文責は尾崎(Jacky)。夜学バー日録。
2021年後半(7月〜12月)

ジャーナル 2021 年前半 2021年後半 2022年前半 TOP

2021/07/01木 16−19自習
 母娘による来店。家族ならではの掛け合いが楽しい。なぜか佐良直美のレコードが置いてあるのに反応してくださったのはこのお母さんが初めてである。しかもどういうわけだがやたら佐良直美に詳しかった。『世界は二人のために』を流したら、イントロ数秒で「あ、これこれ」と仰る。すごい。
 なぜ佐良直美のレコードがあるのかというと、通学路にある古道具屋の軒先に「ご自由にどうぞ」と、森山良子のレコードとともに並べられていたから。再生機も一応あります。もっと音がいいのが欲しいけど。
 佐良直美やあいざき進也の話などをしていたからか、かわいいぼくだけど実年齢より10歳くらい上に思われていたらしい。小学校低学年のとき、担任の先生から「あなた歳をごまかしていない?」と言われたのをよく覚えている。身長は前から1〜3番くらいだったのに。

2021/07/02金 16−19自習
  自習のテーマは人それぞれ。ある年わかき女性は「わたしの考えた最強の喫茶店」の構想を練っていた。僕も協力というほどではないが意見を言ったりなど。実現したら面白いな。いろんな過程に(継続的に)立ち会えるというのが、こういうお店の楽しいところだと思います。

2021/07/03土 16−19自習
 テレワーク需要と帰り道ワンクッション需要。自習の需要はそれなりにあると思ったのだが、だいたい1日に2名くらいしかいらっしゃらない。外したと見るか、このくらいがちょうどいいと見るべきか。いずれにしても、しばらく続けないと定着はしないので、もうちょっとやってみて様子を見るかもしれません。

2021/07/04日 16−19自習
 先週日曜にたまたまいらっしゃった方が再来店。有言実行とても嬉しいです。「また来ます」と仰って帰る方の8割くらいは再会が叶いませんので(僕調べ)。わさびの効いたかんぴょう巻きをいただきました。

2021/07/05月 16−19自習
 女子2名。やはり2名である。なんと、5日連続2名でありました。
2021/07/08木 16−19自習
 と思ったら今度は1名。緊急事態宣言発令前最後の営業日となりました。「最近は若い人が少なくなりましたね」という意味のことを言われた。この方が前回いらっしゃった時には、確かに彼より年上のお客が一人いただけだった。その前は「若い人」が何人かいたはず。さらにその前は僕と同年代くらいの方が一人いただけだった。
 実際はどうか。この自習期間(6月24日〜7月8日までの僕の担当日11日間)を振り返ってみよう。カッコ外は累計で、カッコ内は実数です。10代が3(2)名、20代と見られる方が13(8)名、30代以上と見られる方が11(7)名。そのうち男性と見られる方が12(8)名、女性と見られる方が15(9)名でした。少なくともこの「自習」期間に限れば、「若い女性」が夜学バーのメイン客層だったわけです。あらふしぎ。
 ではなぜ、彼の実感はこの実像とずれたのであろうか。僕のデータによると、この期間中に彼が来店した4回のうち3回は、30代以上の男性と見られる方しか来店していない日だったのである。なんという偏り! つまり、マア単なる偶然ではありましょうが、少なくともこの11日間については、「男性ばかり来る日」と「女性ばかり来る日」があったということ。面白いですね。なんとなく、世の中というのはある程度属性ごとにまとまって動くということを、信じたくもなってきます。
 ちなみに11日中、男性しか来店しなかった日は4日間、女性しか来店しなかった日は4日間。どちらもいらっしゃった日は3日間。混合の日の客数はそれぞれ、3名、6名、4名。2名以下だった日はすべて男性のみまたは女性のみ。「5日連続2名」の内訳は「女女男男女」。0名の日はありませんでした。
 平均客数が2〜3名で、母数がごく少ないため統計としての意味は特に持たないでしょうが、なんとなく面白いですね。

2021/07/20火 16−20自習
 グランドスラム(お客なし)。なんとなくそんな気がしていたので、片付けなどに精を出す。
 お店としては12日ぶりの営業ですが、その間に「平成のジャッキーさん展」という珍妙な催しを行っておりました。そのことは僕が高校1年生からやっている個人ホームページに書いています。ご興味のある方は探してみてくださいませ。

2021/07/22木 16−20自習
 6月24日から始めた「自習」という試みを、引き続き行っております。詳しくはトップページの「最新情報」をご覧くださいませ。かんたんにいえば、木戸銭(入場料)だけいつも通りいただいて、持ち込みOKで注文はしなくてもよい(してもよい)という決まりにしています。4年以上もお店やってたらたまにはお店じゃないようなこともやりたくなるのです。けっこう独特の空気で面白いと思うので、よろしければ。自習じゃない日もたまにあるのでご注意を。

 高校生の頃から来てくれている大学生が「今日、初めてここで高校生に会いました、高校生ほかにもいるって言ってたのウソだと思ってました」と。
 夜学バーは「所属」や「常連」という概念を存在させないようにしているし、そもそもお客というものは「ある時期にはけっこう来るけれども、ある時期にはあんまり来ない」のが自然なこと。ゆえにこの「いる」という発言の真偽判定は難しい。が、事実……というか実感としては、2017年4月の開店から今にいたるまで小中高生は常に「いる」。最初期は僕が高校の先生を掛け持ちしていて、間もなく辞めたので、生徒たちがたびたびやってきていた。彼女たちが高校を卒業してからも、どこから見つけてくれたのかわからない謎の高校生や、僕を呼んで「お店やさんごっこ」をやらせた学校の生徒、友達やお客さんの子供、上京したての高校4年生などなどが一人でやってくることがけっこうあった。いろんなルートでいろんな子どもたちがやってきてくれる。
 しかし、全体から見ればその数はかなり少なく、「小中高生がたまたま小中高生と出会う」タイミングはまれである。まれではあるが、たま~にある。最近はなぜか若い人が多いので、十代が複数という状況もちょこちょこ。
 話はずれるがなぜ若い人が(相対的に)多いのかというと、お酒を出していない(出せた時期も少しあったが)というのと、時短営業していること、そして、いきなり暑くなったからだと思う。大人は天候に左右される生き物なのである。暑さに慣れてきたころにはもうちょっと増えてくるはず。

 今日はほかに、先日たまたま通りかかってインしてくださった方がコーラと生クリーム持っておいでになったり、昔の教え子がきてくれたり。いろんなルートの人がいる、というのが本当に大事だと思う。なんとか維持していきたいので、みなさまご協力ください。こっそりと宣伝をお願いいたします。いろんなルートで。

2021/07/23金 16−20自習
 トップページの「エッセイ11」(将来的には別ページに移動します)にも書いてあることなのですが、この「自習」という取り組みは僕がかつて開いていた「尾崎教育研究所(おざ研)」という変なお店のシステムとかなり近いものです。偶然、今日のお客のうち初めのお二人は「おざ研」時代からのお客さんだった。積もる話や想い出話……には、あんまりならない。なるパターンもあるけど、あんまりなりません。そのほうが良さそうならそうなるし、そうでもなければそうならない。そのような感じを望ましく考えております。
 その後もぽつぽつお客あり。オリンピックの開会式がちょうど始まる時間に閉店。やはりここ数日は、小山田圭吾さんとか、小林賢太郎さんとか、オリンピックに関する話題がそれなりに出た。明日からはどうだろう。開会式を境に、たぶんガラッといろいろ変わる。

2021/07/24土 11−16自習
 珍しく(まあまあ珍しいです)遅刻してしまった。急いで駆けつけると、日陰で本読んで待っていてくださった若人がひとり。ありがたいことです。申し訳ありませんでした。
 続いて、吉池(御徒町駅前にある鮮魚が目玉のスーパー)のお寿司を買ってきた方。「ちょっといいパック寿司買って食べる場所があるのは非常にありがたい」というようなお言葉をいただいた。ちなみに普段の営業でも何か持ってきて食べていただくのは、一言断っていただければ問題なければ問題ありません、フードごく貧弱ですので……。インスタントお味噌汁のお湯もご提供いたします。食べ終わったあとはパソコン広げてお仕事しながら、気ままに四方山、話していらっしゃった。このように上手に利用していただけると「自習」を催している甲斐があるというもの。
 途中でコンビニ行ったりするのも問題ありません。今日は3名のお客中、おふたりが途中でちょっと退出しておいででした。そういう感じでいいのです。自習の内には自由が含まれているのです。木戸銭ははじめにお支払いいただくので、無銭飲食はできません。

 閉店するころ、若人と少しお話。詳しく書くと僕の「手の内」を明かしすぎてしまうような内容になるので伏せますが、つまり彼は僕の「手の内」に踏み込んできたわけである。ものすごく簡単にいえば、彼がこのお店にくる理由の一つは、僕がどのように営業中の空間を調整しているかを見るためだという。
 この文章をお読みになるような方ならわかっておられるか、想像していただけると思うのですが、僕はずいぶんいろんなことを考えながらお店に立っている。うまくいくときもあればそうでもないときもあるけど、悪い空間にならないようあれこれ常に調整している。エアコンの温度とかそういうことでもあるし、本の並べ方とかでもあるし、何よりも彼が注目してくれているのはカウンター内でのふるまいだろう。一挙手一投足で場は変わる。立ち位置や視線、間、果ては呼吸まで意識していないと、思わぬ色に染まってしまう。よく見て聞いて考えて動き、話す。お店を作るのは遊び的ゲージツとしてやっているつもりだけど、お店に立つのは職人のようなものだと不遜ながら思います。腕がいいといえるほどではなく、駆け出しの。それで日々わざを磨いている。そういうところに気づいてもらえるのは実に嬉しい。がんばろーと思いました。まる。。。
 。。。。。
 。。。。。
 ↑よくわからない人は「ちょこっとLOVE」で検索~。

2021/07/25日 11−16自習j→16−20自習のめみ
 知らない人がきても知っている人がきても、さして様子を変えない「平熱精神」を意識している。「自習」の場合もそのようにしていたら、ちょっとした問題が発生。
 自習において木戸銭(入場料)は、入店時にカウンター上の箱の中にぴょん、と入れてもらうことにしている。このたび、おそらく初来店であろうお客さんがその中へ1000円をぴょん、と入れてくださった。その時にハッと思った。あれ、いま1000円入れてもらったけど、もしこの人が「奨学生」として認定される人であれば、それは頂きすぎだな?
 実際、その方は奨学生として認定され得るとすぐに予想できた。ならば木戸銭は500円でよい。その場で「おやおや、あなたは奨学生という、木戸銭がちょっと安くなる対象に当てはまりそうですね、お年と身分と経済状況を教えてくださいますか」といったふうに尋ねればよかったのかもしれない。しかしそうはしなかった。不躾という気がしたのである。

 僕がなぜ、初対面だろうが幼馴染だろうができるだけ顔色を変えぬ「平熱精神」を心がける(もちろんけっこう驚いた場合は無理をせず「おおっ」とか言うし、反応したほうが意義ありと判断すれば反応するが)のかといえば、「相手にどんな事情があるかわからない」から。相手がどんな事情を背負って、抱いて、どんな気持ちでやってきているかわからない以上、相手の属性や相手とのこれまでの関係のみによって態度を決定するのは、「相手を見ていない」ことの証明となる。
 親友だからといって、姿を見かけた瞬間に「ウェーイ!」とか言って頭をはたいていいわけではない。いや、そういうことが許される関係というのもあるのだが、「親しき仲にも礼儀あり」とも言う。

 そういうわけで、「この人は奨学生である」と、いきなり勝手に判断するのは性急で、もしかしたら非礼なこと。通常営業においてもそうである。夜学バーでは原則、奨学生か否かをコースターの種類で区別するが、初めての方にはまず一般用のコースターを出すのが基本。しかるのち、会話の中で「奨学生」とされる要件と意思を確認して、コースターを取っ替える、というような流れになることが多い。
 ただ、すでに奨学生とされている人が同級生や後輩を連れてきたような場合は、こちらで判断して奨学生用のコースターを出すこともある。また明らかに幼い人で、注文の品を出すまでにある程度の交流が成立している場合も同様にする。この辺は臨機応変、つまり適当。様子を見て決めている、というだけなのだ。実のところ。

 自習の場合、交流ほぼゼロの段階でお金を払ってもらうことになるため、上記のような「確認」の暇がいっさいない。
 普段は、席に座ってもらって、おしぼりを渡して、注文を聞いて、品物を出す間に、「この人にはどっちのコースターで出すか?」を判断している。判断がつかない場合は、まず一般用のコースターを出す。そして「交流」(これは会話に限らない)を重ねていく中で確認する。あるいは会計の際に「奨学制度というのがありますが」と切り出してみたりする。そういうことが「自習」では行いにくいわけである。

 長い時間が経って、その人が少なくとも「奨学生」、あるいはそれよりも木戸銭の安い「特待生」(そんな言葉はこれまで使ったこともないが、わかりやすいので今日はそう呼ぶ)として認められ得るという確信を得た。しかし、もしも当人が「いえ、私は一般がいいです」と言ったら、一般として扱うのもまた礼儀なのである。そういう中高生もたまにいる。子供扱いしてくれるな、うちは実家が太いんだ、というわけである。しかもお金はすでに箱の中、わざわざ引っ張り出して返金するのも間が悪く、また無礼な気もする。
 とはいえ普通に考えたら若ければ若いほどお金はない。帰り際に「ところで、奨学制度というのがありまして」と切り出す予定だったのだが、自習の場合は会計もしないので、タイミングが難しい。逸してしまった。というか、忘れていた。しまった! ぜひまたおいでください。


 自習という言葉を掲げているため、勉強や仕事をしたり本を読んだりする方は割といらっしゃる。どの程度「お話」をするかは難しい。別に無理してでも話しかけるぞという態度のお店では元々ないので何もなければ黙っているのだが、それにしても人のいるところに来るからには、そこに人のいることに意味を求めていらっしゃるのは間違いないはず。ただそれが「話す」ということへの期待なのかといえば、必ずしもそうではない。そこはきっと「まだら」なのである。一つの色や言葉で表せるような「期待」ではなくて、もっと曖昧でよく言えば詩的なような。
 明確な答えを求めても、夜学バーには用意がない。明確でない「用意」ならたくさんあるのだが、それをいつ出すべきか、また出さざるかの判断が難しい。自習に限らず、こういうお店をやるというのは、この葛藤の時間である。

【のめみ記】
 Jackyさんもすなる自習といふものをのめみもしてみむとてするなり。
 Jackyさんタイム(Jackyさんがお店へ立っていた時間)からいらした方が2名。続いてもう1名。聞くところによると、Jackyさんタイム中に書店へお出かけなさり、本を購入して戻ってきたとのこと。
 自習営業中は途中退出をされる方が多いように感じます。飲食物の買い出しの場合が多いかと思いますが、そういった余地、退出しやすい雰囲気のようなものがあるかもしれません。確かに、授業中にお手洗いに立ち上がるのは何となく気が引けますが、自習中だと比較的やりやすいこともあるでしょう。なんとなくその感覚に近い気がします。

2021/07/26月 18−20のめみ
【のめみ記】
 グランドスラム(お客なし)。ネーポンソーダを飲んだり、ネーポンソーダを飲んだり。たりたり。

2021/07/27火 16−20自習
 16時にf氏と交代。「ジャッキーさん(僕=店主)以外の人も日報を書いていいのなら、書きたい」と申し出あり、メール等で送ってもらうことに。以前も「書きたい」と言ってくれた人はいたのだが、実現しなかったので、今回(25日〜)が初めてである。
 8月(以降)の夜学バーについて会議するなど。高校生いろいろ意見やコメントなどくださってありがたい。彼女のように「塾利用」してくれる人が増えるようアピールしていきたいが、あまりやりすぎると変な色が出てしまうので、「本当は子供が行ってはいけないのではないか」的な雰囲気は残しておきたい。どう頑張っても立地的にも建物的にも、そうキャッチーにはならないのが良いんだか悪いんだか。

「自習」(6月末から試している持ち込み式の営業)と称してお店を開けるのには不安があった。人は来るだろうか、来たとして良いと思ってもらえるだろうか、わかりにくすぎて新規の人はむしろ来づらいのではないかと。やってみると、初めての方や久しぶりの方も多く、夏休みということもあって思ったよりは来店がある。ドリンクを作らないので常に距離を保てるし、混むほどではないので常時換気していても暑くない。お酒がそもそも出ないので声も大きくなりにくい。今回の緊急事態宣言にはけっこうマッチした形式なのではという気がする。お酒が持ち込めると無限に飲んでしまえるので、酒類の提供をしない時期にこそ自習は活きる。

2021/07/29木 16−20自習
 僕は放送大学に通算11年在籍しており、母は放送大学卒業生である。そんなこともあってか放送大学在学生、卒業生の方がお越しになることもある。願書も置いてます。10月入学受付中です。(まわしもの)

2021/07/31土 16−20自習
 16時台に博物館帰りの父娘。わざわざ寄ってくださって有り難いことです。漫画英才教育が進んでおり、すでにあれもこれも読んだという。行く末が楽しみ。

2021/08/03火 17−19自習 のめみ
【のめみ記】
 グランドスラム(お客なし)。瓶コーラをそのまま飲んだり、文章を書いたり。たりたり。

2021/08/05木 15−20自習
 15時台にお一人と、後半にもう一人。最近は飛び石でお店を開けていても、だいたい1〜3名くらい。こんなところでよろしかろう。
 学生の人がいま興味を持っていることと、いま僕の興味を持っていることがかなり重なっていることがわかった。実際、彼が紹介してくれた本に書いてあることと、いま僕が読んでいる本の中に書いていることが、かなりの程度重なっているようだ。個人と責任の時代は終わりつつある(といいな)。

2021/08/07土 9−20自習(のjf)
 7月27日にたまたま3人で雑談していて「自習の日」をやろうという話に。ちょうど「新規陽性者数」急増の折だったので迷ったが、その場に居合わせた高校生が「私はきます」と言うので、一人でもお客があるならと広報控えめにして実施してみた。
 告知文を転載。

●8月7日(土)自習の日
9時〜20時まで「自習」形式にて営業

・木戸銭1000円(1日通し料金、当日入退場自由)
・ソフトドリンク、食べもの持ち込み可
・通常メニュー(お酒を除く)あり、注文時に会計
・担当者編成の都合上6部に分かれていますが、いつでも自由に出入りして構いません。もちろん各時間の中途でも

【時間割と担当者(自習監督者)】
1時間目 9時00分〜10時30分
 
のめみ「モーニングあります」
2時間目 10時45分〜12時15分
 j「詩と詩情のこと」
3時間目 13時00分〜14時30分
 f「演劇」(仮)
4時間目 14時45分〜16時15分
 j「友情と夏休みについて」
5時間目 16時30分〜18時00分
 f「日記」(仮)
6時間目 18時15分〜19時45分
 のめみ「早押し機あります」
完全下校 20時00分

※休憩時間は、前の時間の担当者が対応します。
※「」内は担当者による一言です。当日の指針や当人の関心事など。そういうテーマの空間にしたいというわけではありません。ただ何かのきっかけやとっかかりになれば。
※所変われば品変わり、人が変われば場も変わり。授業を行うわけではありませんが、自然と各担当者の性質に応じた空間・時間になると思います。お店の雰囲気や空気感の変わる様をお楽しみいただければ幸いです。
※日々の学びの実践として、感染可能性を低くさせる工夫をお願いします。

◎のめみ氏から一言
喫茶店で注文する飲み物
第1位 ミルクセーキ
第2位 レモンスカッシュ
第3位 紅茶
であるところののめみです。実はコーヒーが飲めません。

どこに住んでいたとか、何が趣味だとか、どんな経験をしてきただとかということを文章にするのは苦手です。これだ、というものを書き連ねてしまうと、そこからあぶれたものたちをないがしろにしてしまう気がするから。ここからここまで、だなんて決まっていないのです。とはいっても、何のきっかけもなしに交流するのは難しいこともあるかもしれません。そんなときのために、あらかじめ
ホームページを作っておきました。住んだことのある場所、趣味、学生時代の部活などはそちらに書き留めているので、参考になさってください。もちろん、これは話題を限定するものではございません。

なぜ夜学バーにいるのか、ということに関してもまた、これだと決めつけられないのでうまく書けません。ここが好き、ここがとてもおもしろい、という言葉に尽きるのですが、無理矢理言い換えると、いろんな人に会いたい、ということである気がします。いろんな人を知りたい、の方が適切な表現かもしれません。
8月7日も店員になったり、お客さんになったりしようと思っています。たりたり。

 当日、僕は自分の担当時間以外はほとんど席を外していたけど、高校生は朝から晩まで11時間くらいお店にいたようだ。お客は合計4名だったけど、常に誰かはいたことになる。
 いちいちお店から出たのは、その場の人口密度を下げるためでもあるけど、何より「自分のいない場でしか起こりえない展開」のため。もちろん、自分がいるからこそ起こることもたくさんあるし、そのほうが楽しかったり実りある場合はいくらでもあろうけど、僕はいつだっているのだ。でも時に客として存在することは自分にとっても誰かにとっても良いことと思うので、人口密度を気にしないならもうちょっと居たとは思う。
 しばらく遠くに引っ越す人がお別れを告げに来てくれた。嬉しい。同じ市に旅立った夫婦も、かつて同じようにこのお店にご挨拶に来てくださったな、と思い出してしんみり。お元気かしら。

2021/08/12木 15−20自習
 しばらく遠くに暮らしていらっしゃった方が。以後は関東にいるとのこと。東京というのは、いや東京に限らず土地というのは、出ていく人もいて、やってくる人もいて、また帰ってくる人もいて、切なくて楽しくて嬉しい。土地があってよかった(何)←古
 入れ替わるように、お店にある『明日、私は誰かのカノジョ』(アスカノ)を読みにおいでの方。漫画喫茶として考えたら安いのか、高いのか。定価で買えば既刊7巻で6000円くらいになるわけだから、安いと思ってもらっていいか。自習の時は木戸銭だけで良いので。このお店にはよく見るとかなりレアだったり高かったりするものもたくさんあるので、そういう利用法もぜひ。普段はやはりあれこれお話しすることが多いが、自習と銘打ったせいか読書や勉強がしやすくなっている気がする。どっちもあるのが理想なれど、バランスは難しい。なんであれよい時間になるといいのですが。

2021/08/13金 11−16自習
 東京都の徹底点検来る。満点。コロナリーダーバッヂもらえるらしい。やったね。
 f氏がモノ取りに来る。
 その他なにもなし。実質グランドスラム(お客なし)。ただ完全試合ではなくてノーヒットノーランという感じか。
 考え事捗る。読書あまりできず。

2021/08/14土 17−20のめみ
【のめみ記】
 友人たち、夜学バーで何度かお会いした方、私とははじめましての方がいらした。夜学バーにいないときののめみをよく知っている人と知らない人が同時に存在する空間に立つのはとても難しい。居心地が悪い場所になっていなければ良いのですが。

2021/08/16月 13−18自習
 ある人(演劇経験者)と演劇の話をしていたら、ある人(演劇未経験者)がやってきた。僕は大昔から、演劇をあまり大仰なものにせず、ものすごく手軽に、簡素に、カジュアルにできるような世の中にならないかと考えてきた。それで試みに、その場でノートに脚本を書いて、3人でやってみることにした。

A 今日は天気悪くなりそうですね。
B 降りそうですね。
A あ、わーーーー。
B うわーーーー。
C やあっ。
A、B ふー。ありがとう。
C どういたしまして。

 これだけを30秒くらいで書いて、「やってみませんか」と二人に持ちかける。他に人もおらず、照れるような状況でもない。クォリティも求められない。ある程度知った仲でもあったので、さほど抵抗なく賛同していただけた、と思う。ABCの分担を決めて、一回練習し、すぐに本番。座ったまま、上半身だけちょっと動かす。10秒程度の短い芝居である。
 B役になった人にとっては、これが初舞台。こんなのを初舞台にさせて申し訳ないという気持ちもあれど、しかし、0が1になったというのは確かで、非常に意義深いと僕としては考える。僕としては、演劇とはこんなもんでいいのである。これで十分に楽しいのだから。これが1分になり、10分になり、いつか何時間と伸びていくだけなのだ。
 タイトルはどうしましょう? と問いかけると、C役の人がちょっと考えて、「晴れ、時々」と言ったので、それを採用した。とてもいいタイトルだと思う。三人いればいつでもできます。どうぞご自由に。
「初舞台」から数分経って、2名が来店。片方はよく知った人で、もう一人はその後輩。なんと現役で演劇をやっている人たち。これは、やるしかない。
 念のため様子を窺って、「そういうことをしても大丈夫か」ということを検討。と言ってあまり遅れるとノリが薄れてしまうので、やや急いで。『晴れ、時々』をゲリラ的に上演してみた。僕がA役だったので、僕がキッカケを振ったらB、Cは乗らざるを得ない。
 来たばかりの二人は驚きつつ、楽しんでくれたようだ。初来店の方は、「いい場所ですね!」と言ってくださった。それはお世辞というよりは、ボケに近い。「早っ!」というようなツッコミを誘う。うむ。
 B役の方お帰りになり、またお一人が来店。よくおいでんなる高校生の保護者。非難されるかと身構えるも、非行に走るよりはマシとお考えのようで、「娘をよろしくお願いします」と。がんばります。

 演劇をやっているお客さんが格別多いというわけではなくて、今日はたまたま。でも僕が一応やっていたことがあるので、普通のお店よりは多いのかもしれない。
 エンゲキボックスみたいな、カラオケみたいな感じで気軽に演劇が楽しめる施設があればいいなと15年くらい考えているのですが、どうでしょう? 「今日エンゲキ行こ?」みたいな。だってみんな実はけっこうやりたがってるんだもの、お芝居。歌と同じで、恥ずかしくない環境があれば、みんなやりたがると思うんだけどな。

2021/08/17火 15−19のめみ
【のめみ記】
 4月末から5月頭頃まで夜学バーにてアクセサリーを販売していた方が、私が個人的に依頼していたネーポンクリームソーダのピアスを届けにいらして下さった。クリームソーダのグッズは見かけてもネーポンクリームソーダはおそらくほぼない。もちろん彼女はクリームソーダアクセサリーも製作なさっています。

2021/08/20金 13−18
「お酒を出さない5−20時内の時短営業」がメインになって久しい。静かにやっています。僕が前にやっていたお店に来てくださっていて、夜学バーには一度も来ていなかった方が、最近複数回おいでになっている。不思議な動きがある。どんな時期にも。

2021/08/21土 15−20のめみ
 終わりがけに少し顔を出す。古い(9年くらい)友達が来てくれた。店員合わせて4名いた。昔話ではなく、一般的な話をたくさんした。きょうだいとか家族構成とかが、性格や生き方に及ぼす影響についてとか。それにまつわるエピソードとか。面白かった。
 のめみさん渡某国ゆえ、今日でひとまずお休み。初めて「働きたいです」と申し出のあった時から決まっていた。出会ってから約半年、お世話になりました。パチリ。

【のめみ記】
 2名とJacky(店主)さんの3名。蔵書の『妹の力』[J註:柳田國男ではなく畑田国男の著書]から兄弟姉妹関係の話に。私以外の3名は末っ子で、私だけ第一子長女であった。自分が何人兄弟(姉妹)の何番目であるとか、ひとりっ子だとかはやはり性格や特性に少なからず影響を及ぼしているとは思う。『妹の力』の巻末資料の年表も結構面白いので、ぜひ一度ご覧ください。
 ところでしばらくの間私は異国の地へ旅に出ます。またどこかでお会いしましょう。

2021/08/22日 15−20
 三鷹で妙な場所を運営している方が、上野に用があったからと寄ってくれた。こちら、月から土まで、だいたい日中はいつも開いているので、行ってみると良いです。尾崎に聞いたといえば怪しまれません。本当に妙な場所なので、是非とも。
 趣味のある人と趣味の話など。比較的安全に雑談できる場として存在していることには、まだ意義があるはず。雑談できる場は、たとえば去年の5月くらいに比べれば数十倍くらいに増えていると思うけど、比較的安全に、がつくと、たぶんそう多くはない。そのようにやっていきたい所存。

2021/08/24火 15−20
 どうにも仕事が捗らないので夜学バーに移動してきたという。小一時間経って終わったー! ってところでノンアルコールビールをプシュー。こちらとしましても役に立った感があって嬉しい。一方でPC開いたまま「あー仕事やる気でねー」みたいな人もいたり。それはそれで、その一言が重要だったりもするはず。

2021/08/26木 13−18
 グランドスラム(無客)。5時間何をしていたのか。新聞読んだり、コーヒーをいれて飲んだり、本読んだり、文章を書いたり、事務作業をしたり。考え事をしたり。
 ハガキが届いていた。《先日お邪魔させていただいた者です。たびたびお世話になっておりますが、この間の夜学バーは個人的にベスト回でした(沢山あります!)<中略>ジャッキーさんの「場」のつくり方にも改めて感動しました。いつもありがとうございます。》かわいいどうぶつの絵はがき。切手はドラえもん。こちらこそありがたいことです。
 差出人はペンネームで書いてあって、住所はない。どなたかは僕にはわかります。まったくの匿名でなく、すべてを明かすでなく。ちょうどいいバランスに存じます。というわけで僕のほうも、おはがきの内容を、何もわからないように引用させていただきました。うれしかったので。ついでにいい店アピール。
 夜学バーは、日によっていろんな意味でばらつきのある不定形不安定なお店で、そのせいか通ってくださる方から時おり「神回」「ベスト回」といった表現を聞くことがあります。僕もそういうばらつきのあるお店が好きです。忘れられない奇跡的な回、というのは確かにあるのです。それを目指すでもなく目指すというか、そういう確率を高めるお店づくりというのは、意識していると思います。もちろん、がっついたらうまくいかないので、むしろ無心で。環境はつくっても方向性は与えない。人事を尽くして天命を待つ感じ。そこに奇跡がきてくれる。
 葉書の追伸。《どうかお身体大切に、お過ごしください。》がんばります。

2021/08/31火 13−20
 13時過ぎに高1来る。18時過ぎに帰る。その他お客なし。考えてみれば今日は平日だったのだ。しかも夕方からは雨。普通の人は来ないですね。わざわざ31日に長丁場で開けたのは、東京では今日で夏休み終わりという学校がほとんどのはずだから。高1の子も「夏休み最後なので家にいるのが嫌で」みたいな意味のことを言っていた。その意味ではよかったが、5時間ずっと二人であれこれ話すだけの時間になった。
 ちょっと前、ある高校で非常勤講師をやっていた。夏休みは出勤しなくても良い(給料は他の月と同額出る!)のだが、わざわざ講師室の前に「この日は出校してますので用がある人はきてください」と張り紙をした。週に2、3日くらい用もないのに学校に行って、自己推薦書とか志望理由書とかを手伝ったり、たまたま来ていた生徒とただ雑談したりしていた。たぶん、僕と雑談するのを主目的として学校に来て、ついでに勉強をしていたような子もいたはず。振り返れば、学校をお店のようにしていたのだとも言える。どこにいても、やることはだいたい同じなのだ。
 9月も、夏休みに講師室で待っていたように、夜学バーはたびたび開かれ、なんの用もなく僕はボケーっと座っております。張り紙はトップページに。気をつけておいでください。
「この扉を出ると、新学期の学校へ向かう道が始まってしまう!」みたいなようなことを言いながら彼女は消えていった。8月31日の次に、9月0日があるといいのにと、今も真夜中に目を覚ます。
 ほんとのこと知りたいだけなのに夏休みはもう終わり。

2021/09/04土 12-17
 前回いらっしゃった際に教えていただいた本を「読みましたよ」とご報告。こちらもたまたま似たテーマの本を読んだので、それをお教えすると、その場で注文しておられた。経済が回っている!
 ミルクセーキを眺めながらボーッとしている方がいらっしゃったので、ボーッとしているなと思ったら、家だとボーッとできないから、ボーッとしにきた、とのこと。『死神くん』読んでお帰りになった。
 1時間黙り、5分くらいしゃべり、また1時間黙る、みたいな方もおられます。いろいろご心配なく、と言いつつ、心配するのをぐっとこらえたり、また解放したり。

2021/09/05日 15-20
 久々に東京に帰ってきた、その足でおいでくださった。1ヶ月とか、1年とか、東京を離れる方が散見される。うらやましい。そろそろ自転車で長距離走ったりしたい。峠を越えたい。(ピークスパイダーなのです。)
 昨日注文した本が「もう届きました」とのこと。

2021/09/09木 15-20
 青年コーヒーを注文し、仕事を進める。合間に話したりする。カフェっぽい。こういう時間はとてもいい。

2021/09/11土 12-17
 青年コーヒーを注文し、仕事を進める。僕も文章を書いたりなどする。そういうことが気楽にできるようになったのは、自習と銘打ったおかげ。13日から通常営業にするけど、この自習的なノリは温存していきたい。

2021/09/12日 12-17
 前のお店や前の前のお店に来てくださっていた方が、小2の娘さんを連れて。前に会ったときは赤ちゃんだったからとても感慨深かったです。壁に貼られていたMoo.念平先生の『山奥妖怪小学校』のポスターに興味を示しているようだったので、そっとカウンターの上に置いといたら、読破してくれた。『ドラえもん』も好んで読むというので、14巻を渡したら「これ読んだことある!」と、「家がだんだん遠くなる」や「からだの皮をはぐ話」などを読みながら実況してくれた。
 お帰りになったあと、まさにその『山奥妖怪小学校』を編集した久志本出版の某氏が来店、9日に発売した岸大武郎先生の『SOS!ムシムシ大作戦』を受け取る。帰ってから読んだら面白かったので、こちらも夜学バーで取り扱う所存。買ってください。『あいつ』という短編は平成元年の『ルックバック』(藤本タツキ)です。
 ウェブ上に自伝小説を連載している人に感想を求められ、伝えるなど。

2021/09/13月 12-17
 仲良し女性2名。柿二つとレモン半分使った生ジュースを初提供。気にいっていただけてよかった。抹茶もたててみた。たてるというほどのことではないけど、茶筅や懐紙を使ってそれっぽく。カジュアルお抹茶。どちらもの500えん。
 きんつばをいただいたので、反射的に「このきんつばのうまいこと!」と言ったら、「やっぱり言った!」と大騒ぎ。『ドラえもん』にあるセリフなのです。奇しくもこれも14巻(昨日参照)、「かがみでコマーシャル」という回をぜひご覧ください。「やっぱり言った!」ではなくて「このだんごだって」とこたえていただきたい、と注文をつけておいた。

2021/09/14火 12-17
 終わりがけに1名来店。ここからしばらく、「1日1名」の日が続きます。いつまで続くだろう。0という日がほとんどないのは我ながらなんだかすごい。

2021/09/16木 12-17
 1名。内容のあまりなく、真偽のどうでもいい、高度なノリだけで成立する会話が展開。僕は心地よいです。

2021/09/17金 12-17
 1名。高校の制服でやってくる(高校生とは言っていない)。女子高生がいかに最強か熱弁される。おじさん殺戮計画や男性を別の惑星に隔離する計画(個人特定を避けるため、計画の内容を少し変えています)などを熱弁される。

2021/09/18土 12-17
 1名。13日から18日まで、僕の担当日は5回連続で女性しか来店していない。お酒を出さなくなってからは男性の比率が相対的に少なくなっている気がします。明日はどうなるか。
 コーヒーと柿ジースをご提供。『SOS!ムシムシ探偵団』1冊売れる。

2021/09/19日 18-20
 おそらく初めてだと思われる若い人がやってきた。初めての時も2回目の時も、名前を聞いたり素性を確認したりほぼしないので、初めてでも2回目でも、あんまり変わらない。ゆえに、時にはわからない。いや、かなりの確率で覚えてはいるのですが、「覚えてますよ! 以前おいででしたよね!」とわざわざ言うことはない。
「一見(いちげん)は常連のように、常連は一見のように」という言葉があって、けっこう好きだ。しかし夜学バーにはそもそも「常連」という概念がない。「一見」とか「初見」という概念も特にない。その場にいる人はその場にいる人である。それだからいつも新鮮にやれる。そうでなければとっくに飽きていると思う。

2021/09/20月 14-17
 グランドスラム(お客なし)。待つ時間は豊かである。すべての可能性があるから。しかしお店をあとにした瞬間に、逆にすべての可能性が消え失せる。そして目の前にはまた別の完璧な可能性が開けている。やー、なんと素晴らしいことでしょう。

2021/09/21火 14-17
 3人のお客が黙々とリモートワーク。ししおどしのようにカコーンと時折、雑談が交わされる。連休の合間の平日。

2021/09/23木 14-17
 藤子・F・不二雄先生のご命日。お客は1人だけだったが、取材の打ち合わせに3名の方が訪れる。みなさま優しいので拙著『小学校には、バーくらいある』一冊ずつお買い上げいただいた。
 取材というのは、たぶんYouTubeに動画が上がるということになるのだと思います。商業的なものではありません。
 夜学バーというお店をどのようにアピールするか、というのは積年のテーマで、僕としては「流動的な場」ということを強調したいのだが、なかなかうまく表現できないし、スッと理解してもらえる土壌も見当たらない。僕には力不足で、時期尚早。
 やはりわかりやすいのは「ドラえもんの空き地」ということだったり、「子供にこそそういう場は必要である」ということ。この辺りを強弁していく内容になるかもしれない。
 橋本治さんの「原っぱ」論の力をまた借りる。

2021/09/24金 14-17
 グランドスラム(ノー客)。
・ほぼ毎日開けているため、お客が分散
・金曜なので、昼間は力を溜めている(みんな夜に遊ぶ)
・もうすぐ緊急事態宣言が解除されそうなので、力を溜めている
・二日連続30度超え
 お客を待ちながらいろんな事情を考えてみるのですが、実のところは「たまたま」でしょう。

2021/09/25土 14-17
 お仕事帰りの銀座経由で御来店の方と、十三についてなど熱く語る。
 17時05分くらいにお客あり。遅刻ですぞ。18時30分くらいに閉店。
 いつもより自分のことを話した。そんな必要もあります。

2021/09/26日 17-20
 日曜の夜は、睡眠のリズムの狂いがちな人たちの夜。文学の話などする。森鷗外や樋口一葉。
 以前、大学1年生のお客さんから小坂井敏晶さん(高校と大学が僕と同じ!)の『増補 責任という虚構』を教えてもらった。その関係の話をしていたら、「鷗外の『かのように』ってそういう話ですよね」と言われた。帰ってから文庫で読んでみたら、まさに。
「その無いものを有るかのように考えなくては、倫理は成り立たない。理想と云っているものはそれだ。法律の自由意志と云うものの存在しないのも、疾っくに分かっている。しかし自由意志があるかのように考えなくては、刑法が全部無意味になる。」
 小坂井先生が仰っているのもそういうことである。それにしても、僕の拙い説明を聞いてとっさにこの作品が出てくるのは素晴らしい。

2021/09/27月 14-17
 学校帰りの高校生と、初めておいでになった方。3人で営業時間を過ぎても話し続けて、暗くなってしまった。これが後、意味になればよい。せめて筋トレになればよいな。

2021/09/28火 14-17
 グランドスラムすなわちお客なし。ただ待つ。そして灯火が消えるように終わる。そんな日もある。

2021/09/30木 14-17
 緊急事態宣言の最終日。明日から夜学バーでもお酒を出すし、営業時間の範囲も1時間うしろに伸びる。
 終わるとなればさみしさもあるもので、お酒を出さない変則的な営業は一面楽しいものだった。売り上げは出ないけれども、感染リスクもあんまりない。心地はよかった。お帰りの際に「自習の期間も含めて、楽しかったですよ」と言ってくださった方も。特別である、ということはそれ自体本当に楽しい。そこだけを切り取って考える事も悪くは無い。ただ、それを前提にして先に進めたら、狂ってしまうことがある。
 16時20分東京発の新幹線に乗ると行って16時ごろに出て行った彼は、間に合っただろうか。いろいろ健闘を祈る。

2021/10/01金 15-20
 今日から都の要請が「営業5時から21時まで、酒類11時から20時まで」に。金曜の夜は混む可能性があるので営業しないでおこうと思っていたが、台風予報が出ていたのであえて20時までにしてみた。普段から「台風が近くにあると、天候とは関係なく本当にお客がこない! さみしい!」とたびたび主張しているのですが、今日もドキドキ。夕方には雨風が収まり、4名(ここ最近としては多いです)の来客に恵まれた。泣き言の成果でもあろうか。
 今日からお酒の提供を再開したけど、アルコールを召し上がったのは15時すぎにおいでになったおひとかただけ。その後の3名はみなさんソフトドリンクのみでした。金曜の夜に一滴もアルコールが出なかったことに。平熱の美学。

2021/10/02土 12-16
 土曜は昼だけにしてみた。2名の来客。ゆったりとしていた。心のどこかで、「お酒が飲めるぞ! ウギャー!」と人が押し寄せてくるのを想像していたのですが、そういう求心力のあるお店ではなかったようです。
 夜学バーはアクセスが良いこともあって、「ついでに寄る店」として利用されがちな側面がある。東京に出たついで、映画を観たついで、美術館に行ったついで、友達と会ったついで……。帰り道に途中下車して寄ってくださる方もいるし、家を出たついで、散歩のついで、さまざまな「ついで」がそれぞれの人の中にあるようです。8点の外出を9点か10点にするとか、−5点の外出を3点くらいにとか、いろんなふうに使っていただけたら幸せです。
 16時で終わったので、夕方から上野公園で人と会う。そこで偶然に小学生の男の子ふたりと一緒に遊ぶことになり、サッカーしたりザリガニを探したり銀杏を拾ったり、たぶん友達になれた。本当にたまたま知り合ったのだが、8歳とは思えぬ賢い人で、「MITに入って30歳くらいまで勉強して、それから科学者になる!」と息巻くスーパー少年であった。また会えますように。お店のない時間が、いつもこのくらい有意義に使えたらな。

2021/10/03日 15-20
 日曜の午後。なんと5名もの来客が!(多いのです。)営業終了後に顔を出してくれた人を合わせたら6人。さすが休日。緊急事態宣言が明けて、休日の価値が上がったというか、休日の休日らしさが増したというのもあるのかも。日曜の夜はお客が少ない、というのがかつては定番だったけど。
 ゴールデン街時代の友達とか、前のお店から来てくださっている人もいらっしゃった。わざわざ書くということは、当たり前だけど夜学バー以後に知り合ったお客さんのほうがずっと多い。長く通ってくださっている方には感謝しきり。いつか夜学の次の何かができた時も、すべてのみなさんよろしくお願いします。
 お店がなくなったらもう終わり、というのはさみしい。せめて生きている限りは。

2021/10/04月 15-20
 2名の来客。3人でいろいろとお話しする。「こち亀が45周年ということで話題ですが、ジャッキーさんはこち亀について一家言ありますか」と問われ、「もちろん」とお得意の「こち亀=ドラえもん論」をぶった。またこち亀200巻の変化の流れについてなど。僕は最初期が特に好きです。
 お笑いについても、僕はとても好きなので話せて励みになった。東西の差とか、コンプライアンス関連を含む最近のテレビのお笑いにまつわる傾向とか、トリオとはなんなのか、とか。このあたりご興味ある方はぜひお話ししてみたいです。

2021/10/05火 15-21
 数ヶ月眠っていたキープボトルを呼び覚ます。夜学バーはボトルチャージないので、木戸銭のみでお召し上がりになれます。すなわち会計は1000円、奨学生ならなんと500円。お金の節約したい方はご相談ください。
 18時30分ごろにf氏と交代。彼女は本当にこのお店のことを好きでいてくれるようなので、是非とも多くのお客にもまれて、より磨かれていってほしい。「f」の字のある日には、積極的に足をお運びいただけると嬉しいです。
 夜学バーで僕(尾崎=Jacky)がやっているようなことには、実はある程度ノウハウというか、コツみたいなのがあるので、少しずつ伝授しつつ、それを参考に彼女らしいやり方を探ってもらって、いつか独立(ちゃんと儲かったり継続できる形で)できるような力を育ててもらえたら。僕のやるようなことは、本当に儲からないので、どうにかオリジナルを見つけてくれるといいな。
 儲からなくていいなら、そのままやってくれればいいのかもしれませんが、違う人間だし、正直言って、生まれた性別の違いもかなり大きい。一般には(平均的には)女性のほうが「こういう仕事」は向いていると思うけど、面倒なこともたくさんある。そこをどうやってうまくやっていくかは、今の僕にはちゃんとわかっていません。
(「こういう仕事」というのは、飲食物以外の魅力を看板にして人を呼ぶ商売、ということです。)

2021/10/06水 18-20
 わずか2時間の短い営業。ずっと通ってくださっている方と、初めていらっしゃった方との2名。こんな時期でも、そしてこんな変則的な形態でも、初めての方がおいでくださるというのは、本当に希望です。ぜひまた。
 拙著『小学校には、バーくらいある。」のなかに、「二度めは、ずっと」という言葉が出てきます。詩的なというか、それ自体では何を言っているのかわからない表現ではありますが、僕は気に入っています。ぜひとも二度めの木戸をくぐってください。一度だけだと、想い出は固定されて写真になります。二度めからは、動き出して生きます。(詩的)

2021/10/07木 13-18
 1名のご来客。お仕事や雑談。
 お店は土地に括り付いたもの。お客さんの住む土地が変われば、当然お店との距離感も変わる。そのたびに新たなよき関係に更新されていければ、素晴らしく嬉しい。
 僕も、東京の西のほうに住んでいた頃に通っていたお店には、やはり行く頻度が減ってしまった。しかしゼロにはならない。新しい距離感で、みんなで幸福にしていたい。

2021/10/08金 13-18
 1名。二つ向こうの県から、「秋葉原にパソコンを修理に出したついでに」ときてくれた。高校生の頃から通ってくれていて、今は大学生。人と話したり、人のいる場に顔を出したりすることが少なくなってしまっているようだ。13時の開店と同時にやってきて、16時30分くらいに帰っていった。
 自分がお店をやっている意味というのは、ちゃんとあるんだなと思える。平日の昼間は本当にお客が少ないけれども、こういう需要が少しでもあるなら、歯を食いしばってでもやる意味はある。昼営業はある程度必要なんだな。

2021/10/09土 12-16→20
 このままではグランドスラム(お客がゼロのまま営業を終えること)という予感がしたので、営業を夜まで伸ばすことにした。どうせ荷物を待つし、ジャーナルを書いたり色々することもある。Twitterに投稿し、ホームページとGoogleカレンダーを変更。
 16時半に来客あり。延長していなければグランドスラムだった。その方お帰りになり、現在18時。あと2時間はおります。どうなるかしら。

 答えあわせ。その2時間でなんと5名が。ごく直前に告知しただけなのに。とはいえ、それを見てきたわけではない方々もいた。
 友人から「Googleマップでなんか得体のしれない妙な(和訳:面白そうな)バーを見つけたから、行ってみて」と言われたという2人連れ。今日が本当は16時までだということをご存知でなかった。土曜の夜だしやっているだろうと来てみたようだ。つまり、僕が急遽営業時間を伸ばさなければ、この方々は夜学バーに入ることができなかったわけだ。恐るべし、偶然。いやここは、直観というべきか。僕の。そして彼らの。
 お金がないからテイクアウトだけで……という人。本当は座っていきたいのだろうと思ったので、奨学生+ごちそうシステム利用を(本人と、その場にいるお客さんたちに)促した。これなら500円ですむのである。ほとんど喜捨に近い制度。

2021/10/10日 15-20
 首都圏のJRのほとんどが止まってしまった(らしい)影響もあるのだろうか、現在17時40分ですが、まだどなたもいらっしゃらぬ。おかげでお店の整理整頓が進みました。あと2時間20分、どうなるでしょう。

 答え合わせ:そのままどなたもいらっしゃらず、グランドスラムでございました。

2021/10/11月 15-20
 23〜25歳の時に働いていた中学校の生徒と、30〜32歳の時に働いていた高校の生徒と、夜学バーに高校時代から通ってくれている大学生と。個人的に非常に感慨深い取り合わせだったのだが、それとその「場」とは特に関係がない。昔話は出てこない。本当に人に恵まれている。

2021/10/12火 15-21 →f
「(芋)焼酎はビニールの味がする」とおっしゃるので、「なんとなくわかるかも」と答えたら、「お酒を飲める人に共感してもらえたのは初めて!」と。しばらく言葉を交わすうちに、「ビニールというよりタイヤの味に近い」という結論に。初来店の方でした。次は二度めに。

2021/10/13水 18-20
 期せずして、求心力の強いとある人物と、彼を追う人たちの集いの場に。たった2時間の営業でも、動くときは動くものですね。

2021/10/14木 13-20
 営業時間を20時までに伸ばしてみた(もともとは18時まで、10日に変更)ものの、7時間待ちぼうけてグランドスラム(客なし)。そんな日もある。けっこうある。もちろん2019年度までは、年間通して数えるほどしかなかったが。

2021/10/15金 13-20
 金曜、3名の来客あり、アルコール提供は1杯のみ。平和極まりない。コーヒーと柿ジースがよく出ます。

2021/10/16土 12-20
 12時10分くらいに最初のお客があって、以下途切れずに10名(うち1名は無料枠)の来客。「サバン」や「雪国」を何杯も作って、楽しかった。
 お店の端っこでは、数学の苦手な高校1年生が、東京理科大卒の自称「証明厨」から、6時間くらい講義を受け続けていた。三角比(三角関数)を基礎からわかりやすく、原理原則を懇切丁寧に教える姿は、皆よい肴になっていたと思う。公式やシステムを覚えさせるのではなくて、なぜその考え方を我々(彼は「僕ら」と言っていた)はしなければならないのか、という「動機」から説いていく、なんと真っ当な方法だろう。
 ふたりは約束して来たのでもなければ、すでに面識があったわけでも(たしか)ない。たまたま同席して、たまたまその人は試験前で、たまたま数学に苦手意識があって、もう一方はたまたま数学が好きだったのである。そういう奇跡のような反応が時おり起こるから、やめられない。
 新潟出身の人が新潟のお酒を注文すると、何人かがそれに便乗する。しない人もいる。なんとなく場がよい心地になる。
 小さなお店に行って、その場で幸福に満たされるかどうか、その確率は非常に低い。普通なら1%にも満たないかもしれない。それを5%とか10%にするためにどうしたらいいか、ということを考えるのが、わたくしどもの役目というか、楽しみです。

2021/10/17日 15-20
 日曜の夕。打って変わって昨日の1/3未満の来客。静かにやる。人生のことを話す。18歳から名言が数々飛び出す。スピードがある。鮮やかに描いていきましょう。

2021/10/18月 15-20
 現在、17時40分です。ジャーナルを7日ぶん書き終えました。まだお客はありません。あと2時間20分!(またこの時間!)
 現在、2021/11/13の21時08分です。ずいぶん時間が経ちましたが答えあわせ。2名のご来店がありました。お一方は名古屋から。夜学バーの重要なコンセプトの一つは「全国からお客を呼ぶ」ですが、「東京に来たら寄りたいお店」として考えてくださっているようです。そういうお客さんを、できるだけたくさん増やしたいものです。

2021/10/22金 15-20
 JK(本人がJKであることを一種誇りにしているので強調)はじめ4名のご来店。未成年のお客がさらに増えると、彩りがあって良いのですが、なかなか。あんまり「若い人きてね!」なんて言っても、面白くないのでできるだけ黙っていますが、もしこのお店を見つけたらば、ぜひ勇気を出して、活用してください。老若男女問わず、それを見つけてしまったら、そこに行くかどうか、またいかように利用するかで、人生というものはいくらでも変わります。と、僕は信じます。(だからやっています。)

2021/10/23土 17-20
 昨日はJKでしたが今日はDS。男子小学生。数は少ないですが、そういう骨のある若い人が通ってきてくださるのは誇らしいし、身も気も引き締まります。みなさんぜひ、見所のありそうな若い人を見かけたら「夜学バーへ行け!」ととりあえず言ってみてください。あとは我々がんばります。
 とある会社(大企業!)の若き同期2人が、偶然にも(本当に偶然らしい)このお店によく通ってきてくれているのですが、一方がお引っ越しするそうで、たまたまここで顔を合わせるようなことは少なくなるだろうし、そもそもこのお店にいらっしゃることも今ほど多くはなくなるだろうと、寂しい気持ちにはなります。しかし夜学バーはあくまでも「居場所」や「溜まり場」ではなく「中継地点」であり「補給拠点」でありたいので、遠く離れることも上等! いつでも必要な時には、あるいは気が向いた時には顔を出してほしいもの。
 夜学バーは東京の東側にあって、東京の西側からするとやや遠い。西側の人はそう頻繁には来づらいと思いますが、それでもちょこちょこ顔を見せてくださる方はたくさんいます。今日もそんなたいせつなお客がありました。月に一度とか、それより少ないくらいの頻度でも、なんなら数年に一度でも、互いに交換できるものはたくさんあります。友達ってそういうもんだと思います、なんて書いてみて、そうかやっぱり僕は友達というものを求めているのだなと改めて思います。ぜひ、適切に仲良くさせていただければ。

2021/10/24日 18-20
 遠く寒い土地へ引っ越してしまった人や、初めておいでになった男女を含め、10名弱の来客あり。日曜の夜、たった2時間で。久々にカウンター内がタスクで埋まって、頭も体もフル稼働でした。時短はいったん今日でおしまい。
 その、例の男女の方々は、初めておいでになって、確実にこのお店を楽しんでくださったと信じているのですが、しかしお二人が今後、ふたたびご来店なさるかといえば、非常に心もとない。きてほしいけど、わからない。楽しんでいただけたというのは間違いないはずだけど、それは「この場、この時間を楽しんだ」ということではあっても、実は「このお店を楽しんだ」ということではないのかもしれない。お二人はこのホームページやTwitterを見てきたのではなかった。おそらくGoogleマップなどで見つけてくださったのだろう。この周辺は日曜の夜に開いているバーが少ないため、そういうお客が日曜には多い。だから本当に、イレギュラーが楽しめるという意味では、日曜が一番面白い。誰も来ないような日も多いけど。
 そういうお客は割に定期的にあって、でもリピーターにはなりにくい。だけどそれを嘆きたいわけでもない。たった一度きりかもしれないが、みんな(僕も含む)にとってかけがえのない時間になってさえいれば、それは本当にすばらしい。もちろん、また会えたらもっと嬉しいんだけど。

2021/10/26火 20-24
 遅い時間、ちょうど閉店という時に、若い男性が入ってきた。初来店だった。こういう時、よほどのことがなければ断らない。話してみると、夜学バーに来るべくして来たのではという気がして、やはり断らなくて良かったと思った。そして幾日か経って、彼はまた姿を現す。「閉店なんで、すみません」と言わなくて、本当によかった。でも言わざるを得ない時だってある。そんな時に僕は、何を言おうか。それも非常に大切である。イメージトレーニングをしておこう。

2021/10/28木 20-24
 夜学バーとしてはめずらしい(と、言わせてください)「おまいつ」な日。ようするに、比較的いらっしゃる頻度の高めなお客さんが、揃うというような。基本的に僕は「常連」という概念がこのお店に馴染むのを嫌うので、できれば「来店頻度」も色とりどりにしておきたい。でも実際、こういうような日もある。全員がなんとなく、お互いの顔を見知っているというような状況。とはいえ名前も仕事も知らないな、という程度の。
 夜学バーの場合は、これは自負として言うのですが、そういう状況であっても「馴れ合い」のようにはならない。そこに新しく、たとえば初めておいでの方が入ってきたとしても、「ウワッ、すっかり空気が出来上がってるな!」とはおそらくならない、一定の緊張感を持った状態。それをいつでも維持できるよう、一所懸命やっております。

2021/10/29金 15-24
 金曜はむらがある。この日は10名のご来店。翌週は9名、その翌週は3名。金曜は混む場合もあるけど、混むことを予想して嫌う人も多いので、まったく静かな日だって多い。賭けのような気分で、楽しんで来ていただけたら嬉しいです。

2021/10/30土 17-24
 初めての方や久しぶりの方など。時短終わって最初の土日というのもあったかもしれない。総数は4名。

2021/10/31日 21-25
 翌日が僕の誕生日なので、あわよくばお祝いしてほしかったのと、体力温存のために変則的な営業時間。24時までに4名のご来店あり、ゆったりと過ごしたのち、みなさんお帰りになり、25時前になって同郷の18歳がお祝いに駆けつけてきてくれて、「誰もいないじゃん!」。せっかくなのでとだらだらしゃべっていたら、25時半くらいに男性2人ぐみ。たまたま通りかかり、看板を見て気になったと。こういう時は、よほどのことがなければ断らない。「一杯だけなら」とご入店いただく。そしたらけっこう気に入ってくださって、花が咲き、一杯どころか結構な量を飲んでいただいた。お誕生日もお祝いいただけた。またおいでください、ぜひ。4時前に2名さまお帰りに。そして結局、同郷の彼女と始発までだらだらと話してしまった。こういうことは珍しいです。

2021/11/01月 15-24
 お誕生日。生誕イベントみたいな特別なことはしたくないけど、祝ってもらえば嬉しいし、「節目」みたいなのが大好きなので、お誕生日だなーお誕生日だぞーと思いながら営業。お祝いしてくださる方もいれば、心の中で「なんかお誕生日らしいな」と思ってくださるだけの方も、何も知らなかった方もいたと思います。すべての方々、ありがとうございます。
 かといってものすごくお客があったかといえばそうでもなく。9時間営業して12名。そのうち僕がお誕生日だと知っていた人は、半分ちょっとくらいだと思います。それがまた心地よかったです。詳しくは岡田淳さんの『雨やどりはすべり台の下で』という名作をご参照のこと。
 しかし中にはわざわざ有給を取ってまでおいでくださったガチ勢(?)もいらっしゃり、嬉しい限りです。プレゼントもいただきました。しかし僕はこういうお店をやっているのもあって基本的に「返報性の原理」とは無関係のところで生きていたい(その代わり「仲良しの原理」の中で生きたい)と思っているので、すべての感謝はここでの「ありがとうございます!」の一言で代えさせていただきたいと思います。

2021/11/02火 20-24
 上司や、知り合ったばかりの異性を連れてきてくださると、「ああ、信頼?されておるのだなあ」と幸福な気分になれます。ありがとうございます。

2021/11/03水 18-24
 手塚治虫先生のご命日なのでアトムのトレーナーを着て営業。お客は3名。うーむ。でもかつての生徒が幼馴染を連れてきてくれた。会うのは4年ぶり。お酒を飲める歳になっていた。覚えていてもらえるのも、会いにきてくれるのも、そこで楽しく話ができるのもとても嬉しい。想い出話に終始することもなく、ただ単にこれまでのことと今とこれからのことを話す。

2021/11/05金 15-24
 比較的人の多い金曜。とはいっても9時間で9名、1時間に1名。もちろん満席ということはなく、3〜5席が埋まる程度。平和なものです。武道館の「風街オデッセイ2021」というライブ(フェス?)に行ってきたことを自慢しにきた二人組。「このお店でライブがあることを知ったので、ありがたかった。教えてくれたあの人にお礼を言っといてください」とのこと。それを聞いていた別のお客さんが、「明日行ってみようかな」「当日券あるみたいですよ」。もしそういう連鎖になったらまた素敵なこと。

2021/11/06土 17-24
 名古屋の同級生18歳度二人組。友情がもつれ、途中泣き出したりなど。同席した少し年上のお姉さんが戸惑うなど。お店というのはやはり凄まじいものです。

2021/11/07日 20-24
 ジン好きな人、日本酒好きな人。甘酒や柿ジース飲む人。何を頼んでも問題がない感じのお店にしておきたいですと改めて。

2021/11/08月 20-29
 庚申の日なので、朝まで。されどお客は合計5名。3名は日のうちにお帰りになり、1名が夜を明かし、1名が朝方にご来店。うーむ。1年半くらい店内では守庚申(夜を徹してお話しなどする風習)できなかったので、せっかく少しずつ根付いてきたのがリセットされてしまったのかも。次回は1月7日(金)、状況次第ではありますが、よろしくお願い申し上げます。
 ちなみにこの日からなぜかしばらく客足がにぶる。不思議。

2021/11/09火 20-24
 お客は2名。じっくり話す。富野由悠季さんの話や、Web日記をつける意味とか。個人的にはすごく楽しい話題だった。その続きをぜひまた聞かしてください。(聞か「し」てとするのには理由があります。なんでしょう。)

2021/11/11木 17-24
 3名。近辺で働いていらっしゃる方々が早い時間に、遅い時間にはご近所にお住まいの方。近所の日でした。遠い人たちばかりの日もあるし、こういう日も。いろいろあります。楽しいです。

2021/11/12金 17-24
 3名。金曜だというのに、実に静かなものでした。売上はもちろん4桁。「大丈夫かこの店? 潰れるんじゃないか?」という気持ちもよぎりますが、ぼくはなれてるからあわてないのだ。このおちつきがしろうととくろうとのちがいだ。(『ドラえもん』2巻「恐竜ハンター」より)
 10月や11月は新生活の時期でもあるようで、最近新しいお仕事を始めたという人が3名のうち2名。最初のうちは苦しいこともあろうけれども、なんとか自分の生命にとって良き時間にできますよう。

2021/11/13土 17-24
 晴れた土曜日。JK(本人がJKを誇りに略)が3時間くらいいて、それ以外にお客がないまま22時30分。もうだめだ、潰れるんだこのお店は! と思ったところで1名ご来店。さてどうなるか。乞うご期待。
 その後もう2名のご来店がありました。土曜の夕方から深夜にかけてで、4名。KAとしてはやや苦しいところですね。ちなみに最初の1名(JK)は無銭飲食(わざとではない)していきました。後日ぶじカイシュウいたしました。

2021/11/14日 17-24
 おそらく10年以上のお付き合いがあるお客さん、というか友人が、小さなお子さんを連れてご来店。いろいろなことが変わっても、人と人とはつながっていられる。喜ばしいことです。

2021/11/15月 17-24
 札幌から若き来訪者。なんとなく勢いで「札幌で宣伝お願いします!」とショップカードを1束(100枚くらい?)渡したら、本当にあちこちでばらまいてくださっているようで、頼もしい限り。そのように草の根広報大使(守護?按察使?サトラップ?)を各地に置けたらいいなあ。ご志願はお気軽に。

2021/11/19金 23-26
 数日東京を留守にして、名古屋、大垣、金沢、高田、上田、小諸、熊谷などに挨拶旅行へ行っていました。その足で23時に開店し、26時まで営業するという実験。なんと7名ものご来店が。物珍しいというのもあったのでしょう。孤独にならずにすみ、助かりました。
 週末にちょっと遅くまで営業する需要は果たしてあるのでしょうか? 電車をなくして帰れなくなる人がいると、どうしても「それじゃあここにいなよ」と言いたくなってしまって、結局朝まで、なんてことになりがちな性格なのですが、やるとなったら鉄の誓いで時間通りに閉めたいものです。ファミレスが朝までやっていた時代は気軽に「じゃ」と帰れたのですが、今はカラオケかネットカフェくらいしかありません。慣れてない人はちょっと気合い入れないと行けないですよね。ファミレスという気軽な存在が失われたのは、夜の街にとって意外と痛手なのです。ちょっと前までは朝までやっているカフェも上野にはあったのですが、今はそうでもないようです。(もしどこかにあるならぜひ教えてください!)

2021/11/20土 17-24
 11月1日から23日(執筆時現在は25日)までの夜営業の来客数は0〜12名までの幅があり、中央値は4名、平均は4.67名です。
 この日は8名で、3番目の多さ。土曜だから多いのかというと、前週は同じ時間帯で4名。さらに前週は5名です。わからないものです。その前は、10月になりますが4名、その前は5名です。ある意味安定しているのかも。まったく誰も来ない(グランドスラム)、ということはほぼありません。混んでいるのは嫌だけど、誰もいないのも張り合いがない、という方には土曜日が比較的おすすめなのかもしれません。
 試しに2019年の同時期(11月1日〜23日、夜営業かつ尾崎担当の時間のみ)と比較してみましょう。幅は1〜14名、中央値が6名、平均が6.13名。
 最近よく「どうですか? (客足は)戻りましたか?」みたいなことを方々で、いろんな方から聞かれるので、とりあえずデータを書いてみました。こんな感じです。戻っているといえば戻りつつあるのかもしれないですが、平均客数の差は約1.5名ですが、「およそ4分の3になっている」ということでもあります。この規模のお店だとけっこう大きいです。ちなみに、2019年11月23日は土曜で祝日でしたが、夜のお客は3名。その前の金曜日は2名でした。その前々日の水曜日は1名と記録にあります。理由はわかりませんが、ひょっとしたら(夜学バーにとっては)人の少ない時期なのかもしれません。

 中学時代からのお友達を連れてきてくれた方や、近辺にご用事があって久々においでくださった方、初来店の方も2名おられ、多様な顔ぶれでした。
「他流試合」(参考文献:夏目漱石『こころ』)のような気分になれて刺激的でした。

2021/11/21日 18-24
 お客は2名。静かに過ぎていきました。いろんな日曜がありますね。

2021/11/22月 17-24
 グランドスラム(お客なし)。7時間待ちぼうけでした。そんな日もあります。雨とはいえ、祝前日なのに。そういう一般公式が通用しないというのも、非常識で良いです。

2021/11/23火 17-24
 祝日でしたが、たしか17時半くらいから22時半くらいまで、ある若いお客さんと1対1でお話ししていました。意外と尽きないものです。夜も更けてお二人ご来店。ゆったりと過ぎていきました。

2021/11/25木 17-24
 現在21:34、ここまでお客一人。すでにご帰宅。11月は9日あたりからずいぶんふるいません。これからどうなるか。『ドラえもん』16巻でのび太が宇宙ターザンを応援するような気分で、何卒よろしくお願いいたします。宇宙ターザンとしてもがんばります。

 その後もうひとかたいらっしゃり、最初のお客さんがもう一度戻ってきて、おしまい。当日出戻りの場合は木戸銭いただきません(寄席システム)。

2021/11/26金 17-24
 23:35現在でお客さんお二人。初めての方と、二度めの方。お二人ともこのお店を気に入ってくださったみたいで、とても嬉しい。しかしながら、花の金曜日にお客が2名とはいかなることか。21日〜26日(お休みの場合は除外)の夜の平均客数は、なんと今のところ2名を下回っている。えらいこっちゃ。
「客が戻る」みたいなことを考えるよりも、もういちど1からやり直す、というイメージなのかもしれない。思い返せばお店を開いた2017年当時は、本当に静かだったなあ。もちろん、以前のお店に来てくださった方や、友人知人などもいたから、それなりに楽しくやれていたけど。今もそんな感じなのかもしれない。「これまでの夜学バーが夜学バー1(ワン)だとしたら、今生まれ変わったこの新しい夜学バーは……そうだっ、夜学バー2(ツー)だっ!」的な。参考文献:島本和彦『炎の転校生』
 あ、どなたかいらっしゃった。(この後2名来店。)

2021/11/27土 15-24
 実はもう新年明けて8日です。こういう他人の関わる文章は「どこまで書くか」ということがとても悩ましく、いつまでもついてまわります。なんだか書けなくなってしまっておりました。あまり気にせず、ひっそりと、好きなように書くのが一番、と思えど。

 学生時代から通ってくださっている女子
 このように性別を明記するのも時期によってはほとんどしていないのですが、頑なに避けるのも不自然なような。僕の頭の中には「女の子の顔」がはっきりと浮かんでいます。しかし「女の子の顔ってなんだよ! 顔で性別を決めつけるのか!」なんて突っ込まれたらどうしよう……とか思って普段は書けないのです。とにかく言及を避けるのが今風なのでしょうか。実のところ、主にこの辺のことを考えておりました。
「男か女か」という情報が必要か否か。「彼」「彼女」という表現は便利か、不便か。
 僕の頭の中には「その人の顔」が浮かんでいて、読んでいる人に「その顔」について伝えるために、「女子」「女の子」「女の人」「女性」といった表現を使う。それは手抜きかもしれない。属性のみ伝えるのは、当人の実存(!)を無視することにもなりかねない。「こういう髪型で、こういう顔つきで」と個別具体的な事実のみ詳細に描写すれば、「その人」そのものを伝えることはできる。しかしすぐさま「そこまで書く必要あるか?」と疑問が浮かぶ。
 僕が「女」とだけ書いたとき、「女じゃないんだけどなあ」「女と思われたくないんだけどなあ」と思う人はいうる。でもそこに気を遣いすぎるのは、あつものに懲りてなますを吹くような愚かもしれない。
 頭ではいろいろ考えてしまうわけですが、しかし日常はかなりカジュアルに「男」「女」という表現を用います。それと同じノリでいいのだろうとは思います。
 学生時代から通ってくださっている女子 と書くことは、その当人への属性の押し付けかもしれない。「学生時代から通ってくださっている」は事実としてまず文句は出ないだろうけど、「女子」が事実かどうかは定かでない。僕の感想に他ならない。そういう描写をどんどん削っていくと、どうしても無味乾燥な文章になるか、説明過多になりがちである。僕は後者になりやすい。(今なっている。)
 学生時代から通ってくださっている方 でなんの不足があろうか?
 不足はない。でも色気もない。
 文章に色をつけるには、無難さを捨てて、自らの感想の中に踏み込んだ方がいい。ただしある人の主観は、他の誰かの主観を侵すことがある。そんな危険なことを、お店のホームページ内でやるべきか? そういう葛藤っがあって、「なんか書きづらいなあ」という気持ちになっておりました。
 あんまり気にせずにやっていこうというのが結論ではあります。日常と同じ感じで。

 というわけで、学生時代から通ってくださっている女子(なんかこのかたに妙なプレッシャーがかかってしまったような?)は、当時からだいぶ田舎(この言葉も難しい、「田舎ではない!」という認識かもしれない)のほうから大学に通っていたようですが、今も同じ田舎にいて、その田舎で就職しました。(田舎って言い過ぎかもしれない。)そしてたまに東京に出るときなどに、お店に寄ってくれます。とっても嬉しい! というだけの話です。
 遠く(終電が9時とか)にお住まいの方が、ついでの折に顔を出してくださる。こういう人がいっぱいいるのが理想です。(こんだけ言いたかっただけなのに、なぜかこんなに長くなってしまった。そしてまったく、女子と明記した意味はありませんでした。でもこれを書いている僕の心の中にあるイメージと似たものは、そう書いたほうが想起されやすいような気はするのです。男が週末に田舎から街に出てくるという一般的イメージと、女のそれとだと、やっぱり何かは違う。気分の色味が違う気がします。それが差別だ! と言われたら、本当にそれは色濃く、まだしばらくはあるものだと思います。)

2021/11/28日 17-24
 お客少なく静かな営業。日曜の夜は静か。

2021/11/29月 17-24
 7時間でお客1名のみ。やや焦る。

2021/11/30火 19-23f
【fしるす】
 各方面での3人の先輩が来る。この日に限らないが、今日夜学に来なければ実現しない出会いだ。
ミッションボトルをする方やウィスキーを飲む方など。ストレートでの飲み方が多く、グラスやお酒についてもっと知ろうと思う。

2021/12/02木 19-23f
【fしるす】
 前々から連絡をとっていた方と初対面した。演劇の作り方について話す。
 その後も3人いらっしゃる。4人がカウンターに並ぶと向き合い方が変わる。
 エアコンのもと熱気球のごとくフヨフヨと浮かぶコロ助マスコットに、空気も場も温まる。
 温かい飲み物を把握しようと決意。部活帰りのような店じまい。

2021/12/03金 17-24
 おそらくここで出会ったはずの同じ業界の二人が仲良さそうにしている。2年ぶりくらいの人が友人を連れてくる。就職したばかりの男子が金曜の遅くにやってくる。気まぐれに(?)一人でやってくる女性たち。

2021/12/04土 15-24
 たびたび来てくれる男の子が友人を二人連れてくる。この人が過去に連れてきた中には、一人でちょくちょく通うようになってくれた人もいる。彼や彼女も気に入ってくれればいいな。
 時おりやってくる女の人。嘘でできた冗談ばかり言い合う。

2021/12/05日 17-24
 小学5年生男子。またも『あまいぞ!男吾』読んでいる。もう何周ここで読んでいるのだろう。彼の想い出の中に『男吾』と融合してこのお店は息づくだろう。祖母の経営していた喫茶店で、ソファに寝っ転がりながらジャンプとか読んでいた時間を思い出す。あの色。あの匂い。

2021/12/06月 17-24
 全7名きていたはずなのに4名が思い出せない。僕はお店の営業が終わった瞬間にその日に来ていたお客のことをほぼ忘れるので、かんたんなメモをしているのですが、この日はそれをしそびれてしまった。近所のカフェで知り合ったという3人連れの方々だけは覚えている。この日来ていたという方はご連絡ください……。

2021/12/07火 17-24
 この日も全8名来ていたうち2名が思い出せない。来ていた方、教えてください。
 4年前に高校2年生だった教え子に子供が生まれた。夫婦で来店してくれた。最近は晩婚なのでこういうの意外と初めてかもしれない。心の中ではけっこう泣いてました。色々あるけど強く生きていこうね。
 17時から開けていると、早めに仕事の終わる方が夕食前に寄ってくれたりする。早い時間にいらっしゃる50代、60代の男性たち、とても素敵な方々。
 そう、「この曜日のこの時間に夜学に行きがち」という人は、「その時間のその時間に夜学にいがち」の人に会う機会が多くなる。たまに曜日や時間を外してみると、また違った雰囲気を味わえる可能性が高くなると思います。

2021/12/09木 19-23f

2021/12/10金 17-24
 あんまり覚えてないけどFJK(JK1)と早い時間ずっと二人で話していたような。「女子高生の視野を広げるための会」もこの日の雑談で生まれたような? 違ったらごめんなさい。
 11月20日にもいらっしゃった方、何度目かの来店。このお店の雰囲気をお褒めくださる。お客さんたちの感じが本当にすばらしいと。
2021/12/14火 19-24
 13年前に中学2年生だった生徒、めっちゃ好き(面白いという意味で)な男性のお客がいて、たまたま同席して嬉しそうだった。こういう、「通っているお店のちょっと好きなお客さん」っていいですよね。僕にもたくさんおります。

2021/12/16木 19-23f
【jしるす】
 遅めの時間にちょっと寄る。近くでイベント?があったらしく、某超えらい人がいて驚いた。有名人の名前をたくさん出しながらずっとしゃべってるので泣きそうになった。偉大な人(僕でも知ってる)なのだから、ドーンとしていればそれだけでかっこいいのに。
 fの日は、夜学バーのお客さんとf氏のいろんな人間関係(いろんなことをしているので)がバランスよく集まるような場になればいいと思う。この日は割とそんな感じになっていたと思う。僕が20代の頃、週一で某バーに立っていた時もそういうふうだった。その中でどのように一つの「場」を実現させていくか、ということは死ぬほど難しいと思うので、やる気があるなら是非がんばっていただきたい。作れれば本当に幸福な空間になるので。

2021/12/17金 17-25
 次の金曜日までjの日ありません! しばらく休みます! というタイミングの金曜日なのに、静かなもんで、お客は通算5名。どういうタイミングにお客が多く、また少ないのか、まったく読めません。だから面白いのです。釣りやギャンブルに近い。そしてお客が多ければいいというものでもなく、静かな最高の夜こそが小さなお店の醍醐味です。

2021/12/23木 19-23f

2021/12/24金 17-25
 1週間ぶりのj営業。疲れた! 休む! という気分で休日を作ったものの、その間にライターとしての取材仕事が複数本入ったりなどして、結局働いてはいたわけですが、いいリフレッシュにはなりました。お店はあんまり仕事とは思っていないので、久々に働いた! 社会! 新鮮! って感じ。
 クリスマスイブ。僕は「イベント」があんまり好きじゃありませんが、「年中行事」はなんだか好きです。クリスマスだー、と思うことは大好きで、クリスマスパーティ! みたいなのはとても苦手。
 男の人より女の人のほうがいっぱいきた。9名中5名。一人で、おそらく初来店という人もいたし、女子二人連れもいた。おそらく、もう「クリスマスイブは恋人と」みたいな圧力はだいぶ薄まったのだろう。僕としては実に喜ばしいことである。2018年のクリスマスイブは僕の時間お客なし(さみしかった!)、2019年は5名、うち男性が4名。男女比で何かを語ろうとは愚かと思われるかもしれませんが、社会の空気の変化をなんとなく感じます。単に今年は金曜だから来やすかっただけかもしれないけど。

2021/12/28火 15-24
 この日から1月4日までは無休で営業。その代わりしばらく休んでいたのでした。この日はなんと16名の来客があり、去年の秋以来の大入り。といって9時間も営業していたので来客のタイミングも散り、満席になることもなく、比較的穏やかでした。このくらいの繁盛具合がせいぜいです。ちなみに翌日以降はさほど来客多くありません。この日だけが特異点。なぜかというと色々考えられます、複数の条件がマッチした結果なのでしょう。
 年末の挨拶に、友達を連れてきた、僕の本『小バー』を読んでくださり初めていらっしゃった、久々にタイミングが合った、ちょうど東京に来ていた、上野近辺で仕事があった、忘年会の帰り、などなど。
 2012年から2015年にかけて若き僕がやっていた闇バー(おざ研)などで時おり出会っていた二人が久々に再会を果たす。どちらも来店頻度は高くないし、片方は岐阜在住なので、奇跡的な確率。人の母数が多ければそれだけ出会いも再会もあるのだなあ。

2021/12/29水 17-21
 水曜の夜はここんとこ休みにしがち。ノー残業デーの会社が多いだろうし、なんとか復活させたい。かつては「水曜日の惑星」などと称して女の子に立ってもらっておりましたね。(はる→ちか時代)。そういうアクセントがあるとまた楽しいだね。
 この日は水曜お昼にずーっと居てくださっているさちあきさんに年末のご挨拶をするために開店したようなもの。「今年もありがとうございました」みたいなことを言ったら、「ジャッキーさんやめてください、そんな普通の人みたいなこと言わないでください。いつまでもきちがいでいてください」(意訳)みたいなことを言われた。じっさいのところ半分は「まじめくさってみるボケ」だった。もう半分は本気。安定して居てくださって感謝してます。
 たぶんみなさまは、水曜のお昼に何かが行われているらしいことは知っていても、いったい何が行われているのかよくわからないことでしょう。調べてみるとなんとなくはわかるはずですが、すごくわかるということもないはず。ミステリアスで良いと思う。その時間のみ素敵な看板が立っているのでよろしければ。
 ついでにちょっと語っておこう。年末だし。さちあきさんの日は僕の時間とはまた違う感じだと思います。僕だってかなり寛容な人間(!)ですが、彼女はもっと寛容というか、こちらからしたらあなたのほうがきちがいですよ、と言いたくなるような人。場の作り方とか考え方もたぶんずいぶん違います。具体的にいうと、僕が世界を救おうとしているとすれば、彼女はすべてを救おうとしている。(なんのこっちゃね。)

「上野 バー」で検索してやってきました、という方が。気に入ってくださったよう。いろんなアプローチがある。その後、女の人がふたり。ずーっとそのまま。計3名。
 二人の女の人はどちらもたぶん二度めくらいで、最初に来たときよりもリラックスしてくれていた気がした。そうならいいなと思うし、そういうふうに変化していくのが人の集まる場の面白さ。
 ただし、変化し続けるということは、「よくなる」可能性があるのと同時に、「悪くなる」可能性もあるということ。変化というものは恐ろしいもので、常に「正しい変化」を志し続けなければ、あっという間に堕落してしまう。気をつけなければ。一番、お店が。

2021/12/30木 15-18
 f氏が立つはずだったが、途中で都合が悪くなりjに。もともと休むつもりだったから短めの営業。お客は5名。取材(ライターの仕事)で新潟に行ったとき、安居荘という老夫婦(たぶん)の営むゲストハウスで出会った方が。まさか本当においでくださるとは。僕はあんまりゲストハウスで友達を作らないほう(コミュ弱なので安居荘のような渋めな宿を好む)なのだが、ひょんなことから。気に入ってくださったみたいなので、またぜひに。
 たぶん10年以上前からたびたび僕のお店に来てくださっている方が、お子さんを連れて。赤ちゃんの時に西新宿の闇バー(おざ研)で会っている。その時は本当に、なかなか子供を連れて行ける場所もなかったみたいで、良い想い出として残してくださっているみたい。僕も鮮烈に覚えています。もう小学生で、夜学バーも二度めか三度めか。前もここで読んでいた『山奥妖怪小学校』や『ドラえもん』をまた楽しそうに読んでいた。嬉しすぎて道路標識を蹴っ飛ばしそうだった。
 それから女の人が二人きて、二人ともその小学生がmezzo pianoを身につけていることに反応していて面白かった。メゾピはエバーグリーン。

2021/12/31金 15-28
 大晦日。浮いて浮いて浮きまくる覚悟を今年も。24時までの9時間はお客が1〜2名で推移、計5名、年越しの瞬間には2名。その後6名やってきた。来年は25時開店でいいですか?
 NHKプラスで紅白を流していたのですが、「紅白は一度も見たことがない、こうなったらもう絶対に見ない」と、画面に背を向けてお酒を飲む方があり、なんだかすごく面白かった。すばらしい意地の張り方である。それでも耳で聞こえるものに対してコメントはしていた。画面を見なければいいらしい。見るなの禁忌。ちょっと意地悪なことを言ってしまって反省。
 年が変わって、お客が一人になり、このまま誰もいなくなって終わりかな〜と思っていたら、少しずつ人が増えてきた。朝4時を過ぎてもまだきた。とはいえ満席でもなくちょうどよかった。「神奈川の真ん中」あたりからお雑煮を食べるために終電でやってきた人は、本当に雑煮だけ食べて始発くらいで帰っていった。またリズムが合う時にどうぞ。
 これまた「おざ研」時代からのお客さんが年越しの瞬間にいてくださった。夜学にはまだ数回しか来ていないが、いろんな人とあれこれ話して、当面の問題へのヒントを得たらしく、「来てよかった」と言ってくださった。そういう一言が僕とこういうお店を生きながらえさせます。ありがとうございます。

 いちばん上へ ジャーナル 2021年前半 2021年後半 2022年前半 TOP