良い面をこそ考えたい。12月には復活したので最後の数カ月は並走できた。個人的には良かったと思っている。
 17時までのまちくた時間にもお客が2名ほど。その後も「国立のお店を通じて知って」とか「新潟で勧められて」などさまざまな方面から。元従業員も2名。このあたりで「あの子は来てくれないな~どうしたんだろ」と思い浮かべていた元従業員がいたのだが、この時点ですでに亡くなっていたと秋ごろ知る。
 Twitterでけっこう前から相互フォローだった人とか、Twitterでたまたま見かけてとか、やはりTwitterというものは夜学バーと相性がいいような気がする。何がって、たぶん距離感なのだろう。インスタは距離感が近すぎる。ツイッターは程よい距離からずっと眺めていられるような感じがある。いや、人によっては逆に思うこともあるんだろうか。
 通りすがりで「夜学」という言葉が気になって来ました、というご老人も。うれしいな。ところで復活後はこのような「通りすがり」のお客さんがやや増えた気がするのだが、看板を変えたからだろうか。不思議だ。四階である時点で入りにくいのだから、もっともっと入りやすそうにしてもいいのかもしれない。
 近所のお店で働く若い女の子。僕の書いた『あたらよのスタディ・バー』を読んで感動してくださった。詩情と散文的意味のバランスが非常に良くて気に入っている本です。うれしい。しつこいようですが、年に一度くらいおいでいただいて、何かのチューニングにしていただけると幸いであります。

2023/6/11日 10-13まちくた、13-25j
 13時までに4名ほど来客あった模様。未成人のときは必ず大人が付き添っていたが、18歳になってからは一人になる時間も増えてきている。
 ところで夜学バーには「親を連れて来る」というパターンがたまにある。未成年が保護者と来る、のではなくて、成人が親を連れてくる。今回は親子揃って中村一義のファンだとのことで、この日近所の神田明神ホールでライブがあったのだ。
 曳舟にある某店のお客さんや、たまたまそこの店主さんたちもいらっしゃる。女子校時代の生徒も来る。高校生も来る。芸術幼稚園まわりの旧友(?)も来る。初めてのお客さんも複数。これぞ夜学バー!という、ごった煮の空間。
 15歳でホームページをつくったとき、「ごった煮」ということをすごく意識した。テーマを絞りたくはなかったし、中学の友達も高校の友だちも部活関係の人も、ネットの友達もみんな同じ一つの場に来て、溶け合ったり掛け合ったりしてほしかった。それで掲示板やチャットの名前には「mix」という単語を入れていた。
 結局はそのころとやりたいことは同じなのである。また思想も同じだ。中学の友達と高校の友達の間に差などない。みんな仲良くしてもいいし、しなくてもいい。こうやっていろんな人たちがいて、それでも場が場として成立しているさまを実感するとき、「これだ」と僕は思う。平和みたいなもんはこういう時間の積み重ねでしかない。

2023/6/12月 2030-2830のめみ

2023/6/13火 17-25j
 夜学バーを始める前は「尾崎教育研究所(おざ研)」という闇バーを西新宿で運営していた。その合間は主に新宿中央公園で「ランタンzone」という野外バー(?)をやっていた。そこにほとんど唯一飛び入りでやってきた女の子、細く長く仲良くしてるんだけどしばらく海外にいて、帰国したのもあって来てくれたみたい。
 ランタンzoneというのは公園の一角にランタンをともして、それを囲んで酒を飲むという殺風景なお店(?)だったんだけど、そんなところに「ネットで見かけた」とやってくる度胸はすごい。そしてその後の彼女の活躍を見ているとさもありなんというか、自分の誇りとしては「こういう面白い人間が寄ってくるような場を昔からやれていて偉い」。こういう実感は「終わりに近づいているな」という感慨もくれる。あと半月ちょっとだ。
 別れを惜しみにやってきてくれる人多数。この時点では現店舗(401号室)が借りられるかどうかはわかっていなかった。書類は出したが審査がなかなか降りなかったのだ(ゴーが出たのはたしか6月29日くらいだったと思う)。
 確定はしていないとはいえ「移転」を考えているのにネット上では「閉店」と書いていて、それは嘘でないのだが「閉店詐欺」ではあるし実際僕もそう自白していた、お店の中では。その意図は「閉店のお知らせ」という文章に埋め込んだし、何よりもその文章を読んでもらうために「閉店」というパワーワードは絶対に必要だったのだ。ざわついてほしいから。
 わざわざ足を運んでくれた人には「復活する場所を探している」「まだ確定していないが目星はつけている」等と素直に話していた。騙したいわけではないのだ。ときには「実は上の階を申し込んでいる」と笑い話のように言うこともあった。反応はだいたい「そりゃケッサクだ」という上々なもの。しかしそうでもない場合もあった。
 この日に来ていた人かその関係者(間違いなくそうである)がTwitter(現X)に、この「閉店詐欺」についてけっこうネガティブなことを書いているのを見た。閉店ともなれば色んな人が来る。僕が話題を誤ってしまったのだ。すっかり嫌になってしまった。僕は6年間かけて夜学バーというこのお店を「そういうことのないような」お店に育て上げてきたつもりで、実際そのはずだったのだが、やはり「閉店」ともなればグラついてしまう。まだまだその程度の強度でしかなかったわけだ。
 先の「おざ研」も、誰にも何も言われないで3年弱のあいだ楽しく運営していたのだが、いざ閉店ということになったらその寸前にまたTwitter(現X)において「サブカル隠れ家バー」という屈辱的な形容を受けてしまった。「頼むから有終の美を飾らせてくれよ!」と強く憤慨したものだ。ちなみに閉店理由は「最初から3年弱で取り壊されることがわかっていた物件だったから」というもので、まったく遺恨なく終わるはずだったのに。最終日には財布盗まれたし(実話)。
 この先は「4階を借りるかも」と明かすことにはより慎重になったと思う。悲しいが、とても大切なことだ。復活するからには濁らせてはならない。

2023/6/14水 17-25j
 この日は、何が起こったのであろう? お客はたったの4名であった。普段ならこんなことはザラにあるというか、むしろ「4人も来てくれた、よかった」と思うくらいのものだ。しかしここしばらくの盛況を踏まえると「何が起きた?」というくらい静かだった。
 最初のお客さんがお帰りになってしばらくいっさい来客なく、内心焦りながら突っ立ってたら見かけない顔が入店してきた。座るなりずっとニヤニヤしている。どうやら知り合いのようだが、まったく思い出せない。「わかんない?」というような顔で見てくる。わからない。体感30分か1時間くらい経って、少しずつ繰り出されるヒントから「まさか……」と思い当たる人物がいた。そのまさかであった。
 高校1年生、演劇部の地区大会の日。実行委員をやっていた僕はたしか舞台袖に座って待機していて、一緒にいたのがその男だった。ぽつぽつと話すうちになんとなく仲良くなった。あまりよく覚えていないがお互いに感じるところがあったのだろう、たぶん急激に接近した。それからは悪友である。お互いに高く評価しつつ、欠点もよく見えていた。向こうからしたら僕の気に入らない部分は本当に気に入らなかったのだろう。大学の途中くらいからほとんど没交渉になって、それから18年くらい会っていない。少なくとも記憶には残っていない。
 彼の芝居(脚本・演出)の才能には心から惚れ込んでいたし、友達としても好きだったのだがともかく自分は、いや我々は未熟であった。こうしてまた会えるまで約18年という歳月と、さらに「閉店」という追い風も必要となったのだ。
「閉店するから来たの? ってか店やってることなんで知ってたの?」素朴な疑問である。答えは明瞭であった。「俺、一応ジャッキーのホームページの読者だからね」
 毎日覗きにきているというわけではないだろうが、たぶん数年に一度でも、「ジャッキーまだホームページやってんのかな」みたいなノリで見に来てたのだろう。泣かせる。元彼かよ。
 こうしてまた会えるのは、つまり僕がホームページを続けているからだし、おそらくそこに書いてあることが「相変わらず」でありつつも「成熟している」からでもあろうと僕は勝手に思う。「相変わらず」だけだったらまたムカついてしまうかもしれない。
 そしてまた「お店」をやっているというのも大きい。行けばいるのだ。自分のタイミングで再会できる。僕はそれをただ待ち続けている。これを読んでいる人で、「しばらく会ってないな」と思ったら、ぜひ検討してみてください。
 彼とはこの日二人で数時間語らい、その後また何度か会っている。
 以前このあたりにお住まいで、いまは埼玉の本庄に帰っているお客さんが見えた。忘れずに来てくれるのは本当に嬉しい。また11日にはじめておいでになった方がたった3日でリピートしてくださった。どちらの日も甘酒を召し上がった。人数はふるわぬまでも、素晴らしい夜であった。

2023/6/15木 17-25j
 忙しい、あるいは「必要」の問題によって「好きだけどなかなか行けない」と日ごろ思っている人たちも、「閉店だよ」と言われれば無理して来てくれる。理由(口実)ができるから。僕は夜学バーは日常の中に会ってこそだと思っているので「口実」など必要としない空間にしておきたいのだが、それでもたまにこういうお祭りがあるのはいい。久しぶりに会える人、こういう機会でもなければ会うこともないような人たちと顔を合わせられるのは幸いである。
 女子校勤務時代の教え子で、夜学バーの従業員も務めてくれた子が友達を連れてきてくれた。ある女の子が配偶者を連れてきてくれた。ある会社の同期二人が同僚を連れてきてくれた。「もうなくなるからこの(自分の好きな)お店のことを見ておいてほしい」という気持ちもきっとあるのだろう、たぶん。
 僕が教えていた中学校と同じ附属高校に通っていた生徒(わかりにくいが、僕は中学の先生だったが彼は高校から入学したので学校の中での接点は皆無だが、教え子を通じて知り合った)が初めて来てくれたり(この近くのメイドバーにはけっこう通っているようなのですがね!)、大学の先生(夜学のお客さん)を通じて知ったという学生の方、二度目の女の人(×2)など「終わりを思わせる」お客さんと「続きを感じさせる」お客さんとがバランスよく。もうすぐ新シリーズって感じ。

2023/6/16金 17-25j
 6月はとにかくお客さんが多かった。6月に初めて来て、6月の中で2度3度リピートしてくれた人ってのもけっこういる。きっと気に入ってくれたってことなのだろうけれども、現在(2024年3月末)復活して4ヶ月が経ってその方々の多くはたぶんいらっしゃっていない。来てよ。本当に。お願いですから。せっかく出会ったのですから。そのままでは「滅びだけを愛した人間」になってしまいますから!
 いえ、「行きたいけどいろいろ事情があって」ということなのだと思います。「なぜかわからないがなんとなく気後れする」「行く理由(口実)がない」といったこともあるでしょう。困ったら「ジャッキーさんが喜ぶから行くか~」とでも思ってください。「喜んでもらえる自信がないから行かないんですよ!」とお思いかもしれませんが、そんなときは最後の手段、お金のことを考えましょう……。お金を払うんだからその額のぶんくらいは喜んでもらえるだろう、と……。なんかさみしい感じがしますし、「なんで自分はジャッキーさんという人間に意味もなく金を運んでいるんだ?」と疑問も湧くでしょうが、とりあえずそう割り切って行ってみたら「なんかお金の問題とかじゃなかったな」とあとでなるもんですから。心の嘘も方便で。
 この日は初めて、あるいは6月新規(悪い意味で使っているのではありません)の方もけっこういたし、「たまに来る」方々(夜学バーのメイン層)がわりに集中した感じでもある。夜学バー先発レギュラーの子も顔を出してくれた。本当にいろいろな人が一堂に会するわけだが、我ながら治安と言うか、バランスがそれなりに保たれて素晴らしい。色んな意味で「積み重ね」が効いている。「いろいろな人」とは言っても、本当にヤベー奴は本当に少ないのだ。6年間の努力が実を結んでいる。有終の美(予定)まであと2週間!

2023/6/17土 15-17まちくた、-25j
 2019年10月に茨城県立並木中等教育学校にて行われた「芸術幼稚園」17回は僕が担当した。事実上それが最終回になったらしい。「お店やさんごっこ」として教室内に疑似バーを作りいわゆるワークショップのようなことをした。そこに参加していた当時中3(たぶん)だった人が大学に入って、お店に来てくれた。これほど嬉しいことがあるだろうか。「種をまく」なんて言い方は偉そうで、「水をやる」ってのも上から目線。農薬くらいのもんだと思う。いろんなところに撒き散らしている。
 近所でメイドとして働く若い女の子。僕の書いた文章をよく褒めてくれて、『あたらよのスタディ・バー』なんかはものすごく気に入ってくれたらしい。僕も近年つくったものではあれが一番好きだ。もう在庫もないから電子化でもするか。

 飲食店の場合、「このくらいの時間いるならこのくらいの注文はするべき」みたいな不文律を人はそれぞれ持っている。「律」なのに「それぞれ」なので軋轢が生まれる。
「これだけのものを享受したのだから然るべき対価を払うべき」というふうに考えるのは自然といえば自然で、ただ「誰がそれを決めるのか」というので揉めるときには揉める。また対価は貨幣でのみ支払われるべきと思う人と、そうでもない人がいるのも難しい。
 夜学バーは閉店寸前でたくさんの来客がある。そこへ初めて来た二人連れのお客さんが、やすいお酒を一杯だけ頼んで何時間もいて、最後は「お水ください」と水飲んで帰宅する。ふだんならいざ知らず満席で入れない人も出るかもしれないというときなので、常識的に考えたら「それはちょっと」であろう。
 しかし夜学バーという不思議なお店は「この状況でその時間いるなら相応の金額を支払うべきだ」とは単純にはならない。「この人たちがここにいるのはなぜだろう?」とまず考える。想像するに「夜学バーというお店が閉店するみたいだから、なくなる前に実績解除(行ったという事実を作る)しておこう。とりあえずここでしか飲めなさそうなメニューを頼もう。フー、目的は達成したのであとはカフェがわりに、座って友達としゃべれっていこう。喉が乾いたので水をもらおう、タダだし」というくらいのことなのだと思われる。(むろん僕には想像もつかない理由があるかもしれないので、これは単にシミュレーションとして言っている。その人たちを責めるつもりも断罪するつもりも一切ない。公安だったかもしれないし、僕の生き別れのきょうだいたちだったかもしれない。)
 仮にそうだとしてそれを「ダメだ」と言う気は毛頭ない。夜学バーの仕事は、そういうシチュエーションをも「学び」の中へ放り込んでいくことなのだ。それに成功したとは言い難い。正直言って普段ならばもうちょっと上手にやれただろう。いまはオペレーションが忙しすぎるし、空間に人も多すぎる。
 だからこそその人たちにはまた来てほしい。金額の問題ではない。僕も彼女らもいまいち「学び」を得られなかった気がするのだ。

 女子校勤務時代の生徒が二人来てくれた。3ヶ月くらいしか教えてないのに仲良しである。一学期の終わりに引っ越しちゃった元クラスメイト、みたいな感じか。20歳くらいの頃にmixiを通じて(正確にはマイミクの友達で、その後マイミクになった)知り合った人も。古い付き合いのお客さんも新しいお客さんもバランスよくやってくる。僕はずっとそんなお店がやりたいのである。夜学バーはわりあいそうなっているから幸いだ。
 1月ごろ日報に「アル中サーガ」として言及し続けていた方がひさびさにおいでになった。僕は彼のことがとても好きで、ここに書くことにも大きな意義を(自他ともに)見出しているので、御本人には申し訳ないがこのシリーズはまだまだ続く。2024年3月下旬の日報にも書かれるはずなのでお楽しみに。
 彼はアル中極まり休職し、北海道のずいぶんな田舎に帰っていた。今回は用事があって久々に東京に来たらしい。それまでの4ヶ月ほど一滴もお酒を飲んでいないという。そしてこのたび、彼はお酒を飲んでいた。いわゆる「スリップ」というのであろう。乞われて僕もお酒を出した。かつてこのお店に通っていた方(トルコロックさんという)をアル中で亡くしてしまった過去があるので、「これでお別れか」としんみりしながら杯を交わした。
 相変わらず知的で、故郷にいるときもずっと読書をして、散歩をして、銭湯に行って豊かに暮らしているとのこと。このあと彼はどうなるのか、次回にご期待ください。


2023/6/18日 10-13まちくた、2230-25j

2023/6/19月 18-23のめみ

2023/6/20火 17-25j

2023/6/21水 17-25j

2023/6/22木 17-25j

2023/6/23金 17-25j

2023/6/24土 15-17まちくた、-25j

2023/6/25日 10-13まちくた、柿、17-25j

2023/6/26月 2030-2830のめみ

2023/6/27火 17-25j

2023/6/28水 17-25j

2023/6/29木 17-25j

2023/6/30金 17-24j→7/1土

 いちばん上へ ジャーナル 2022年前半 2023年前半 2023年12月 TOP